見出し画像

【オルセー美術館】特別展レポ《パリ1874年、印象派の発明》

こんにちは、キキです。
最近のパリは、すっかり暖かくなり春めいたと思いきや、いきなり土砂降りの雨が降ったり、冬に戻ったような底冷えの日があったり、天気がなかなか落ち着かない、4月です。

さて、なんと2024年は印象派が誕生してから150周年という節目の年ということで、パリを始めフランスでも様々なイベントが開催されています!
その中の1つ、パリのオルセー美術館で印象派にフォーカスした特別展示が開催中なので、さっそく行ってきました。

【Paris 1874. The Impressionist Moment】(パリ1874年、印象派の発明)


オルセー美術館とは?

パリ三大美術館の1つ、オルセー美術館。
もちろんご存じの方もいらっしゃると思いますが、改めてご紹介。

オルセー美術館はもともと1900年のパリ万博の開催に合わせて建設されたパリ・オルセー駅という駅舎でした。そして1986年に19世紀美術を展示する美術館として誕生。印象派の画家の作品が数多く収蔵されており、ルーブルやポンピドゥーセンターと並ぶパリ三大美術館の1つです。

駅のの面影が残るオルセー美術館
美しい旧駅舎の時計台は今も煌びやかに輝いています

印象派誕生から150周年

今から150年前、1874年の4月15日。パリで 最初の印象派展が開催されました。
それまでは、アカデミー(フランスの王立絵画彫刻アカデミー)が開催する「サロン・ド・パリ」の展覧会が主流で、アカデミーに認められた画家のみが出品できる、厳しいルールに縛られた世界だったそう。
それに反動したのがクロードモネ、ルノワール、ドガ、モリゾ、シスレーやセザンヌといった画家たち。
彼らはこれまでのルールや伝統を否定し、革新的で自由なその後の美術界を大きく変える"印象派"の作品を紹介する展覧会を開催しました。
これが印象派の誕生です。

この記念すべき印象派の誕生を祝して、オルセー美術館では巨匠たちの約130点を一堂に集め、美術界における変革の時代を振り返る今回の特別展を開催中です。

この間までゴッホ展があっていた場所が印象派の特別展へ。

展覧会レポ|パリ1874年、印象派の発明

ここからは実際に展覧会の様子を、ほんの一部ですが写真と共にご紹介します。

印象派という名前は、こちらのモネの作品が由来だとされています。

クロードモネ《印象・日の出》

批評家がこの絵を見たときに皮肉を込めて「印象派」という言葉を使ったのが、名前のきっかけとなったそうです。
また、今でこそ有名なこちらの絵ですが、実際には1874年にほとんど注目されず、有名になったのは20世紀初頭になってからだそう。

ただ、この「印象・日の出」によって、モネはこれまでの伝統を打ち破ります。その場所や風景を正確に描写するスタイルではなく、光と光の間、"主観的な感情"を表現したいという願望を表現していきました。

そして、初めはグループを嘲笑する意味で呼ばれたという”印象”という名前が時代を越えて多くの人々に認められていきました。

絵の値段が書いてあるプログラム。画家ごとにページ分けされています。右ページはモネ。
クロード・モネ《アルジャントゥイユのひなげし》
エドガ・ドガ《舞台のバレエ稽古》
クロード・モネ《サン=ラザール駅》

パリからノルマンディー方面に行く電車は、このサン=ラザール駅から出ています。モネもよく利用した駅だそう。現在のサン=ラザール駅もこの絵の面影があり、私自身もよく使うので、画家と同じ場所にいるんだなということを絵を見ながら実感しました。

また、1874年の第一回印象派展と同時期に開催されていた、アカデミー主催の「サロン」で展示されていた作品も紹介されています。
パット見ただけでも全く異なる雰囲気の作品たち。印象派展と対立する形で紹介されているのが非常に興味深く、当時の人たちの驚きや感動が分かるような、そんな気持ちになりました。

同時期に開催されていた古典的なアカデミー主催のサロンに展示されていた作品たち。

ブルーのリボンが印象的なドレスを着た女性の絵。こちらのルノワールの作品は第三回の印象派展に出展された作品。モンマルトルの家にあるガーデンで描かれました。

ルノワール《ぶらんこ》


大満足の印象派展。
もちろん、このあと常設展も周りました。
オルセー美術館にはレストランやカフェ、ベンチも沢山あるので、ぜひ休憩しながらゆっくり周ってみてください。

印象派好きな方もそうでない方も5階はお見逃しなく!
印象派はもちろん、ゴッホを始めとしたポスト印象派やオルセー美術館のシンボルでもある大時計も5階にあります。

ヴァンゴッホ《ローヌ川の星月夜》
時計越しにセーヌとパリの街並みを望めます

最後に

「パリ1874年、印象派の発明」展は今年の7月まで開催されているので、もしパリに旅行予定の方がいらっしゃいましたら是非訪れてほしい展示会の1つです。
注意点として、こちらは特別展なので、チケットを購入される際には特別展への入場も含まれているチケットかどうかご確認ください。
ちなみに特別展のチケットを買えば、その他の常設展も見ることが出来ます!

Paris 1874. The Impressionist Moment(パリ1874年、印象派の発明)
・開催日:2024年3月26日から7月14日まで
・場所:オルセー美術館 62 rue de Lille 75007
・公式HP:www.musee-orsay.fr

また、印象派150周年を記念して、フランス各地で様々なイベントが開催される予定です。気になる方はぜひ、チェックしてみてください。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?