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今日覚えたい文法

「パリで、どのレストランに行ったの?」

パリに行ってきたと小耳に挟んだんですけど、どのレストランに行ったんですか?

フランス語に直してみましょう。
1分もあれば十分でしょう。


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À Paris, quel restaurant vous avez allé ?
できました!

えっと… 理解はできます。が!!
文法的にも表現的にも「0点」です。

まず、動詞 aller を複合過去形で使って「過去の出来事」を表現しようとしたのですね。はい、よくできました!
しかし、動詞 aller を複合形に活用させるときは、助動詞は être ですよ。

じゃあ、
À Paris, quel restaurant vous êtes allé ?
これでいいですか?

ほんの少しはましになりましたが、まだまだダメです!

動詞 aller を使うのに必要な「文構造」を覚えていますか?
すべての動詞を使うときには「意味と構造」を覚えていないと正しく使うことはできないのです。

むしろ「構造と意味」といったほうがいいかもしれません。
 動詞 servir を例にとって考えてみましょう。

servir 人:〜に給仕をする、食事を出す
servir 食べ物 + à 人:(人)に何かをサービスする、提供する
servir à 名詞や動詞:〜に役に立つ
servir de 名詞:〜として使われる
se servir de 名詞:〜を使う

「構造と意味」は切り離せないものなのです。
皆さん、構造は覚えないで意味だけを覚えて満足していませんか?

さて動詞 aller はどう使うことで、正しく「行く」と言う意味で伝わるのでしょうか。

人 + aller + à(に代表される場所の前置詞)+ 行き先

À Paris, quel restaurant vous êtes allé ?
あえて日本語と対比をすれば、日本語の助詞「〜に・〜へ」が抜けているのです。aller à la mairie、aller en France… 前置詞が必要です。

À Paris, à quel restaurant vous êtes allé ?
これでいいですか?

文法的にはなんとか正しくなりましたが、聞きたいことは全く伝わっていないでしょうね。

どのレストランに「行った」かどうかを知りたいのですか?
行くだけでいいのですか?食べなくていいのですか?
「行く」というのは単なる移動を伝えるだけなので、食べたということを積極的に伝えてはいません。

Hier, je suis allé chez Bocuse, mais le nouveau chef de cuisine était absent.
昨日ボキューズに行ったけど、新しいシェフはいなかった。

質問は相手が答えやすいように「具体的に」するのが鉄則です。大雑把な質問には、大雑把な答えしか返って来ませんよ。

どこで彼氏と知り合ったの?
場面?国?時期?
ーパーティーで
ーパリで
ー学生時代

「パリで、どのレストランに行ったの?」
は「どのレストランで食事をしたの?」でしょうね。

しかも、
疑問副詞 + 主語 + 動詞… は下手な「日本語らしい」、言い換えると「フランス語らしくない」語順ですよ。

À Paris, tu as mangé dans quel restaurant ?
はい、随分良くなりました。

もっと追求すれば「どのレストラン」を知るだけでいいのですか?
ぼくだったら、こんなふうに質問するでしょうね。

À Paris, tu as mangé quelque chose de bon au restaurant ?

というのは、ぼくは星付きのレストランなんてものに全く興味が無くて、「誰と食べたか」が重要で、ついでに、その空間や会話をサポートするどんな美味しいものがあるかが大切なのです。

レストランそのものに興味がある方は、
À Paris, tu as mangé dans quel restaurant ?
がいいですね。

À Paris, tu as découvert un nouveau restaurant, où tu as bien mangé ?
À Paris, tu as mangé quelque chose de bon au restaurant ?

欲しい答えを導くように、「丁寧な」質問を心がけてください。

ご参考まで

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