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MPH取得への道、慶應義塾大学大学院合格記~志望理由編~

先日行われた、慶應大学大学院健康マネジメント研究科公衆衛生・スポーツ健康科学専攻修士課程(公衆衛生学)の入学試験を受験しました。
嬉しいことに合格💮を頂き、来年度から大学院に進学することとなりました✒️

私はなんとか合格することができましたが、慶應大学大学院健康マネジメント研究科の受験情報が非常に少ないので、合格体験記を書くことにしました。
また修士(公衆衛生学)/MPHを取得するために、大学院に進学しようと考えている方もいると思いますので、一つの選択肢として参考になればと思います。

私も参考にさせて頂いた、かわむらしほ先輩の「慶應SPH(公衆衛生大学院)受験体験記
もとてもおすすめです。改めて読み直しても、端的にまとまっています。
私が受験した2022年も傾向は大きくは変わっていないため、大変参考になりましたので、ぜひご一読ください。

まず今回は志望理由編として、どのような経緯で大学院受験するに至ったかをご紹介したいと思います。
受験対策編も今後公開しようと思います。

自己紹介

私は北里大学薬学部薬学科(6年制)を卒業した薬剤師です。
現場で5年働き、大学院進学をすることに決めました。
薬剤師としては、在宅医療に携わり、訪問薬剤師として仕事をしています。
個人在宅では、慢性疾患からがん末期の看取りまで関わり、無菌調剤も行なっています。
施設在宅では往診同行に付き、処方提案や現役提案も日々行っています。
昔に自己プロフィールを綴りました
3年半前に書いたプロフィールですが、想いは当時も今も変わりません。

なぜ大学院に?

大学院の進学は学生時代から考えていました。
その中で、学部卒業後にストレートで大学院に行くのではなく、現場経験を踏まえて、現場で感じた葛藤を研究テーマにしたいと思い、まずは現場に行く選択をとりました。
5年間の中で、現場でさまざまな疑問を感じたので、その臨床疑問を解決すべく、研究を通して解決策を求め進学を決意しました。

私が薬剤師として5年間在宅緩和ケアに携わる中で、在宅医療分野には様々な課題が存在することを強く認識しました。
具体的には、

①経営(保険点数)上の都合で一人あたりにかけられる時間に限界があること

②処方箋では交付できる注射薬が定められているために、対象外であれば薬の変更を強いられる都合があること

③特定保険医療材料では公定価格が定まっているが、納入価が高く逆ザヤとなってしまうこと
等です。

これらの課題解決のためには、臨床における実践が重要ですが、同様に制度・政策における提案も行っていく必要があると強く感じました。
そのためには、在宅医療を保健・医療・ケアにわたる幅広い領域で捉え、健康課題の解決を実践することが重要であると考え、入学志望の動機となりました。

なぜ公衆衛生に?

在宅医療の課題を解決するために、臨床における実践だけでなく、制度・政策における提案が必要であると感じました。
現場経験を経て、より多様な視点、広い視野、高い視座を持ち、在宅医療の課題を捉え、解決策を見つけることが重要だと思いました。
その中で、薬剤師だけの視点ではなく、より上流にアプローチするための知識や方法論を習得するために、「公衆衛生」を学びたいと思いました。

慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科HPより
養成する人材像
公衆衛生はすべての人々の健康の維持・増進と生活の質の向上を目指す実践の学問です。現代社会では、保健・医療・ケアにわたる幅広い領域で、 地域から地球規模にまで拡がる健康課題の解決を図ることのできる人材が強く求められています。公衆衛生プログラムは、こうしたグローバルな健康課題解決の担い手として、世界の健康長寿社会実現の先導者たらんとする人材の養成を目指しています。

私は公衆衛生を学ぶことによって、様々な健康課題に対して、私自身の考えを広げ、柔軟で鋭い解決策を提案できる人材になりたいと思っています。

なぜ慶應義塾大学に?

慶應義塾大学健康マネジメント研究科では、修士課程のカリキュラム(学位プログラム)の一部として、特定分野における人材育成プログラムを設置しています。

その中に私が主に学びたいと感じていた、医療経済評価人材育成プログラムがあり、大学院生は学位課程学生として無料で受講でき、コース修了すると修了証をもらうことができます。
(こちらのコースは科目履修生として登録すると87万6千円の学費が必要になるらしいです。高い。。。)

私が現場で課題に感じていた「社会保障とお金」の問題に直結する医療経済学の知見を高めるには、非常に有益なコースだと感じました。

なぜ薬学研究科ではなかったのか?

私は6年制薬学部を卒業しているため、進学先として薬学専攻博士課程(4年)に修士課程を経ずに進学することができます。
博士(薬学)/Ph.D.(Pharmacy)を取得する道を選ばすに、
修士(公衆衛生)/MPHを次のステップに選択したのには、大きく2つの理由があります。

①薬学分野に医療技術評価の専門家がいなかったため
私は現場での臨床疑問から、制度や政策へのアプローチが必要であると感じていました。その中で、「社会保障とお金」をテーマに医療経済学を学びたいと感じました。薬学分野での医療経済学は「薬価政策」が主であり、診療報酬を主にした医療技術評価をされている研究室がありませんでした。そのため、薬学博士課程への選択ではない道を選択肢に考え検討し、今回の道を選びました。

②薬学にとらわれず、幅広い知見を持って解決策を模索するため
薬学部で幅広く薬学を学び、臨床で在宅医療に携わり専門性高く鋭く薬学を社会適用してきました。
次のキャリアとしては認定薬剤師や専門薬剤師、薬学博士課程に進み、薬学をより深めるのではなく、今まで経験してきた薬学をより広げるためにも、公衆衛生を学ぶことを選びました。
薬学部で広がった薬学が、臨床で専門性高く狭まった次は、もう一度公衆衛生を学ぶことで世界を広げたいと考えました。そして、改めて自分自身の世界を広げてから、もう一度専門性を高めて狭めていきたいと考えています。

おわりに

新卒から5年間在宅医療に従事した薬剤師が、慶應大学大学院健康マネジメント研究科公衆衛生・スポーツ健康科学専攻修士課程(公衆衛生学)を志望した理由は以上です。
他にも細かい理由やきっかけはたくさんありますが、大筋は紹介した通りです。

私の志望理由が、進学を通してどの程度達成されるかはまだ未知です。
もしかしたら、非常に見当違いな選択をしている可能性もあります。
しかし、選んだ道を正解にするか不正解にするかは、後の自分が決めることですので、精一杯学び尽くそうと思います

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