北海道旅行記③ 富良野〜幌加内
朝4時。大粒の雨音で目が覚める。
また おまえか〜!?(160ベル)
ガックシ来ながら二度寝。
6時。バイブレーションで目覚める。静かだ。
カーテンを開けると、曇天が広がっていた。
荷物をまとめて外に出ると、曇りだが雨ではない。視界は広く、嫌な白さがない。昨日までに比べれば絶景と言える。絶景の閾値が著しく下がっている。
これなら、少しは景観も見られるかも。
時間が経つと観光客で溢れるから、早朝のうちに行くのが良い。そんなレビューを鵜呑みにして、美瑛の青い池へ向かう。
悪天候+早朝ということで人は疎らだった。晴れてないと青く見えないんじゃないの?などと疑問に思いつつ、駐車場に500円払ったし後には引き返せない。案内に従ってスロープを登る。すると。
後で公式サイトを見たら、晴れているともっと鮮やかなコバルトブルーらしい。でも、雨上がりの朝、白く煙る青い池……これも雰囲気があって悪くない。
もし雨上がりに行く人がいたら、防水の靴を履いて行ってほしい。池沿いの道は堅く踏みしめられているが、足場が悪く大きな水溜りがあちこちにできるからだ。かなりの勢いでジャンプしないと濁ったリトル池にDIVEする羽目になる(1敗)
満足したので富良野方面に下ってみる。ファーム富田ならこの時間から売店をやっているらしい。空模様はイマイチかもしれないが、入場と駐車も無料だし、軽食目当てに行ってみるか。そう思って車を走らせると。
あれ? これは、もしかして、
雲の切れ目?
来た、
見た、
勝った!!!!!
待ちに待った青い空。御簾の向こうから垣間見るような、奥ゆかしさがたまらなく愛おしい。
そうか北海道。これまでさんざん雨を降らせたのは、この感動を味わわせるためか。ニクイことするな北海道。ますます好きになっちゃう……また来るね♡(沼落ち完了)
ラベンダー畑の季節は終わってしまったが、色とりどりの花が美しい。
テンション高くお土産を買い込み、ホクホク顔で車に乗り込む。
さて、これから先はどうしようか?
元々は、このまま南下して大雪山の周りを反時計回りに周回して宿へ向かうつもりだった。しかし、そちらの空は暗く、おそらく雨雲がいる。対して、北の空は明るく晴れ。せっかくなら晴れているところを走りたい。
しばしGoogle先生と対話して、北の方角、幌加内という場所の蕎麦畑が見頃らしいとの情報を得る。決まり。
北上すると、予想通りどんどん雲が減っていく。青空の下、どこまでも広がる農場を真っ直ぐに駆け抜ける。こういう景色が見たかったんだよわたしは!!
農村から山道へ、また農村へ。
これぞ北海道という雄大な景色をしばし堪能する。
青看板に幌加内という文字が見え、しばらく経つとあたり一面の白い花。蕎麦畑だ。行けども行けども、蕎麦畑……!
こうなったらお蕎麦をいただくしかないでしょう。そう思って街に車を停めるが、店が全然開いていない。どうやら明日7/31に街を挙げての蕎麦祭りをやるらしく、定休日がズレている店が多いようだ。やっと見つけたお店に入るも「もり、ざる、ぶっかけのみです。」と。タンパク質が足りん。ふと目をやると「ミニ豚丼」。これは出せるとのことなので、頼んでしまう。普段はこんなに食べられないが、蕎麦の香り、つけ汁の旨味と塩気、これに甘辛く炒めた豚バラとご飯、紅しょうがにお新香。あっちを食べたらこっちが食べたくなる黄金の組み合わせで、猛烈に箸が進む。気づいたらペロリと平らげてしまった。
満腹になったところで少し移動し、蕎麦畑を見渡せる場所へ。
その後は宿を目指して走り続けたが、集落を離れてもずっと蕎麦畑が広がっていた。蕎麦の町は伊達じゃない。
今日は、北海道らしい北海道を満喫した。
失望、その先にある予想外の幸運。
それが、裏切られても辛くても、旅に出る理由なのだろう。
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