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【音楽ジャンル】新世代Electronic Body Music / EBM【米国編】

Electronic Body Music/エレクトロニックボディミュージック
略してEBM

80年代に活動を開始してEBMというジャンルを作り上げた世代の音楽性が変わっていったり活動が落ち着いてからはドイツを中心としたヨーロッパで盛んなジャンルという印象がありましたが、最近は米国から良いアーティストが出てきてるなと感じます。
Boy HarsherなどSynthwave/Synth Pop/DarkwaveでEBMの要素がある人達やEBMを組み込んだIndustrial Technoはここ10年で盛り上がって手法としてそれなりに広く消化されたと思っているのですが
そういったトレンドの音作りも踏まえつつ真正面からEBMを鳴らしてる人達が目立ってきました。

今回の記事はその新世代のEBMと、隣接しているサブジャンルを跨いでいる音楽性の人達の紹介です。


Choke Chain

Front Line Assemblyの名盤Caustic Gripの辺りの音をタイトにした様な音とダークなイメージで昔からのEBM好きも熱くなる人気のone-man project。
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Ex-Heir

今年2023年8月にLP出ました。前からクオリティが高いのですが、これまでで一番良い出来です。
EBM系テクノじゃなくてテクノの音圧で引き締めたソリッドなEBM。オールドスクールな音じゃなくて半歩、次のモードに行ってる感じが良いです。
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Comfort Cure

この人はボーカルパートは入っていますが、この記事の他の人達よりはEBM系テクノ寄りの音ですね。音源もリミックスとセットになっててフロア対応した音に拘りを感じます。
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Spike Hellis

EBMといっても80年代末辺りのClock DVAとかNew Beatとかに近いですね。
男女のツインボーカルが良いです。
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The Mall

メンバー二人いて何故か髪型とか見た目がそっくりで面白い。
Minimal SynthやSynth Punkというか、proto EBM的な音。
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Youth Code

2012年から活動してる人気のある人達で、Dais Recordsから音源をリリースしています。
EBMといっても90年代初頭のIndustrial Metal全盛期のSkinny PuppyやFront Line Assemblyの音を連想します。
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Kontravoid

Crystal Castlesの元ドラマーという経歴。
EBMというよりSynthwave/Synth Popの人ですがベルリンのテクノレーベルFleischからリリースした音源は音圧を増してEBM寄りの曲が多くなり、元々の持ち味の切ないメロディのSynthwaveからフロア対応したEBMまでの振り幅があります。
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Secret Mutilator

Synth PunkやMinimal Synth系の人ですが、アメリカ的な骨太な音ですね。
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Walls Of Polandのメンバーでもあります。メロディが立った音でこちらも大好きです。
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UN HOMBRE SOLO

現在はニューヨーク拠点ですがメキシコ出身の人。Darkwave色のあるEBM。
母語であるスペイン語文化とスペインで起きたカウンターカルチャー運動La Movida Madrileñaへのリスペクトがありこの名義も80年代スペインのPost-PunkバンドのDécima Víctimaから取っているそうです(さらに辿るとおそらく西部劇映画のタイトル)
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2023年9月に東名阪京都で来日ツアーがあります。
詳細はInstagram
↓名古屋のイベントでは私もDJで少しお邪魔します。


Blu Anxxiety

片割れはDark Punk系のバンドAnasaziのメンバー。
Death Rock/Darkwave系の曲からEBM系の曲まで振り幅があります。
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2023年9月下旬に来日ツアーがあります。


Aurat

バンド名はウルドゥー語で女性の意味らしい。
ボーカルはパキスタン系アメリカ人。
バンド編成ですが音源はGoth色のあるSynthwave/Synthpunk系で、最近の音源では前よりもEBMに寄せてきてますね。
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Ces Cadaveres

Darkwave/Synth Punk寄りの人達で、ドイツのDetriti Recordsから2020年の音源がカセットとスプリットLPで発売されています。残念ながらBandcampでリリースされた2曲を最後に解散しているようです。
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MVTANT

このYouTubeの曲はGang of Fourのカバー。
Darkwave色があるというか80年代のEBMやNew Waveへのリスペクトを感じる音ですね。
Remix仕事も多い人です。
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Immortal Nightbody

EBMではなくRapの人ですがニューウェイヴ色のある曲が多くて、この曲はEBM/硬めのNew Wave Danceな音で今まで一番好きです。
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Pixel Grip

EBM的なリズムも使うSynthwaveの3人編成のグループ。
ライブでは生ドラムを使っていて、音源とは違う良さもあります。
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Patriarchy

80年代のスラッシャー映画的なイメージのいつも白塗りのお姉さんAshleyに、助さん角さんな二人がサイドを固める三人組のバンド(たぶん)
EBMというよりは80's New Wave Dance。
今年出たRemix盤のForcefully Rearrangedはこの記事にも載ってるEBM/EBM TECHNOの人達が多数参加していてます。
Vimeo
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Nuxx Vomica

この人はEBM系テクノを、ボーカル入りEBM/Darkwaveに引き戻した感じの引き締まった音ですね。
何故か凍結した湖の氷の上で一人ライブをする謎動画もあります。YouTube
怖そうに見えますが面白い人なのかも。
レーベルのBandcamp

Newboy

2017年頃まで活動していたHigh-Functioning FleshというIndustrial Rock寄りのかっこいいEBM Duoのメンバーのソロ名義。
Minimal Synth/Synth Punk系の音です。
他にD.I.N.という女性ボーカルのプロジェクトもやられています。
レーベルのBandcamp

Sextile

今回の記事で一番人気のある人達です。
元々は生演奏のPost-Punk Band
その後、シンセの度合を高めたEPの3は傑作だったのですがメンバーの1人が亡くなり活動休止。
残されたメンバーはサイドプロジェクトなどで活動していましたが、2022年から再始動して
インディ系大手のSacred BonesからアルバムPushを発売。
EBM系の曲は少ないのですが、ミッドテンポのダークなシンセベースの曲が特にカッコいいですね。この記事に挙げているアーティストを聴いていてこのバンドも好きな人多いと思います。
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DKA Records (label)

2013年から稼働していて、米国のこの辺りの音を下支えしてます。
オムニバスアルバムをいくつか出していてその内容も良いです。
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SYNTHICIDE (label)

2014年から稼働しているNYのレーベル。
今回の記事に挙げてるアーティストの音源も沢山出しています。
Bandcamp

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