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Brugge-ブルージュ/ベルギー

「ブルージュに行ってみたい。」と思ったのは、とある一枚の写真をネット上で目にしたからだった。

古城を思わせる中世に建てられたレンガ作りの美しい建物が立ち並ぶそのすぐ横を、その風景を真っ逆さまに、しかし写真のように映し出す黒くて美しい川が流れている。

ベルギーの首都ブリュッセルは、私の住む街からは飛行機でたった数時間だったし、ブリュッセルからブルージュへは色々な交通機関があるようだった。

10月のある週末なら2日休暇を足すことができそうだったので、休暇申請をして、その日に行くことにした。恐らく、これが今回のヨーロッパ滞在でとれる最後の休暇だ。

夜ブリュッセルに到着するフライトは、当時インターンシップをしていた私のお財布に優しい価格で、私はすぐに購入ボタンを押した。

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飛行機を降り、電車に乗り換えてブリュッセルに到着した時は午後9時を過ぎていた。オレンジがかった街灯の光が、しとしとと降り注ぐ小雨に反射していた。降り注ぐ小雨を全身に浴びつつ、石畳に足をとられながら、スーツケースをごろごろと転がし、予約していたホテルに到着した。

「予約しているれとですが。」

「あぁ、れとさん。ごめんなさい、予約ミスで、あなたの部屋が無くなってしまったんです。提携のホテルに移動してもらえますか?」

「…。」

ヨーロッパに住みだして2年目。日本という国の方が「きちんとしている」と思わされることは毎日のように発生していた。ヨーロッパでは、国や地域によるけれども、なんというか「抜け」が多い。こういう事は日常茶飯事だった。

指定された新しいホテルは2ブロック先で、またも小雨を浴びながらよたよたと歩いて到着した。部屋に入ると、キングサイズのベッドが私を迎えてくれた。どうやら前のホテルは、誤った予約の代わりにグレードの良い部屋を用意してくれていたようだった。シャワーを浴び、ベッドに大の字に寝っ転がった。前途多難、てわけじゃないな、と思いながら天窓に降り注ぐ雨を見ているうちに、いつの間にか眠りについた。

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日曜日だった翌日は、ブリュッセルの街を少々散策してみることにした。

ヨーロッパでは日曜日は店が全て閉まっていることを予想していたので、のんびりとした散策をするつもりだった。

昨晩からぱらぱらと降り続いていた雨は、私が外に出ようとすると、大雨に変わった。

傘を持ってくるのを忘れていた私は、ホテルのフロントで貸し傘があるかを尋ねることにした。旅行に傘を持ってきていないことに恥じらいつつ。

「あの…傘って…。ゲスト用に貸し出してますか?」

「ゲスト用に貸し出している傘は無いんですが、よかったら私のをお使いください。」

「え?いいんですか?」

フロントの男性はにっこりと笑い、大丈夫ですよ、と言う。

傘が無くては外に出ることができないので、とりあえず借りることにした。

外に出ると、傘にぼつぼつと容赦無く降り注ぐ雨粒を感じる。風も強く吹いていた。数ブロック歩いた所で、ばさん、と大きな音が頭上から聞こえた。

傘がおちょこになっている。見ると、骨も折れていた。

優しい人様から借りた傘なのに…と呆然とした。体中の血がかーっとざわめく。

落胆しつつ壊れた傘を畳み、周りを見渡すも、ビジネス街で店すらない。全身びしょぬれになりながら、近くの地下鉄の駅に入り、傘を購入するために中央駅を目指した。

地下鉄に乗ると、濡れた体が冷えていく。冷たい指先が、かじかんでいた。

中央駅はすぐだった。駅に着くと、地下鉄のプラットホームからのろのろと出て、中央広場近くの土産物屋で傘を2本購入した。15ユーロ程だった。

自己嫌悪に陥りつつも、旅を楽しもうと思う自分が、自分を鼓舞する。

腹ごなしすれば元気も出るだろう、と近くのレストランに入った。ムール貝のチーズ焼きをオーダーする。私はその時ヨーロッパの内陸に滞在していたので、海鮮料理は殆ど食べる機会が無かった。しばらくぶりに海の味が口に広がる。静かに感動した。思っていたよりもずっと、私の体は海鮮料理を欲していたことをしみじみ感じた。食べ物が体に入ると、段々と体が暖かくなるのを感じた。

外はまだ雨が降っていたけれど、少し小降りになったようだった。市内を散歩する。

やはり、ブリュッセルに来たら、小便小僧に会わなくてはならない、と小便小僧に向かう。

小便小僧は、すぐに見つかった。とても高貴な家柄の子供のような服を着せられ、真っ赤なケープをまとい、小便をしていた。

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そしてブリュッセルに来て初めて、小便少女がいる、ということを聞いた。これは会いに行かなければならない、と指定された場所に行くと、小便少女は思ったよりも衝撃的な姿だった。小便をしようとしている少女が、空中に微笑みかけている。少女は小便はしていなかった。

恐らくいたずらが絶えないのだろう。手の届く場所にあるその少女像は、頑丈な檻に大事に保護されていた。

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その後は、なんとなく市内を周り、多くのチョコレート屋を覗いた。どのお店もユニークで、見ていて飽きない。あちこちで甘い香りが漂っていた。

夕方になり、翌日ブルージュに行くための切符を準備しなければならないと思い、中央駅に向かった。外は相変わらずどんよりとした曇り空が垂れ込めていて、時折ぱらぱらと雨が降っていた。

翌日は、早朝のブルージュ行きの電車に乗り、その翌日の午後3時頃のブリュッセル行きの電車で帰る予定だった。

駅に着くと、大勢の人がインフォメーションに並んでいる。様々な言語が飛び交っている。駅構内の全てのインフォメーションパネルは、時刻表示の無い同じ言葉がフランス語で表示されていた。何かがおかしい、と思った。私はフランス語は分からない。

長い列に並び、インフォメーションにようやく辿り着いた。

「あの、ブルージュに行きたくて。明日の電車のチケット購入できますか。」

「できませんよ。」

「え?チケット売り場ですよね、ここ。」

「明日は列車もバスも全部ありません。ストライキですから。今日の午後10時以降、全部止まります。」

「え?」

周りの騒然とした雰囲気でなんとなく予想していたものの、この答えを聞いた瞬間、ショックに勝手に顔が歪んだ。頭に血が上り、焦り始める。

チケット売り場を離れると、とりあえずインフォメーションセンターに向かった。

「あの…。どうしても明日ブルージュに行きたいんですけど、何か手段を知っていますか?」

「無いですね。あるとすれば、タクシーです。それか、あきらめて明後日行かれることをおすすめします。」

「独立系とか、民間の交通機関はどうですか?」

「わからないです、僕ベルギー人じゃないので。」

訳が分からない回答だった。

あなたはこの地域のインフォメーションを提供する係ではないのか…。

周りの旅人や、地元の人に見える人にも状況を聞いても、誰も彼もが「知らない、わからない。」と「お手上げ」のポーズ。

前途多難だ。

ここまで来て、ブルージュに行けないかもしれない。

この日、結局色々と調べてみるも、ブルージュへ行く方法は見つからなかった。バーでベルギービールを飲んで、ホテルに戻った。

ホテルに戻ると、フロントで借りた傘を壊してしまったことを謝り、新しい傘を渡す。フロントの方は違う人だったけれど、「気にしないでください。」と笑顔だった。

ドロドロしたヘドロが溜まっていた心に、一筋の光がすっと差し込んだ。こういう、人のちょっとした優しさが、落ち込む心を持ち上げてくれる。心から「ありがとうございます。」を伝えた。

自分の住む街の友人に電話し、ブルージュに行く方法について何か方途が無いか聞くけれど、当たり前だけれど誰も回答は無い。

ノキアの電話は、インターネットを利用できない。無力だった。

ホテルに戻り、ふて寝してベッドに横になると、突然気分が悪くなり、4回に分けて嘔吐した。

ビールのせいだろうか。最低だった。

翌日、朝早くホテルのフロントで、何かいい方法が無いか尋ねた。

「北駅にユーロラインがあるから試してみたらどうですか?それか、ヒッチハイクですね。」

ユーロラインは、ヨーロッパ全体を繋ぐ民間の国際バスグループだ。これは行けるかもしれない、と思いユーロラインの電話番号を聞いて電話してみる。

呼び出し音の後、ピーポーパーという普通の音が鳴り続ける。不通なのか、何なのか不明だったが、架からないのは確実だった。

仕方なく、全ての荷物をまとめ、北駅に向けてホテルを出て歩き始めた。

タクシーはあちこちにあるのだけれど、フル回転で、全く捕まらず、歩いた方が早い、と30分の道のりを歩き出す。歩道の段差に差しかかる度にスーツケースのタイヤが引っ掛かり、いらいらが募る。私は予定通りにいかない状況にストレスを感じやすい。

北駅に着くと、大勢の人が右往左往していた。ユーロラインのオフィスは人で溢れかえっていた。

「すいません、ブルージュに行くバスってあります?」

「無いです。」

「困っているんですが、何か行くための情報ってありますか?」

「中央広場に旅行会社があるので、そちらで聞いてみてはいかがですか?」

「電話番号ありますか?」

「残念ながら提供できないので、ご自身で行かれてみてください。」

中央広場は、中央広場の横。また中央駅まで歩かねばならない…。

北駅から出て10分程歩いて、ストリート名で地図を確認すると、反対方向に歩いていた。なんという方向音痴!

頭に血が上って、じわりと汗が全身を覆った。地図が読めないのは昔からだけれども、この状況で余計な手間を生じさせる自分自身が心底嫌になる。自分にあきれ返る感情を押し留めて、今来た方向に向かってとぼとぼと歩き出した。

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ようやく、歩き出した駅に戻った。相変わらず多くの人でごった返していた。

更に汗をかきながら歩き続け、旧市街に入った。石畳にスーツケースを転がすことが相当億劫になっていた。旅行会社の店舗は、旧市街に入ってすぐに見つかった。

「あの、すいません、ブルージュに行きたいんですけど。」

「ブルージュですか。ブルージュ行きのバスは、今朝8時に一本出て、それ以外には無いんです。明日同じバスがありますよ。」

明日…。

明日では遅いのだ。私はブルージュで一泊して翌日はもうブリュッセルに戻り、夜のフライトで自分の街に帰らなくてはならない。

「他にバスが出る所を知りませんか?私、日曜の夜には自分の街に帰らなくてはいけなくて。どうしても今日行く必要があるんです。」

「残念ながら、私たちには分からないです。タクシーはどうでしょう?タクシーなら200ユーロくらいですかね。でもタクシーも探すのが難しいかもしれないけれど。」

タクシー。タクシーを検討すべきだろうか。でも200ユーロは当時の私には大金だった。タクシーを利用するのは避けたかった。

途方に暮れた。ちょっと休もう。色々な汗が止まらない。

ツーリストカンパニーのカウンターから離れると、入口のすぐ横にスーツケースを置き、その上にもたれかかるように座り込んだ。額の汗をハンドタオルで拭う。意味もなく地図を見つめる。溜息が出た。石畳にスーツケースが邪魔すぎて、疲れすぎていた。バックパックにすればよかった。国際免許証を持ってくればよかった。ストライキで公共交通機関が止まるなんて、なんて運がないんだろう。どうにか問題を解決できるだろうか。今回ブルージュに行けないなら、いつの日か、またベルギーに来ることができる日はあるだろうか。

頭の中を巡る色々な考えに、口元が歪み、目にはうっすらと涙がにじんでいた。落胆が隠せない。旅が計画通りに行かないことなんてよくあることなのに。我ながら情けなかった。

地図を見つめる目をふとあげてみると、カウンターにいた女性が他の男性と話していた。私の方を指さしながら話している。

すると、男性は私の所に来て言った。

「僕、ここで働いてるんだけど、午後2時にアントワープに行くんだよ。それで、君はブルージュに行きたくて困ってるって聞いて。よければ、行く道すがら乗せて行ってあげるけど、どうかな。僕個人が乗せてくだけだから、お金とかもいらないよ。」

「え?」

一瞬、訳がわからなくて、言葉に詰まった。

こんないい人、世の中に存在するの?何か騙そうとしてるのかもしれない。しかし、カウンターの向こうを見ると、先ほど私が話した女性が、微笑みながらこちらを見ている。なんとなく安心した。

涙の浮かんだ目を見開いて言った。

「本当にいいんですか?もしそうして頂けるなら、本当に嬉しいです。いいんですか?」

「もちろん。ただ、君にはかなり長く待ってもらうことになってしまうけど、いいかな。」

「もちろん、そんなの全然、今日行けるなら待ちます。」

「じゃぁ、2時にここに来てね。」

「こんな嬉しいことないです(You made my day)、本当にありがとう!!」

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2時までは時間があったので、再度旧市街をぶらつくことにした。幸いなことに、昨日とは打って変わり、雨も降っていない。そして、本当にありがたいことに、スーツケースは例の旅行会社が預かってくれることになった。

旧市街に立ち並ぶ歴史的で美しい建物の一階は、どこも面白そうなお店やレストランが入っていて活気があり、目を引く看板がにょきにょきと空中にぶら下がっている。それぞれの店は、外から眺めているだけでも心が浮立ってしまう。

至るところにあるチョコレート屋の中にCafe Tasseを見つけ、未だにざわついて落ち着かない体と心を休めようと中に入る。店の中は、まるで甘いチョコレートを混ぜ込んだような空気に満たされていた。チョコレートドリンクをゆっくりと飲む。先ほどまで張り詰めていた緊張が、少しずつほぐれていく。

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彼は、オリバーという名前だった。アントワープには叔母がいて、会いに行くのだ、と言っていた。2時に約束の場所に行くと、近くに止まっていた黒いセダンに二人で乗り込んだ。ブルージュまでの道のりは約一時間半程だった。助手席から街を眺める。街の風景にいまいち溶け込みきれていないブルカを被った女性達が目を引いた。

「結構ムスリムが多いのね。」

「最近はムスリムの移民が増えたね。よく見かけるようになったよ。」

都市的な街並みを外れ、車は幹線道路に入る。道路の横には緑の木々が立ち並び、時折牧歌的な景色が広がる。

他愛の無い会話をしている内に、車はあっという間にブルージュに着いた。

「本当にありがとう。一生忘れない、今日のこと。あの、お金。」

「どういたしまして。お金は本当にいらないんだ。よかったよ、連れて来ることができて。楽しんでね、ブルージュ。」

いつかお礼をしたい、という私に、彼は名前と電話番号を教えてくれた。

彼は、私を降ろすと即座に走り去っていった。

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ブルージュは、写真で見たとおり美しかった。広い中心の広場は、石造りの建物が立ち並び、それらの建物には時折美しい彫刻が施されていた。たくさんの建物には、特徴的な、ぎざぎざの屋根が見られる。立ち並ぶ建物の外観は、それぞれ少しずつデザインが異なるものの統一感があり、それらがたくさん立ち並ぶことで一つ一つのストリートに完璧な美しさをもたらしていた。

街を歩きつつ、色々なお店を巡る。ここもそれぞれの建物の一階が店舗になっていて、どこの店舗の窓も中を覗くだけで十分に楽しむことができた。天気は曇り、時々、晴れ、時々、雨。お店から出る度に天気が目まぐるしく変わっていた。

立ち並ぶ建物を抜けると、突然川が目の前に広がった。

立ち並ぶ美しい建物のすぐ下を流れる川。写真のままだった。あまりの風景の美しさに、立ち尽くしてしまった。

人間が何世代、何百年、何千年をかけて創り出し、創り出された物が残されている景色に惹かれてやまない。どこの国に行っても、歴史的な建造物をただぼーっと見つめて、人間の歩んできた時間に思いを馳せるのが好きだ。

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川には時折ボートが通り、カモの親子がのんびりと泳いでいる。川に沿って建てられた建物は、まるでレンガ造りの壁が川の中から生えているかのようだった。川の高さぎりぎりに作られた建物も見られた。川が増水することは無いのだろうか。

川から離れ通りに入ると、ゴシック建築の重厚な建物が並んでいた。すぐそばには人一人がぎりぎり通れるくらいの細い路地があって、両側の高い壁はどこまでも続いていた。普通の公道なのだろうけど、秘密の通り道に迷い込んだような気がした。街灯が所々に設置されていて、レストランの看板がぶら下がっていた。

街にはベルフリーという塔があり、上ることができる。366段の階段を上ると、展望台があり、街を一望できる。オレンジ色の屋根に所々灰色の屋根。建物は、まるでミニチュア模型のようで、街の風景は完全にピースの揃ったパズルのようだった。

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翌日、起きてすぐホテルで交通機関について尋ねると、動いていますよ、と言われた。午後にはブリュッセル行きの電車に乗ることができる。こんな短い滞在で帰るのはもちろん名残惜しい心境だったのだけれど、きちんと予定した通りに帰れる見込みが立ったことで、今日の予定を安心してこなせることに心からほっとした。

更に街を探検した。相変わらず、ぎざぎざの特徴的な屋根飾りのある建物が各ストリートに立ち並ぶ。それぞれの建物に規則的に設けられた窓も美しかった。

街のあちこちでたくさんの自転車が止まっていた。この街では自転車が主な移動手段になっていることがうかがえた。通りを歩いていると、多くの自転車とすれ違った。

小腹がすいて、適当な店は無いかときょろきょりしていると、紙コップでパスタを売っている店を見つけた。一つお願いすると、丸めた紙コップの中にパスタとチーズをたっぷり入れて渡してくれた。マリナラソースのペンネ。B級グルメだけれど十分おいしかった。

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街のあちこちにチョコレート屋がある。どこのディスプレイも工夫を凝らした見た目のチョコレートが並んでいて、見ているだけでも楽しい。一つのお店に入ると、カウンターにはたくさんのチョコレートが種類ごとに並んでいた。

「チェリーの入ったチョコレート、ありますか?」

「ありますよ、長く持たないのですぐ食べてくださいね。」

外に出ると、早速チョコレートをかじってみる。中にはチェリージャムがぎっしりと詰まっていた。甘さと酢っぱさが別々に口いっぱいに広がる。

川べりには、所々に公園のような広場が広がっていた。公園の横にレストランがあることもあった。川面はすぐそこで、またしても増水が無いのかと心配になってしまう。たくさんの人がゆっくりと川を眺めながら歩いていた。

またいつか、この街を訪れる日は来るだろうか、と考える。

もうそろそろ駅に行く時間だ。

明日からは、また仕事。

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はじめまして、LETOと申します。

初めてnoteを利用してみました。

この物語は、2008年10月、ベルギーに旅行した時の旅行記で、実話です。

当時は、携帯電話はNOKIAの時代。まだ紙の地図を元に旅をしていた時代です。

ベルギーで出会った人々は本当に優しい人が多かった。

この話に出てくるオリバーには、今でも感謝しています。

彼の話し方だとブルージュは、アントワープに行く途中のように聞こえて、地理に詳しくなかった私は、途中下車だと勘違いしていたのですが、後できちんと地図で確認して初めて、ブルージュはアントワープとは方向が全く違うことに改めて気づきました。それでも私をブルージュに連れて行ってくれたオリバーは、本当に心の優しい方だったのだと思います。

この旅行から自分の街に帰ってから、オリバーに改めてお礼の連絡をしました。そして、3か月後、友達と一緒に私の住んでいた街を訪れてくれ、ガイドを頼まれたので街の隅々まで案内しました。立派に恩返しができたのではないかと思っています。

これからnoteで、訪れた様々な国や街のそれぞれの一日を思い出して、旅行録を作成していきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いします。








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