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東京のワーママが子連れで1ヶ月ワーケーションしてみた話in沖縄

この夏1ヶ月間、夫、 7歳の娘、3歳の息子、そして映像業界で働く私の家族4人で沖縄本島の北部でワーケーションにチャレンジした、その総括を書き記したいと思います。もし子連れでのワーケーションを考えている方がいらっしゃいましたら何かの参考になれば幸いです。

こちらはワーケーション中に毎日つけていた日記 noteです。

どれくらいの仕事を携えてワーケーションに出発するか

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この春先からずーっと案件が続いており、それらが落ち着くタイミングでのワーケーションだったため、1ヶ月間の仕事の物理的な量としては平常時の半分以下でしょうか。

最初の週にはカロリーのそんなに高くない撮影の案件などもありましたが、これはリモート撮影と言って、監督である私が現場のカメラからのフィードをリモートモニターで確認しながら進めるというプロセスで特に問題なく乗り切ることができました。

そしてもろもろの予定されていた打ち合わせなども落ち着いたタイミングでワーケーション第2週と第3週には有給を充てました。最後の4週目に関しては予定されていた案件が少し延期になったりなどもあり、結局打ち合わせに数件出る、短いトリートメント(企画書ですね、いわゆる)を書くこと以外はほぼ休みでした。

総合的に見ると、1ヶ月間で通常時の20〜30%ほどの稼働でした。納品前に急な変更があったり、引いてあるスケジュール通りに案件が進まないこともよくあるのですが、今回は奇跡のようにいろんな案件がうまく進んだ1ヶ月でした。シングルでもしくは大人だけでのワーケーションと違い、子連れワーケーションは通常時よりも軽い量の仕事でないと回らないと思い、普段よりも軽い仕事を携えてワーケーションに突入しましたが、想定よりもさらに軽く済みました。

子どものお世話とワークの両立

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普段7歳の娘は小学校+学童のコンボ、息子は区立の保育園に通っていて、通常の日であれば2人とも午後6時まで、預かってもらえている状況です。仕事で遅くなる日は近所に住むいつもお願いしているシッターさんに気軽に頼むことができます。

私自身、この映像の仕事が大好きで、出産しても仕事量を減らさずにこの7年働いてきました。1人目は出産から8週間で、2人目は6週間で復帰したこともあり、こんなにも長い間人の手を借りずに2人の子どもたちと過ごすのは、実は人生初でした。

結論、めっちゃ疲れる笑。 

7歳女児は感情の振れ幅の大きい子なので、一度怒りに火が着くと烈火の如くに燃えるタイプ。そして大体着火剤はいつも「宿題」。「宿題やりなさい!」「後で!」の会話が何万回往復したことでしょう。

3歳男児は「走っちゃダメ」とか「スプーンを使って食べようね」とか、言われているのを理解もするし実行する能力もあるのだけれど、人の言うことを聞く、というファンクションがいまいち育っていないので基本コントロールできない。

という2人と24時間過ごすわけですからまあ、疲れました。

育児にかかる負担は基本的には夫とイーブンになるようにしています。ワーケーション中も基本はそのスタンスで、大体直近数日〜1週間で予定されている打ち合わせや作業などをシェアして、ざっくりと月曜の午前は私、午後は夫がキッズ担当、などと決め、何か変更あれば随時組み直していくシフト制を取りました。結果として後半は私の仕事量がだいぶ軽くなったので私がキッズ担当になることも多かったのですが、海での遊びなど体力的には夫の方が向いていたりしました。

ロックダウン中の沖縄北部

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最初の2週間は本部に、後半の2週間は今帰仁に、どちらもAirbnbで滞在しました。コロナ禍でのワーケーションでしたので基本は人気のない場所に滞在し、特に最初の2週間は現地の方との交流もできる限り控えていました。

近所の飲食店は閉まっているところが多く、「ちょっとカフェで仕事」と思ってもカフェといえば 車で10分くらいの場所にあるリゾートホテルの敷地内のスタバです。味気ないと言えば味気ないのですが、このスタバがあって本当に助かりました。

私としては沖縄の歴史的な部分を学びたくて、例えば8月ということで戦争の語り部さんがたのお話会的なものとか、図書館での沖縄の歴史や文化にまつわる朗読会とかに子どもたちと一緒に参加したいと思っていたのですが、そういったイベントは何も開かれていないませんでした。滞在していたエリアのお盆のエイサーも中止、今帰仁城も閉鎖、図書館も博物館も開いておらずで文化的なものに親しむチャンスが少なかったです。唯一夫は地元のおばあのやっている料理教室に何度か参加することができて、とても楽しんでいました。私と娘は数回、名護にあるダンススクールのレッスンに参加しましたが、ほんの数回だけでしたので娘も友達を作る、みたいなところまでは辿り着けませんでした。

通常であればワーケーションの醍醐味ってその地域の方と交流しながら文化を肌で体験することかと思うのですが、このコロナ禍では難しいことも多いですね。ただ、その分宿代がどこも下がっているので、滞在費は安く済みました。

自然と親しむ

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その一方、毎日のように海で遊べたことは大人にも子供にも、心身ともに良い影響がありました。今回のワーケーションの一番の収穫はやはり子どもたちが海に親しんだことに尽きると思います。

都会の共働き家庭の子どもが自然に親しむチャンスというと、どうしても週末、とか、何泊何日のキャンプ、とかの機会に限られてしまうことが多いと思います。夏休みに田舎のじーちゃんばーちゃんちに1ヶ月、とかでない限り。

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今回 7歳の娘はシュノーケルで魚を追いかける楽しみを発見し、3歳の息子は腕のフロートをつけて海の中でプカプカ浮かんで自由に動く楽しみを発見しました。公園はビーチになり、ダンゴムシはヤドカリになり、そして海が非日常でなく日常の中にあるという生活を経験しました。結論を言ってしまうと、子連れワーケーションは大人のためでなく子どものためである、でしょうか。どんどんと自然に親しんでいく子どもたちを見るのは私にとっても心が豊かになる経験でした。

消費生活の見直し

都会で生活を送っているうちの家族ですが、環境にはなるべくに気を遣った生活をしています。私自身、仕事でサステナビリティをテーマにしたフード・トラベル系のドキュメンタリーや、環境を守ることを伝えるショートドキュメンタリーの制作もしたことがあります。

で、沖縄にいた1ヶ月で経験した生活の変化はやはり「ものを買わない」ということでしょうか。物欲が明らかに減っていたんですよね、沖縄にいる間は。それは毎日水着の上にワンピースでいいから服がいらないとか、気候みたいなそういうシンプルな要因もあるのですが、大きくは沖縄ではゆったりのんびりした時間を過ごしたので、時間的な余裕があると時間を買うためのコモディティを消費しなくて済む、というのでしょうか。便利さや効率を追い求める必要がないと、消費も少なくて済むという発見がありました。

沖縄の人から学んだこと

そんなにたくさんの地元の方との交流がなかったにも関わらず、沖縄の方の「自分が手にした恵みを他の人にも分け与える」という精神性に何度も触れることができました。沖縄の家って基本窓もバーっと開けていたり、自己と他者の間の線引きが東京みたいに絶対的なものでないというか。自分と他人の間の重なる部分の面積が多いというか。もしかしたら沖縄に限らず田舎というもの自体の基本にある精神性なのかもしれませんが。

私たちも知らないおじさんにタコをもらったり

ダイビングショップの方は娘と息子にライフジャケットをまるっと1ヶ月間貸してくださったり、近所のカフェのでは最終日に私がいつも頼んでいたアップルパイをお土産に持たせてくださったり。

ここでは自分の持っているものを簡単に人に分け与えてくださる人がいて、それって親切という表現ともまた少し違うんですよね。人と分かち合うという姿勢が人間の根本にあるというか。

私は人に自分の持っているものを気軽に差し出せているだろうか。共働きで2児を育てていて、働いている業界も結構ハードワークが基本で、24時間を隙間なくミッチリと埋めて、その生活を可能にするために家電や最新のテクノロジーを纏って、何か不足の事態が起こるとため息をつきながら組み立て直して、時間に余裕はなくて、時間に余裕がないから他人ときちんと関わる時間もなくて、なんなら子供ときちんと向き合う時間も取れていなくて。でもこの仕事をしている上での自分のゴールだったり目標だったりがまだまだ先にあって、そのためにはスピードを落としている暇なんかなくて。ハードワークは絶対的な正義だと思ってキャリアを積んできたけれど本当にそうなのか。

何が正解なのかは多分誰にも分からないし、今は自分でも分からないけど、自分の持っているものを人と分かち合える人生の方がいい、というのだけは自分の心の中にあるのを発見しました。

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もうすでに恋しい沖縄の日々。来年の夏はどこに行こうかな。





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