週刊レオン:帰らぬ主人を待つラクダの話。
今日も君の顔が見れて嬉しいよ。
今回から週に一回、週刊レオンを発刊したいと思う。
マガジンの審査が通ってないので、ふつうに公開するよ。
まーお試しって事で、最後まで読んでみてよ。
週刊レオンのコンセプトは、愛のエピソード。
愛って、国境や人間と動物の垣根を超えるものなんだけど、文化が違うと少しカタチが変わるんだよね。
太陽の色って何色?って聞かれたら、日本人は「赤色」って答える人が多いみたい。
確かに宇宙空間に浮かんでる太陽の色は赤だよね。
でも、欧米では「黄色」って答えるんだよ。
俺らが毎日見てる太陽って、赤じゃなくって黄色だよね。
なのに、日本人って赤色のイメージが強いんだけど、それは国旗が理由だと思ってるんだよ。
日の丸って赤いよね。
もともと紅白って日本の伝統色で、赤は博愛と活力、白は神聖と純潔を意味する。
皇室の先祖って天照大神(あまてらすおおかみ)っていうんだけど、その神さまが太陽の神さまなんだよね。
その太陽の神さまが日本を創ったと言われてるんだけど、その神さまの色を赤に例えてるんだよ。
だから、日本人が太陽だと思ってる日の丸は、実は日本の神さまを指してるんだよね。
天照大神といえば、日本で一番偉い神さまなんだよ。
日の丸を崇めるということは、その神さまを信仰するという意味でもあるんだよね。
あまり深く考えなくていいと思うんだけど、そういう背景がある。
日本人って神さまをすごく身近に感じてる民族なんだよ。
ほら、日本には神社が多いでしょ。
年始には初詣に行くでしょ。
受験祈願にお参りに行くでしょ。
日本人って、神さまに頼るっていうのが日常的になってるんだよ。
海外の人もお祈りするよね。
日本人よりたくさんお祈りしてると思うよ。
例えば、キリスト教の場合、「アーメン」っていうじゃない。
あれって、I believeっていう意味なんだよ。
わたしはあなたの事を信じます。だよね。
親愛なるイエス様のことを信じます。という意味。
日本人は神さまにお願いをするけど、欧米は神さまを信じるんだよ。
そこにちょっと違いがあると思わない?
いや、別にどちらが正しいとか、正しくないとかを言いたいんじゃなくって、文化の違いって、こういう所にあるんだと思ったんだよね。
どちらも素晴らしい考え方だと思うよ。
でも、その文化の違いが愛のカタチを変えてることにもなるんだよ。
日本人は夢を叶えることに愛を感じ、欧米人は信じる事に愛を感じる。
日本人はより現実的で、欧米人はロマンチストっていうことになる。
確かに欧米の人ってロマンチックだよね。
人生は楽しむためにある。太っていたって構わないじゃない。
食べたいものを食べて、バカンスを楽しめばいいんだよ。
ハグして愛を確かめよう。
日本人って、現実的な人が多いじゃない。
将来のために貯蓄をする。老後が心配だからね。
健康に配慮して、栄養に偏りなく食事をしたいよね。
愛は言葉で表現してよ。
欧米人って、今が楽しければそれが愛なんだよ。
日本人って、将来のことを見据えるのが愛なんだよ。
ちょっと、カタチが違うでしょ。
そんな人が多いのかなって思ってる。
さてと。
ここからは、帰らぬ主人を待つラクダの話をしたいと思う。
今から500年ほど前のアラビアでの話。
親に捨てられたアミンという少年が、一匹の老いぼれたラクダと旅をしてたんだよね。
アミンの優しさに老いぼれたラクダが忠誠を誓って、一緒に旅をしてたんだよ。
体の小さな少年は、自分の食糧もままならないのに、ラクダに餌を与えてた。貴重な水もラクダに沢山あげてた。
身寄りもないし、行く当てもない旅だから、アミンにとって老いぼれたラクダは家族同然だったわけよ。
毎日ブラッシングをして、毛並みを整えていたんだ。
ラクダもその行為に応えるように、アミンを背中に乗せて旅をすることに悦びを感じてたんだね。
本当の家族以上に強い絆でつながってたんだよ。
ある日、砂漠の砂嵐に巻き込まれたときに、アミンが大量の砂を肺に吸い込んでしまったんだよ。
そのせいで肺炎を起こし、危篤の状態なってしまった。
老いぼれたラクダはそれを察したのか、アミンを優しく咥えると、町の診療所まで運んだんだよね。
ただ、病院の医者はお金を持ってない者の治療はできないと、断るんだよ。
水を飲ませたいと思ったラクダは、オアシスまでアミンを運び、水を飲ませるんだ。
だけど、その甲斐もなくアミンは亡くなってしまう。
アミンの亡骸は施設に引き取られ、土葬された。
アミンが亡くなったあと、残されたラクダが向かった先は、とある村の入り口。
アミンとの約束を思い出したんだよ。
もし、僕たちが迷子になるようなことがあったら、ここで待ち合わせをしよう。
ラクダはアミンが亡くなったことを受け入れられず、迷子になったんだと思い込んだんだよ。
来る日も来る日も、アミンとの約束を守るために、村の入り口で待ち続ける。
ラクダとアミンの出会いは、とあるオアシス。
老いぼれラクダが群れからはぐれてしまい、一匹で不安に襲われてた。
ラクダの一匹旅は死も当然だからね。砂漠は危険がいっぱいなんだよ。
そんなときに、アミンに出会った。
君も一人ぼっちなの?
僕も一人ぼっち。
優しく頭を撫でてるうちに、二人は次第に求め合うようになった。
ラクダはアミンを待ちながら、二人の出会いを思い出してたんだろうね。
待ち続けて三年が経ったとき。
ラクダの前にアミンが現れたんだよ。
ラクダは嬉しくて嬉しくて、涙が止まらなかったんだよね。
もう二度と会えないかと思ってたから。
ラクダは約束の場所で亡くなった。
アミンもラクダに会うために、ずっと村の入り口で待っていたんだね。
また一人で辛い思いをさせてしまったと、ラクダの頭を撫でると、背中に乗って二人で新たな旅路に出た。
二つの魂は永遠に離れることなく、繋がっているという話。
いまでも二つの魂は仲睦まじく過ごしているそうだ。
人とラクダの愛のカタチだよね。
お互いを思いやる気持ち。
亡くなっても約束を果たそうとする誠意。
愛って本当に深いよね。
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