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【市役所の仕事】上下水道事業編:すごくありがたい技術

和歌山県で水管橋が落ちて、川向うの全世帯が断水したニュースに胸が痛みます。

生活する人のご不便…いかばかりか。
家庭に水を配る人のご苦労…いかばかりか。
24時間体制で復旧工事をする人のご苦労…いかばかりか。

復旧したというニュースが聞こえてきました。
まずはお風呂に入って、手を洗って、お体を休めていただきたいです。

市役所からも給水車が応援に

万一のために、各自治体は給水車を持っています。
他の自治体で何かあれば、すぐに駆けつけて、応援します。

そこで、話題になったのが、今の若い人たちが持つ自動車運転免許証
オートマ限定、小型限定が主流のようで、この万一のときの給水車を運転できる若い職員が少ないという事実が判明しました。

今はまだ、ミッション、中型免許の職員が一定いるので対応できていますが、これも考えておかなければなりませんね。


上下水道のすごい仕組み

上下水道は本当にすごいです。
いつもは感じないけど、なくなったら、そのありがたさが身にしみます。


レバーまたはボタンに触るだけで、
なんなら、立ち上がれば自動的に、すぐに何事もなかったように、水とともに流し持ち去ってくれるトイレ。本当に素晴らしい仕組みです。

蛇口またはハンドルを動かすだけで、
または手をかざすだけで、水が次から次へと流れ出て、気持ちよくなるまで存分に洗ってくれる手洗い。本当に素晴らしいです。


道路の下に埋まって運ばれてくる上水道。
水道水を飲むことができる国は、世界約200カ国で、日本を含めてたったの9カ国だとか。

水は各家庭でつかわれて、排水口で集められて、また見えなくなります。

排泄物もろとも汚れた水を引き受け、道路の下を流れていくのが、下水道です。

上水道は水に圧力がかかっていますが、下水道は、だいたい時速4キロの速さで、どんぶらこどんぶらこと、自然流下で処理場まで流れていきます。

処理場まで4キロ離れた場所で用を足せば、1時間かけて道路の下の下水道管を旅して、処理場までたどり着く計算です。

市役所には、下水道管路の地図があります。ご自宅からどの道路の下を通って処理場に到着するのか、「○○○の旅」として、自由研究の材料にするのも楽しいですよ。

最近は節水型トイレが普及していて、処理場に流れ着く下水の水質が以前より悪くなっています。


簡易トイレで感じるありがたさ

先日、ボランティアスタッフとして参加したイベント会場で、簡易トイレの当番になりました。

そこで、上下水道のありがたさを、腰で、腕で、鼻で、目で、それこそ全身で感じました。

簡易トイレでは、用が済むとペダルで水を出して下にあるタンクに貯めます。
でも、水を出すといっても、水道につながっているわけではなく、給水タンクに貯めている水です。
何回も何回も流していれば、なくなりますよねー。
なくなれば、流れませんよねー。

・・・すると便器はオニのような終末期のトイレに。
流れないトイレットペーパーなどが…あわわわわ。以下自粛。


炎天下で、足下のタンクに溜まりゆく汚物たち。
臭います。
確実に、存在を感じる臭いがします。
ますます人は粗雑に用を足し始め、周りが汚れ始めます。

それを拭く作業もなかなか。

…その溜まってる本物の汚水処分も、なかなかきつい仕事でしょう。上下水道の仕組みがあれば、あっという間に見えなくなり、清潔に保てるというのに。


水を汲む、給水する重労働

とりあえず、流すために簡易トイレのタンクに水を補給するのですが、ある程度の高さまで18リットル入りのタンクを持ち上げ、注水するときの重さときたら…重労働です。
ちゃんと入らずこぼれるから靴もぬれて水浸し。かつ、もったいない。


さらに、手洗い場。
水道文化に慣れた文明人たちは、出しっぱなしで豪快にこころゆくまで洗います。
ゴシゴシ、ザーザーと。

もちろんこの手洗いだって、水道管に直接つながっていません。蛇口の上にあるタンクに水を貯めて、重力により供給されています。


「水、出ないです…」

な、なにーっ!?
そりゃそんだけ丁寧に出しっぱなしで手を洗ってたら、なくなるわ…


水を遠く離れた公園までガソリンを燃やして汲みに行き、
積み込み、高いタンクに水を補給し、やれやれなところに、
やっと来たかという表情をして(被害妄想かも)、目の前で存分に水を流す文明人たち。

排水口に吸い込まれ、下のタンクにたまっています。

おまけに、置いている掃除用のウェットタオルを、サービスで置いているお手拭きタオルと勘違いしているのか、気持ちよく豪快につかっていく人たち。(除菌剤で手が荒れてなければいいですが。)

・・・ここ、簡易トイレですよ。
すべてにおいて、みなさん、なんと贅沢な使い方を・・・


上下水道ってすごい!

私たち文明人は、水をタダみたいに思ってつかい、
空気も紙も、本当に使い捨てにしてるんじゃないかと感じました。

清潔のために、衛生のために、上下水道ってやつは、すごい!
上下水道は、すごい、ほんとにすごい!(大絶賛)
文明人としての快適な生活を支えてくれています。

でも、
維持するには、お金が必要です。お金の話はまた別の機会に。
私は下水道で数年、お金の計算の仕事をしていました。


そんな上下水道も、市役所の仕事です。
気持ち良い生活のための見えない基盤、エッセンシャルワークです。


↓ 空気を使い捨てみたいにしない、カーボンニュートラルを計算してみたのはこちら。

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