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千丈の堤も蟻の一穴、です。

市役所で、広報・広聴、観光、移住定住、
若者計画、成人式などを担当しています。

2023年8月のお盆あけですが、
市役所にお盆休みはなく、
カレンダー通りの出勤です。

私を含めても10名の職場で、
1名は療養休暇中、
1名は育児休業中、
4名がコロナ感染、
1名が人間ドック、
1名は再任用職員で週休3日、
いったい何人が職場に来れるんだろう
っていう状況。
台風が接近して、
緊急災害用ホームページの運用や、
記者クラブへの情報発表、
市公式SNSへの書き込みパトロール、
朝から晩までへとへと。

そんなところに、飛び込んできたのは苦情対応。

「市民相談」というセクションから
投げ込まれた案件が2件。

市民相談というのは、
企業で言うところの「お客様相談窓口」に
近い、かな。
違うのは、お困りごとをお聞きした後、
相談者にアドバイスなどを行う、
というところでしょうか。

企業だったら、
「貴重なご意見ありがとうございました」
って、サービス向上に役立てるんだろうけど、
うちの市役所には、
市民の声によるサービス向上を考える仕組みは、
ありません。

とにかく、「市民相談」は、
市民からの相談を聞くところですが、
十分にお話を聞かずに、対応できなくなり、
こちらにぶんなげてくることは
一度や二度ではありません。

よくもまあ、
お盆でコロナで台風後の、
職員の数も手薄なこの時期に、
しかもこの短時間で2件も放り投げるよね。
タイミングとしては、ほぼ最悪。

で、2件のうち1件は、
「市民相談」の職員2名の言動に対する苦情です。

・・・ちゃんとしてよぉ
市民相談という業務が仕事でしょう?
当事者にならないでくださいよ。
給料、もらってるんでしょう?

ひとまず、その方には、私がお話をお聞きして、
謝り、励まし、帰っていただきました。
30分くらいでしょうか。

確かに、その方は病んでる印象ですが、
だからこそ、
市役所に来てるわけで、
塩を塗るような対応はいかがなものでしょう。

市民相談の職員さんには、
これぐらいのことは対応してほしいです。
ふたりして、いい年して、
それで給料もらってるんでしょ・・・


残りの1件は、「不当要求おじさん」。

「○○課の職員がいいかげんで信用できないから、
第三者に話し合いに立ち会って欲しい」
というなぞの要求から始まりました。

○○課に対して、
水路敷の木を伐採したことへの怒りから始まり、
水路敷が市有地だとわかると、
それは仕方ないと理解したみたいで、
そしたらと、
自分が持つ敷地に無断で入っただろうと言いだし、
それを認めて謝ったら、
「訴えたらお前らは困るだろう」と言いだしたようです。
こちらも安易に返事はしなかったようです。

当然です。


そしたら
対応した職員が約束を守らないとか、
言いがかりをつけ、
市役所のあちこちに電話をかけて、
○○課の職員の悪口を吹聴しはじめ、
それが「市民相談」に集約され、
そんな話し相手をするのはいやだと、
最終的に私の部署にたどり着いたっていう。
(市民相談さん、なぜあきらめるかな・・・)

始めはなんのことだかわからず、
とりあえず、お話を聞くしかない。

ひとまず、相手が言ったことを、オウム返しする。
そうすると、
周りの人が「あ、ややこしい電話だ」と気づくので、
笑い声や雑談を控えてくれます。
まずは、余計な物音で怒らせることを避けます。

聞いてみると、
「信用できない職員だから、
あなたが対応してくれ」
みたいなことになってきたわけです。

後で確認したら、
そんないい加減なことはしていないと○○課の職員は言うので、
私もその職員のことを信頼しているのでそうだと思うのですが、
そのときはまだ事実がわからないので、
返事が難しい。

でも、断固として、
「それは○○課の案件だということは明白なので、
私は対応できません。
(そもそも職務権限がないです)
あくまでもこの件での市の窓口は○○課です、
それはご理解いただけますか?」
と拒否。

絶対に安易に流されてはいけないです。
こういう変な要求は、
最初は小さな、簡単なことから始まって、
それを安易にのんでしまうと、
際限なく要求は続きますよね。
どこで断るか、ということなら、
最初に断るに限ります。

電話を切った後、状況確認に○○課に行ったら、
「謝りの手土産、ないの?」なんて私に言うし。
あるわけないでしょ💢
冗談でもそんなことを言わないで欲しいです。

栗まんじゅう1つが、バイバインのように、
際限なく、要求が大きくなるに決まってる。
(ドラえもんより。ちょっとちゃうけど)
ということで、一回り年上の男性ですが、
「茶化さないでください!(周囲がシーーーンと静まりかえる)
少しでも相手の要求をのんだら、終わりがないですよ!
できないことは、できないと言うしかないでしょ!」
と叱咤激励。

まあ、2日間かけて、
その方からねちねちねちねちとお電話があり、
お相手はしましたが、
「樹木伐採のために敷地内に入った」ということに対して、
理不尽な要求であることは明白。

そんなに敷地内に入ったことが腹立たしいなら、
警察に相談されたら良いのでは?というのが本音。
「出るところに出たら困るやろ」って
それ、脅しです。
「謝って済まない」のなら、
なにを要求するのか。
絵に描いたような「不当要求」です。

出るところが警察や裁判であれば、
私たちもそのときは弁護士に相談します。
出るところに出て、整理しましょうよ、
くらいの気持ち。

一番大切なのは、
相手の要求には絶対に流されないことです。
不当な要求は一切きいてはいけません。

できないことは、できないとはっきりと言うこと。
今の時代、相手が録音している可能性もあります。

今言わないと、言うタイミングはやってこない覚悟で、
できるだけ明るく、周りにも聞こえる大きな声で、
「○○さん。それはできません。」と言うこと。
できない、しない理由は説明する。
そして一度できないと宣言したことは、
絶対にやってはいけません。

何度も言葉を変えながら要求はありましたが、
「この件に対して対応できるのは○○課です。」
「○○さんがそうおっしゃっていたことは、
私が○○課にはお伝えします。
その結果どうするか、どのような判断をするかは、
○○課が○○さんにお伝えします、
そしてそれが市の判断です。」
を一貫して主張し、
「私が第三者的に仲介する、ということは、
はっきり申し上げて、できませんし、
やりませんし、ありえません。
この件は、市として、○○課が窓口です。
この件について文書を私が作成することはありません。
○○さん、ご理解いただけますか?」
と一通り主張したら黙って相手の出方を見る。

曖昧な返事や相づちはしない。
相手がしゃべるのを邪魔しない。
電話代はあっちもち。
長くなれば長くなるほど、
相手がお金を払うだけ。

相づちもしない。
ただ、
できないことはできないと、自分が言う。

公務員の皆様、働く大人の皆様。
ご存知だと思いますが、できないことを要求する、
それを「不当要求」と言います。

不当な要求には、「できない」と言いましょう。
だって、できないんだもん。
そして一度「できない」と言ったことは、
何があってもしてはいけないです。
少しでも要求をのむと、そこから始まります。
(たぶんね)

千丈の堤も蟻の一穴

です。




・・・不当要求対応研修、申し込もう。
こわかった~('-'*)💦

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