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【市役所職員が思う】カーボンニュートラルに何本の木が必要・・・?

「脱炭素」「ゼロカーボンシティ」「カーボンニュートラル」と「デジタル化」という言葉がよく聞こえてきました。今日は脱炭素のお話をします。


デジタル化

「デジタル化」は、個人的には、スマホの料金がとてもお安くなって嬉しかったです。

一方、マイナンバーカードは、まだまだ不思議な存在です。もちろん持ってますが。

マイナンバーカードがあれば、住民票や印鑑登録、所得(課税)証明を、住民票のあるコンビニでもなく、目の前のコンビニで発行できるって、ありがたいですよねー。

住民票を取りに仕事を休んでた時代から、休日に住民票を取りにガソリン燃やして車で行ってた時代も終わりました。わーい。

…ところで、住民票。一年で何回必要でしょう。

そもそもそのような証明の提出が不要なように、勝手に調べてくれていいのに。

カードも必要ですか?スマホで本人認証できればそれでいいのでは?そしたら投票も本を借りるのもスマホでできるよなーと思うと、必要なのはカードじゃなく、本人認証機能だけでは?と思います。


ゼロカーボン

地球温暖化対策としての、脱炭素、カーボンニュートラル、ゼロカーボンシティ。必要性はよくわかります。

菅首相誕生の後、環境省から、「ゼロカーボンシティの表明」をするよう、各自治体に通知がありました。

自治体によっては、「カーボンニュートラル宣言」にしたり、「気候変動危機宣言」にしたり、少しかわしているところは結構ありました。


環境政策部門で数年間、二酸化炭素排出量の計算をポチポチとやっていた経験から、ここは「気候変動危機宣言」あたりでとどめて欲しい、攻めても「カーボンニュートラル」で、と思っていました。

が、

うちの環境担当部局から、自信たっぷりに「最も野心的な目標、ゼロカーボンシティ宣言をします!」と聞いて、たまげました。

結論から言うと、ゼロもニュートラルも、どっちも絶望的に無理だから、どっちも同じみたいなものです。
うちの市は結局、「ゼロカーボンシティ宣言」しましたよ、はい・・・。


私が「ゼロカーボン」から感じること。

ゼロカーボン推進と聞くと、原子力発電の容認派なんだなーと感じています。

発電時に二酸化炭素を出さない原子力発電。政府は「高レベル放射性物質のごみ」を廃棄する場所を、探しています。いまだに見つかっていません。どこかの自治体が説明会を受け入れると表明し、国からの交付金をもらったとか、もらってないとか。

ちなみに、私の市は、適していると判断されたゾーンに入っています。

原子力と並んで二酸化炭素を排出しないエネルギーは、太陽光と風力発電です。
再エネだけで、エネルギーをまかなうことはまだまだ現実的に難しいです。もっと人口が減ればできるかもしれませんが。


どうしたら排出量を減らせるのか

二酸化炭素を吸収できるのは、「樹木」です。

二酸化炭素の排出を減らすのは、どれだけ省エネできるか、です。

とある公園エリアで、公園管理事務所が排出する二酸化炭素をどれだけ減らすことができるのか、机上で試算してみました。




ニュートラル、



無理です。

やっぱり。


✋樹木ですべてを吸収しよう!

現在、公園にはすでに約200本の樹木が植えられています。

木を何本植えれば、事務所で使うエネルギー分の二酸化炭素を吸収できるのでしょうか。

平屋の公園事務所の電気使用量から換算すると、1,000本以上の樹木が必要です。今より800本も多く、今の3倍のエリアを森林エリアに変えなければなりません。

そうすると、公園の芝生エリアは、完璧に森です。それでもちょっと足りないかもしれません。

いや、待てよ。芝生のすべてに樹木を植えたら、公園じゃなくただの森じゃないですか。もはや公園じゃない。
そしたら、そもそも公園管理事務所は必要なくなる・・・?


✋吸収できるところまで省エネ&再エネしよう!

ということで、事務所のエアコンなどの電化製品をすべて省エネ機器に入れ換えて、断熱改修をして、暖房に灯油や重油もつかわなくした前提で、太陽光発電でニュートラルを目指すことを試算してみました。

少なくとも1,000キロワットの発電能力が必要で、少なくとも10,000㎡の広さが必要だということがわかりました。

それって、100m×100m?

・・・公園の芝生エリアは、ほとんど太陽光パネル置き場にしなければなりません。

いや、待てよ。芝生をすべて太陽光パネル置き場にしてしまったら、公園じゃなくただの発電所じゃないですか。もはや公園じゃない。
そしたら、そもそも公園管理事務所は必要なくなる・・・?


そもそも、公園にエアコンをガンガンきかせる管理事務所が必要なのか、を考えなければいけない気がしてきました。


今のままではカーボンニュートラルは、やっぱり夢。

平屋の公園管理事務所のカーボンニュートラルを目指そうとしただけで、広大な敷地が必要です。


市域の3分の2に住宅が建ち並んでいます。いったい、どれだけの面積があれば、各家庭から排出される二酸化炭素を吸収し、ニュートラルに近づけるのでしょうか…




やっぱり、発電時に二酸化炭素を排出しない原子力発電を大いに推奨しちゃったみたいに感じるのです・・・。


希望としては、メタンやアンモニアをどうやって環境に負担をかけずに生成し、水素を安全に利用するか、でしょうけど・・・。お金がかかりそうですね。

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