見出し画像

純喫茶と映画(日記)

腰が重くて出かけるか迷ったけれど、夫が在宅ワークで家でくつろげないので外出。映画「ホエール」を見にいくことにする。

その前に、どこかでモーニングをやっているか調べる。評判よさげな「珈琲西武」へ。老舗っぽい。

モーニングは11時までで、2つのセットから選べる。今回は、チキンサンド、ウィンナー、レタス、ポテトサラダの盛り合わせにした。こんなにボリュームがあって800円!  …冷静に考えると、別に安いわけではないんだけど、なんかお得な感じがする。

店内は広々としていて、ソファーはふかふかだし、店員さんも朗らか。古きよきカフェという印象。平日でも次々にお客さんが来る。パフェが有名らしく休日はかなり混んでるらしい。もっと早くこのカフェの存在に気づけばよかったな。

昼過ぎに「ホエール」を観る。主演のブレンダン・フレイザーがアカデミー賞の主演男優賞を受賞して気になっていた。
家族と別れて、ボーイフレンドと一緒になった主人公チャーリーは、その後彼氏が死んで過食に走った結果、自力で歩けないほどの巨漢に。病気でもうすぐ死ぬとわかったチャーリーは、別れた娘とコミュニケーションを取ろうとするが、針ネズミのようなトゲトゲ娘は父親に辛く当たる。

チャーリーの太りっぷりが想像以上で、おぉ…となってしまうほど。特殊メイクの技術がすごい。
基本的にチャーリーの「部屋」だけが舞台。看護師の女性や、カルトの宣教師、娘などが次々にやってきて、話が展開していく。宗教の話が多かった。「赦し」がテーマなのだろうか。

クジラのような巨体を抱えて生活し、不健康な食事を繰り返すチャーリーは見てて辛くなる。正直、ちゃんと映画を理解できなかったのだけど、一方的にぶつかってくる不良娘と、彼女の善性を信じるチャーリーのラストシーンは感動した。メルヴィルの「白鯨」を読んでいたら、もう少し理解できたのかもしれない。監督がダーレン・アーロノフスキーだと知ってたら観てなかったよ。でも俳優の演技には本当に圧倒されました。

ところで、なぜ過度に太った人をみると、なんとなく抵抗を感じてしまうんだろう。チャーリーとそれまで声だけで陽気にやりとりしていたピザ屋の配達員は、チャーリーの姿を初めて見て「まじか」と蔑むような顔になった。宣教師も、最後の方であなたは醜いと言う。

体の大きな人はたくさん食べるので、食べ物を取られる可能性があるからだろうか? 自分と姿が全く違う人に対する恐れだろうか。後者か。
去年のキングオブコントでも、コンビ両方かなり太めなビスケットブラザーズが異様に叩かれていたのをみると、やはり太っている人への嫌悪感や偏見っていうのはあるんだろうな。

一応、調べてみたら、昔は慢性的食糧不足だから、「太る」ことはあり得ないことだった(貴族以外)。だから、太っているとか、外見が他と違うのは病原菌を持っているのではと、疑うように人間はプログラミングされているという説があるそう。もちろん、今は太った人が病原菌を持ってるなんて間違っているとわかっている。

夕方、ふるさと納税で頼んだ和歌山のお品が届いた。野菜とフルーツの詰め合わせを頼んだけど、けっこうな量。たくさんの玉ねぎ、でかい甘夏たち、謎の野菜、そら豆、その他もろもろ。しばらく餓死しなさそう。

お読みいただきありがとうございました。サポートいただけると励みになります!