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12月26日のポインセチアは賞味期限切れなの?

昨日の夜から閉店まで花屋に入っていたのですが、メインの仕事はクリスマスからお正月への店内模様替え。
用意しておいたクリスマスブーケを解体して、使える花材はお正月に回します。
その中でも、使いまわしできないのがポインセチアの鉢。
余った鉢は、すべて処分です。

クリスマス前の街中で、ポインセチアが花壇に植えられている様子をよく目にします。サンタさんを思い出すその赤い見た目は、寒さに強いのかと思いきや、実は寒さに弱い植物です。
「ポインセチアちゃんにとってあんなに辛い環境で植えると、すぐ枯れちゃうのに・・・」
と思っていたのですが、クリスマスを過ぎると、昨日の私がしたように一気にお正月に模様替えなので、25日まで持てば良いんですよね。

分かっていたことだけど、でも、なんだかやるせない。
植物を「消費」していると感じます。
昨日の日記で、花を通して文化や行事を感じることを書いたのですが、それは同時に花の「消費」にもつながっている・・・。
農家さんが、一鉢一鉢に丁寧に手作業でお水をあげている様子などを聞いたりするので、その農家さんのことを考えると、より心が痛みます。

では、文化や行事に消費するお花がなくなれば良いのか?と言うと、すぐには同意できません。
私たち花屋や農家さんは、その恩恵を受けてるからです。
文化や行事があることで、お花に接する機会も増え、それが花業界を盛り上げています。
何より、文化や行事のお花があることで、人々の心は癒されたり、ウキウキし、生活が豊かになります。

人間が設定した「賞味期限」によって、捨てられていく状況は、食べ物が賞味期限で捨てられる食品ロスを思い出しました。
昨日、クリスマスからお正月に模様替えしながら私ができることは、捨てられるポインセチアを購入することだけでした。
目の前のポインセチアは処分されずに済みましたが、それはとても小さな小さな行動にしか過ぎません。

私に何ができるのか?
すぐには答えは出ませんが、まずは、ポインセチアのような鉢物をめぐる業界や消費者の構造を理解したいと感じた、クリスマスでした。


12月25日に我が家に連れて帰ったポインセチアのクリスマスマウス

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