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脱徒然 4話「山盛りのレタスと油淋鶏」

実家が北海道のど真ん中にある。大学時代は、滋賀で過ごしたこともあり、片道で12時間かかる。そのため一年に一回ほど帰省できたら上々であった。その結果、僕の帰省もちょっとしたイベントのようなものになってしまう。
地元の友達(中学まで同級生10人であった。)もみんな散り散りになって帰省の目的も家族との時間を過ごすことと、一人でのんびりすることのみである。

「何食べたい?」
帰省が近づくとかならず母からこのメッセージが届く。
この質問に対して即答レベルでリクエストするメニューがある。

レタスと油淋鶏である。

これはどちらか片方かけてはいけないのである。ハッピーセットもびっくりなコラボなのである。これを食べるために帰省するといっても過言ではない。山盛りのレタスの上に、特製香味タレのかかった揚げたてサクサクの油淋鶏は見た目良し、味良し、香り良しの三方良しを兼ね備えた逸品なのである。弟が高校生で家族でご飯を食べるときはキングダムでいう汗明vs蒙武の一騎打ちのごとく取り合いをしたのも懐かしい。
とにかく、油淋鶏を食べることで家帰ってきたぁあああ!という感覚を得るのだ。

家の居心地の良さというものは別格である。帰省が難しくなったこの頃自分でも油淋鶏を作ってみている。あの味には程遠いようだ。

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