夜のおまけ
夜、眠る前のちょっとした時間。
一日のやることが大体終わって、家族はそれぞれ思い思いに過ごしている。ほんの少しだけの隙間時間ですが、その静かな時間がとても好きです。
もう相当昔のことだったと思いますが、今は亡き中野孝次さんが、「夜眠る前に、昔読んだ長編を少しずつ読んで寝るのが読書の楽しみ方の一つだ。最近は『白鯨』を少しずつ読んで眠りにつく」というような内容をどこかのコラム(たぶん新聞)に掲載していたことがあります。
それを読んで、「とてもいいなあ、自分もそうしよう」と真似をした時期がありました。
けれど、慌ただしく一日を過ごして疲れ切ってしまうと、いざ長編を読もうとしても数行読んだだけですぐ眠ってしまうことたびたびでした。
この読書法は自分には向かなかったようです。
このところ夜眠る前に気に入って続けているのは、ポッドキャストやYouTubeで朗読や文学トークを聴くことです。(これなら寝落ちしてもあまり気になりません)
朗読に関しては、一時期は有料のアプリを利用していましたが、コロナの自粛期間にプロの方たちがチャンネルを充実させるようになったことで、爆発的に無料の朗読コンテンツが増えたように思います。
朗読で聴く内容はその時の気分で決めていますが、夏目漱石、芥川龍之介、宮澤賢治、中島敦、樋口一葉、泉鏡花、坂口安吾などが多いです。
朗読者によってそれぞれ得意分野があると感じます。また声のトーンや速度なども自分の好みの朗読者は自然と決まってしまいます。
この作家の時はこの朗読者・・・という感じで好みに合わせ、楽しんで聴いています。
またお気に入りの朗読者が何人かいるので、その方たちが選ぶ(自分の知らない)作家の作品を続けて聴くのも好きです。
私は以前から文学作品の朗読を聴くのが好きでした。
昔はラジオやカセット、CDが主な媒体でしたが、今はスマホで好きな時間に好きな内容の作品を聴けるので本当に便利です。
文学作品は黙読することが殆どですが、素晴らしい朗読に出会うと、黙読で読んでいたのとは全く違う感動を味わうことができます。
そのことに気づいてからは、朗読には大きな魅力を感じています。
一方、文学トーク番組についても、この数年非常に数が増えて、内容も工夫が凝らされバラエティー豊かです。
大体いつも自分の好きな配信者の番組や好みの内容を扱っているチャンネルを聴いています。
眠る前のひとときは、語り口のやさしい、落ち着いた口調の方の番組を選んでいます。
不思議なもので、話す方たちのその口調を聴いていると、その人の人柄に触れたような気がします。押しつけがましくなく、ちょっとした一言にも配慮が感じられ、本当に素晴らしいなあと思いながら素敵な時間を過ごすことができます。
一日の終わりのちょっとしたご褒美、おまけのような嬉しい時間です。
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