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RIPPLE〔詩〕

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2021年3月の記事一覧

無力を焚べて【詩】

無力を焚べて【詩】



 尽きることない炎を囲み
 陣太鼓を轟かせながら
 原始の挫折は
 業火を拒否して燃え盛る

    その子は暗闇のうちに
    きちんと座り
    祭り火を睨みつけていた

 身じろぎもなくぶつかり合い
 躍動する人と人と人
 思念の火花は縦揺れの持つ反撥で
 祭り火へと飛び込んでいく

    孤独な老獪の学者が
    傍に寄ってきて
    顕教を懇々と諭した

 通り過ぎていく

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磨かれてしまう【詩】

磨かれてしまう【詩】

波音を掻き消すプロペラ音
旋回するブレードが
たびたび頭をかすめるも
完璧な設計のもとに造られた重機が
やすやす落ちてくるはずもなく
ギロチンみたいに
斬り落としてはくれない
なにも切り離さない

プロペラはむしろ
与えられた役目に忠実だった
燻りきった風の表皮を
洗い磨いて(enhanceして)
そうやって
生き永らえさせてきたのか
送電線の一束すら
繋がっていない心の錆を

いずれこの羽根はな

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