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竹取りの話

 尺八の竹を取りに行くようになって、今年のシーズンで4回目です。最初は師匠とそのお弟子さんたちと。そして直ぐに自分が求める竹林を探すようになりました。湘南葉山であったり、茨城であったり。そして今年は群馬で竹取をします。名前は言えませんが、ご縁を繋いで下さった知人に感謝です。竹は竹害にもなり、放っておくと森林を侵食します。そういった事からも切り倒すようにしています。自然保護とその竹が新しい命として生まれ変わる、私の中では、一大イベントです。

 竹林に入ると、ついついニンマリしてしまいます。竹と会話をしている気分になります。一人で竹林に入った時などは遠慮する事もありませんから、相当ニンマリしていると思います。

 竹の一番下の笹を見たり、節のつき方を見たり、揺さぶってみたり、根っこを少し掘って様子を伺ってみたり。竹取りを覚えた時はむやみやたらに取っていましたが、最近はちゃんと対話をしながら取るようにしています。

 ここからが本番です。尺八は造形の問題で根っこの部分から取ります。慌ててとると竹を傷つけてしまうので、山芋取り用のスコップを使い、根を切断していきます。初めて竹取りをした時は3本くらいしか取れませんでしたが、今では10本くらいは取れるのではないでしょうか。

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 根っこを処理して、油抜きをするとなんとも言えないいい音がします。実際に尺八を作るには竹を寝かさないといけないのですけれど(通常は3年くらい寝かせます。速い場合は半年くらいで作ります)、それまで竹を見ながら、どの長さで作ろうか。またどんな響きがするのだろうかと想像するだけで、心が弾みます。

 竹取りは時間をかけて音を楽しむ第一歩。今年は初、お弟子さんたちと群馬へ。グループを組んで行いますので、初心者大歓迎です。女性でも参加できますので、尺八を初めてみたい方、お気軽に参加できます。

ご興味ある方は下記をご覧ください。

LENZAN ART Production Work Shop

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