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「あなたとぴりか」お題《赤》

※この記事は、企画
 「あなたとぴりか」のお題です※



《前半》

わたしの名前はフランボワーズ、猫の世界に生まれた。当然、猫語は母国語だ。他にも日本語、英語、フランス語、そうそうこびと語も操ることができる。まあ猫としては当然のことだ。ショートヘアでジンジャー(赤毛)の毛並み、瞳は緑、足先だけ真っ白なの。自己紹介はこんなところでいいかしら。

ひと月に一度のご褒美時間、それはお気に入りの本を片手に1人過ごすカフェの窓際、夏でも冬でも必ずクリームソーダをお供に。エメラルドグリーンのソーダはしゅわしゅわと金色の気泡を立てている。その上には真っ白なヴァニラアイスクリーム、真っ赤なさくらんぼがあらぬ方を向いて乗っている。そのさくらんぼを見つめながら、あの日の出来事を思い出していた。

わたし、すごく嫌な猫だった。
どうしてあんなこと言ったんだろう。

何度となく後悔することが猫にはあると知ったのは、自分が大人になったせいなのか、それはまるで、お気に入りの赤いセーターを着るたびに少しチクチクしてしまう、そんな些細な気持ちではあったけれど。



アイスクリームが溶けかかっている。滑り落ちたさくらんぼがソーダの中にゆっくりと沈んでいく。はっと我にかえって、せっせとアイスクリームを食べると、つきんっとこめかみに痛みを感じた。その瞬間、何が起こったんだろう。フランボワーズの世界が赤く染まっていった。

〔続けて後半をお書きください〕

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