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リコリス・リコイル 第3話までの感想


※ネタバレあり注意



TVアニメ『リコリス・リコイル』番宣CM(OPver)|2022年7月放送

2022/6/24 (30秒)

TVアニメ『リコリス・リコイル』PV第2弾|2022年7月放送

2022/7/1 (1分17秒)

TVアニメ『リコリス・リコイル』ノンテロップOPムービー|ClariS「ALIVE」

2022/7/10 (1分30秒)

TVアニメ『リコリス・リコイル』ノンテロップEDムービー|さユり「花の塔」

2022/7/3 (1分30秒)

TVアニメ『リコリス・リコイル』キャラクターPV:千束編|2022年7月放送

2022/5/18 (19秒)

TVアニメ『リコリス・リコイル』キャラクターPV:たきな編|2022年7月放送

2022/5/25 (19秒)

TVアニメ『リコリス・リコイル』キャラクターPV:クルミ編|2022年7月放送

2022/6/8 (21秒)


※3話まで見た時点でPVなど見返すと、いろいろと再発見があります。まだ登場していないシーンがどう使われるか楽しみ。


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オリジナルアニメ「リコリス・リコイル」第1~3話まで見ました。

バディ物として、完璧な導入でしたね。

特に、3話で千束(ちさと)がたきなを抱えてクルクル回るシーンで、心動かされなかった視聴者はいないと断言できます。

3話は各種の対比を上手く使った王道の演出で話を盛り上げており、そのあたり逐一言っていくと他の方と被るので割愛するとして……

気の赴くままに感想などしていきたいな、と。

なお武装したJKによる秘密作戦により治安が守られている日本というトンデモ設定なので、
十二分にファンタジーなのは承知の上です。


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千束(ちさと)が旧電波塔の一件で組織内で有名になりながら、喫茶リコリコに飛ばされているのは、上層部の都合でしょう。なにせ10年前ですから千束がまだ7歳の時の事件で、いまの千束がこうなってしまった人格形成の要因だったのは間違いありません。DAの訓練教官だったミカとともに、喫茶リコリコでDA以外の環境に触れていったのも大きいんでしょうね。最初は秘密保守とメンタルケアの観点からだったんでしょうが、今ではそこに「不殺の信念」が他リコリスに「悪影響」を与えるのを避ける、という理由も加わるんじゃないかな。喫茶リコリコはDA支部ながら、傍流を追いやる先の左遷先扱いになってる……というのも組織内での現在の印象であって、将来的には引退後のリコリスたちの社会復帰を促す窓口になるかも。

千束は卓越という言葉でも片付けられない「天才」ですが(想像を絶するほどの死線を超えてはいるでしょうけど)、たきなの方は教本通りの「秀才」ですよね。挫折に弱いのも秀才の特徴であり、仲間を救うための独断専行により罰せられて帰属先を喪い、折れかけてしまう。

そんなたきなに手を差し伸べたのが第3話の千束であり、母性とか百合とかの要素も確かにあるんでしょうけど、それ以上にひとりの心を救う尊さが伝わってきました。あの時点ではDAに戻ることしか頭になく、他の選択肢が見えていなかったたきなに、新たな帰属先を提示してあげた。依存先を増やしてあげるのは、心の自立を促すことにつながります。

噴水を中央に据えたDA寮の吹き抜け。空を仰ぐたきなから、天井の同心円ガラス窓は鳥籠のように、また蜘蛛の巣のように見えていたでしょう。そこに光が差し込んでくる。つまりDAの外がある、とたきなに自覚させる演出がニクイですね。

行きと帰りの新幹線での、千束とたきな二人の座る位置やら天候・飴周りの演出、そして笑顔に関して、他の方に付け加えることはありません。


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フキについても、3話で印象は良くなりました。千束にたきなの様子を聞くなど気にかけてますし。戻ってこられないたきなに、無意識かもしれませんがヒールを演じ、千束のもとで頑張るようにメタ的なメッセージを発している。模擬戦を持ちかけたのも、結果的には、たきなに自分を殴らせてDAを吹っ切る機会を与えた形になりましたし。おおもとにフキ本人の自己顕示欲、いや承認欲求があるとしても、彼女なりの形で上を目指し、また周りに気を使っているのが伝わる演出になってました。

最後に「二度と戻ってくるな」と言い捨てるシーンでも、たきなにやられた片頬が腫れてるので格好ついてませんw 千束に救われて余裕ができているたきなも特に表情を変えず、たきなにとってはDAが唯一絶対の場所ではなくなったことが分かります。また、たきなは表情を変えない裏で、かつて同室だったフキの心情を慮っていたのかもしれません。

サクラもそうですね。ウザったらしい嫌味を連発してヘイトを買うヒール役として完璧に近い立ち回りでは? 彼女としても、射撃成績トップクラスであろうたきなの後任としては内心不安があったでしょう。尊敬するフキの隣にいられる機会を逃してなるか、と必要以上に対抗意識が芽生えてもおかしくない。嗜虐心があったとしても、最終的にはボコボコにされてるので遺恨も残りませんし。結果、うまく回った気がします。


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楠木司令...…1話では偽の取引時間を掴まされたり、ラジアータをウォールナットにクラッキングされたりで、無欠の有能とは思えないですけど。DAの指揮にあたってる時点で、相当の遣り手でないと務まりません。リコリコの物語の表に出てこない政治的なあれこれを一身に背負わされる役回りで、明らかに激務でしょうね。

その合間を縫って千束・たきなに会いに来てるし、模擬戦を見学したりしてるし。この人、リコリスについては有情ですよ。特に千束には目をかけている印象。「それ以外は、ただのクソガキだ」と微妙に笑いながら言い放つ様子には、実力に対する信頼以上に、単に命令を聞くだけではない器へ一目置いている様子がうかがえます。楠木司令・ミカ・千束について、旧電波塔からの因縁が語られるのは終盤近くかもしれないなあ。


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ひとまず、千束とたきなのバディがめでたく成立して、今後リコリコでの活動が本腰に入っていくのでしょうが……きっと千束の「不殺の信念」にたきなが反発するシーンがまたやってくるでしょうね。2話での確執は棚上げされたままなので。そこを解決するキッカケとして……千束の出発点である旧電波塔に遠く因縁を持つ事件が、いずれやってくるんじゃないかな。

アラン機関とDAの関係性も、まだ謎ですよね。ミカと吉松シンジは10年来の友人のようで味方・敵がはっきりしてないし……裏稼業同士なのは当然知っていても具体的な活動などは知らない、という関係だったのかな。

もし千束がアラン機関と関係してたとしても、吉松はそれを最初は知らなかったみたいだし。そうなるための条件としては、当時はまだ吉松はアラン機関にいなかったとか、部署・階級のため情報にアクセスできなかったとか? 今の段階では憶測しか立てられません……クルミちゃん助けて。


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【リコリス・リコイル】女性キャラをイメージづける花言葉一覧

2022/7/18

【リコリス・リコイル】キャラと花と花言葉と(2022/07/31追記)

2022/7/19

そういえば、DAを支える超AI・ラジアータの名前はヒガンバナ(彼岸花、石蒜、学名:Lycoris radiata)から、というのは各所で指摘されてますが。旧電波塔に代わる新たなシンボル「延空木」も……ウツギの花言葉は「秘密」らしいですね。いろいろ想像を掻き立てられます。登場人物の名前だけでなく、あちこちに仕込まれている花言葉にも注意したいところ。


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【アニメ感想】『リコリス・リコイル』3話「スタンド・バイ・ミー月世界旅行」

2022/7/17 (5分53秒)

OPで蹴り合う千束とたきなの元ネタは「スタンド・バイ・ミー」(1986)、また、EDでたきなが窓に描いたロケットは「月世界旅行」(1902)、それぞれを元ネタにしているんですね。ガンアクションのみならず、様々な洋画からのイメージが取り込まれていそう。


なんだか、各所の解説動画のまとめみたいに。面白いから、あちこち回って見ちゃうんだよなあ……全13話、追っていきたい!



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第4話以降の考察はこちら



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