日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-/森下典子

これは小説ではなくエッセイだそうだ。祖母がお茶をやっていたということからタイトルに惹かれて手に取ってみた。

お茶の世界は未知で、お金持ち、お嬢様の趣味という言う程度のイメージだった。

森下さんのエッセイを通じて、お茶は様々な複雑な手順を追っていくうちに「今この瞬間に集中する」という言わばマインドフルネスのようなものなのだと感じた。

飾ってある掛け軸。活けてある花。出される和菓子。茶室で流れる時間。ただただそこにあるだけで見逃してしまうことが多いが、意味が分かると面白くなってくる。でも先生は自分で気が付くまで説明はしない。

今この瞬間に集中したからこそ伝わってくる五感で感じる季節。日々のわずかな変化。

現代の忙殺される世の中で果たして今この瞬間に集中できる時間がある人はどれくらいいるのだろうか。日々のわずかな季節の移ろいをニュースや情報ではなく、五感で感じて過ごしている人はどれくらいいるのだろうか。

この本を通してお茶への興味、そして生きるということは、幸せとはということを改めて考えさせられた。

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