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「 スイス式[森のひと]の育て方 」を日本の森のひとが読む

私は、今年から森のひとになった、つまり林業に従事する人である。

この本は、スイスの職業教育のやり方や制度についての本であった。その中でも、林業についての教育をメインに、本のタイトル通り「スイス式」でのひとの育て方について詳しく書かれている。

今の私は未熟なので「教えられる、学ぶ側」の人間であり、日本で行われている緑の雇用などの制度により、3年間の教育を受けさせてもらっている。この制度は働きながら月に3日くらい研修を仕事として受けさせてもらえる。

本を読み進めていくと、この緑の雇用制度がスイス式にとても似ていることが、だんだんと分かってくる。

例えば、働きながら職場以外の場所で林業の知識・技術を学べる点が一番だと思う。でも、職場で仕事中に学べばいいじゃないか、と思う人もいるだろう。

どこの職場にも共通することかもしれないが、どんなに知識・技術を持っている人でも、みんなが教える知識・技術がないからだ、それは今最前線で働いている人達は、教えてもらった経験がない事が関係していると思われる。

なんでも見て覚えろ世代がまだ、僕らの先輩にはいるからだ。


そんな、見て覚えろ世代がいまだに多く蔓延る日本、スイスは教育方法についての教育も積極的の行われている。そして、様々な職業選択がとても容易にでき、何百という職業教育(事務や家の家事からハウスキーピングなど多種多様の)を受けられる。そして、途中で路線変更も可能である。

そして、一番印象的なのは『スイスではいつからこのような制度改革が始まったの?』と、スイス人に聞いても質問の意味を理解できなのである。それは、スイスでは昔から常に制度が変化し続けているため、『いつから?』という質問が理解できないというエピソードです。

スイスでは、教育制度などが常に時代にマッチするように変化し続けて、常により良くを常に考えているのが日本と大きく違うと思う。勿論、日本も常により良くしようと考えているとは思うのですが、フットワークが遅い、変化を怖がる国民性が日本の教育方法を絶望的に遅らせてしまっているのだろうか。


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