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Ciel


雨が干上がったあとの匂い

流れゆく先は
いつかあなたの足元へ


白の世界

わたしの紅

切り裂いて

見上げたのは
最期の空



手離すこと

難しく
繋ぎ続ける
のは
尚更に難しい

其れは
蛇の足跡みたいに
追いかける程に
見失ってしまう


わたしの身体の中の


あなたと同じ
唯一つの紅なんだろうか



皮膚の奥
わたしの中
あなただけ
鍵がかかっている

他は何を失っても
構わない


優しさも
嘘も
目玉も
要らない

荒れ果てた胸のなか

あなたさえ居ればいい


仰ぐ
空は蒼く
短い春

終わりを告げて



あなたの匂い


もう思い出せない





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