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#525 「大作商事事件」東京地裁(再掲)

2020年11月25日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第525号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【大作商事(以下、D社)事件・東京地裁判決】(2019年6月28日)

▽ <主な争点>
時間外手当請求事件におけるPCログ記録を根拠とした労働時間の認定など

1.事件の概要は?

本件は、D社の従業員として稼働していたXが在職期間中、時間外・深夜労働に従事していたとして、同社に対し、労働契約に基づき、平成26年7月から28年5月までの間(以下「本件請求期間」という)の時間外労働等に係る割増賃金171万0792円およびこれらに対する確定遅延損害金等の支払を求めるとともに、労働基準法114条に基づき、付加金131万7492円およびこれに対する遅延損害金の支払を求めたもの。

反訴請求事件は、D社がXにおいて在職中、遅刻をしていたのに給与を不正に取得していたなどとして、Xに対し、不法行為(民法709条)または不当利得(同704条)に基づき、損害金または不当利得金78万9577円等の支払を求めるとともに、Xが在職中、不正な出勤簿を作成し、不正なパソコン(PC)のログ記録を作成し、挙句、不正な本訴請求に及んだことが不法行為または債務不履行に該当するとして、損害金712万4040円等の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<D社およびXについて>

★ D社は、雑貨の輸入ならびに工業製品の開発および販売等を業とする会社である。

★ Xは、平成23年4月、D社に入社し、販促物・販促動画・WEBページの製作業務等に従事するなどしていたが、28年5月に退職した者である。

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<従業員の勤怠管理、Xの残業時間、D社による反訴請求等について>

★ D社の従業員は毎月出勤簿を作成することとされていた。出勤簿は稼働日ごとに始業・終業時刻、休暇・遅刻・早退の有無、残業をした場合における残業内容や残業時間を当該従業員が記載し、捺印の上、上司に提出する体裁となっており、上司が確認の上、これに認印を押捺するものとされていた。また、同社では出勤簿への記入以外に各従業員において出勤時にグループウェアのタイムカード機能を利用して、出勤時刻を記録するよう指導がされていた。

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