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文系大学生、やっぱり医者になりたい。

大学に入学して一ヶ月。

初めは世間から見てもそこそこのレベルの大学に入れたことへ安心し、綺麗なキャンパスに目を輝かせ、新たな友達にも恵まれて楽しく通っていた大学。

大学生活に慣れてきていくうちに、授業の回数を重ねていくうちに、”なんか違う”感が。

私が学びたいことって本当にこれなのかなとふと思う瞬間があった。

ビジネスや企業、会計学、日商簿記、マーケティング、そして英語など。

文系の授業を受けいていて、興味をそそられることはなかった。もちろんこれらの知識はこれから社会人になる上で必要な知識だということはわかっているのだが、学びたいという意欲が生まれない。大学という場所はもっと意欲的に学問を極めていける場所だと思っていた。

そんな心の蟠りを抱えながら電車の中から窓を覗いていると車窓に巨大な総合病院が流れてきた。近代的な造りで白い外観。

この中に一体どれだけの患者とどれだけのスタッフがいるんだろう。

私のやりたいことはここにあるのかもしれない。

ふと思った。

そうだ、私はずっと医療に憧れを抱いていた。よくテレビでやっている医療ドラマやドキュメンタリーを釘付けになって見ていたことを思い出した。

人体の仕組みや臓器の名前に興味があったし、生物だけは得意だった。医療従事の中でも特に患者の病気を直接治療できる医師に多大なる憧れを抱いていた。本気で医者を志そうと思った位時期もあった。でも、そのために必要な数学や化学などの理系の科目に挫折し、諦めざるを得なかった。

高校のころは物理の定期テストで0点をとったこともあった。理系に進むなんて口が裂けても言えなかった。

国語や日本史がとりわけ得意な訳でもなかったので受験生になると文系の学部を受験するために必死に勉強した。その当時は死に物狂いに近い状態だったので、”理系への未練”のようなものは感じていなかった。でもずっと、心の片隅で「医者になれたらどれだけ幸せだろう」と考えていたのかもしれない。そして大学に入ってから堰き止められていた思いが一気に放出したような感覚。

とりあえず数学だ、と思って高校時代に使っていた数学の黄チャートを開くと、また数学アレルギーを発症しそうになった。

いきなり高校数学はキツいなと悟り、中学数学からやり直すことに決めた。

最初に手に取ったのは、「東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!」という数学の入門書。文系の編集者が東大の数学の先生に教わる形式なので、かなり丁寧に、かつ簡潔に中学数学の全体像を網羅している。めちゃくちゃわかりやすかった。

医者になるということは、多方面で困難なことのように思える。まずは学力。そして学費。

それらを今度はほとんど自分の力で達成しなければならない。

この夢を認識したタイミングで「100%仕事で折れない 感情マネジメント」という本を読み始めたが、この本に今の私にぴったりなことが書かれていた。

”まずは自由に理想を設定しよう。”と。

期限や現実のことなんて考えずに自分の理想を思い描いて、それを達成するための手段の一つ一つには期限を設ける。そしてまず私は数学の入門書に手を伸ばしたのだ。これからも数学について少しずつ極めていきたい。

手段をクリアするために、数学に没頭していくと、今まで気づかなかった面白さや楽しさも見えてくる。夢を追いかけることは達成した喜びのためだけじゃなく、日々を楽しさや面白さで埋め尽くすことのできるような素敵な体験なんだなと改めて感じた。もちろん辛さも伴うけれど。

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