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本当に影響を受けているもの

自分の価値観やら感性やらを形作っている”本当に影響を受けているもの”というのは、影響を受けていることすら忘れてしまっているものなんじゃないかと最近よく感じる。というのも、首がもげるくらい頷きたくなるような話に、そのことをすっかり忘れていた事とセットで再会することが増えたからだ。

今日も金井美恵子『カストロの尻』を読んでいたのだけど、冒頭、谷崎潤一郎の『雪後庵夜話』の話が出てきて、谷崎が小説家ってのは人と関わる必要もなくて引きこもって好きに生きられて良い的なことを書いてるって話を見て、これまた衝撃的な再会を果たした感じ。
それそれ!めっちゃ読んだわというのと、まさにいま僕も不労所得を得てひとり引きこもって暮らすの夢なんだけど、めっちゃ一緒じゃん、と。
若い頃はなんとなく憧れる程度だったけど、働いて金稼ぐようになってなんかほんとにそうだったらいいのにとか思い始めているのだけど、その原点これだ〜っていうね。なんかそういう確信と共に再会するわけです。

そもそも谷崎潤一郎の『雪後庵夜話』なんて決してメジャーなタイトルではないし、どうして読んでるんだって話になるのですが、これはもう谷崎潤一郎全集を所持しており、しかも大好きな『瘋癲老人日記』が収録されている巻に入っており、『瘋癲老人日記』を読んだ勢いで『雪後庵夜話』に至るルートが出来上がっているからなのであります。

先日もお仕事関係の会食でとても上滑りする会話を交わしてきたばかりで、またもやこのまま、誰ともかかわらず、本だけ読んで暮らしていたいと思っていたところだったので、谷崎潤一郎もなるべく人と交流せずに暮らしたいとぼやいているのは本当に一緒じゃん、と思ったのでした。我ら陰キャ同盟。


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