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読書メモ ScrumMastery 4章 RESOURCEFUL:才覚のある

スクラムマスターや、スクラムマスターの支援をしているので、改めてスクラムマスター系の文献を調べています。その読書メモを残していきます。

ScrumMasteryでは、偉大なスクラムマスターが持っている特性をRE-TRAINEDで表すことができる。各記事で順番に説明していきます。3回目はは、Resourcefulを。

  • RESPECTED:尊敬されている
    チーム内でも組織全体でも、誠実であるという評判がある

  • ENABLING: 権限を付与する
    他者を効果的に支援することに情熱がある

  • TACTFUL:機転の利く
    外交的である

  • RESOURCEFUL:才覚のある
    生産性の妨げとなるものを取り除く創造力がある

  • ALTERNATIVE:取って代わるもの
    カウンターカルチャーを推進する用意がある

  • INSPIRING:鼓舞する
    他者に熱意とエネルギーを生み出す

  • NURTURING:育成
    彼らは、個人とチームの両方が成長し、成長するのを助けることを楽しむ

  • EMPATHIC: 共感できる
    彼らは、周囲の人たちに敏感である

  • DISRUPTIV:大変革を起こす
    彼らは、古い現状を打破し、新しい仕事のやり方を生み出すのを助ける

4章 RESOURCEFUL:才覚のある

「スクラムマスターが臨機応変であるべき」というのは、スクラムマスターが「少ないリソースでことをなす」という意味ではなく、臨機応変とは「可能性が低くても、回り道でも、解決策が可能であると仮定し、解決策に向かって何らかの動きを達成すること」である。スクラムマスター多くの障害に直面し、深刻な努力を要するものも大きい。そのために臨機応変にチームや組織を前進させる創造的な方法を取り入れることは、素晴らしい特性である。

偉大なスクラムマスターは、積極的で先駆的で、単調なことを嫌う。彼らは、どんなに困難に見えても物事は可能だろいう態度を取り、チームを巻き込み、チームに好奇心と活力を与える新しい方法を常に探している。

問題を解決する方法を考えるとき、臨機応変なスクラムマスターは、障害に関する前提に挑戦し、自問自答する。

  • 本当にその人と話さなければならないのか?

  • この障害を取り除く必要があるのか?

  • この問題を息子に説明しないといけないとしたらどう説明し、彼らは何を提案するだろう。

多くの機知に富んだスクラムマスターは、何が問題をより良くするのではなく、より悪くするのかを想像することで、視野を広げ、新しい解決策を見つける。多くの人は問題に対して破壊的なアプローチを取るほうが自然であるだけでなく、建設的なアプローチを取るよりもずっと簡単だと気づく。これにより、厳しい状況を改善する方法を発見することにつながる。

偉大なスクラムマスターは、自分ひとりで全て行うことができないことを理解していて、組織内外のネットワークを発展させるために努力している。社内でどのように問題が解決され誰に相談すべきか知ることは良いスクラムマスターと偉大なスクラムマスターを分ける要因の一つである。

ヒント 臨機応変さを刺激するには、日常的な物の使い方を100通り考えることに挑戦するのがよい。

ヒント 他組織のスクラムマスターを探し、経験を共有する。自分の組織と状況が異なるもののほうが望ましい。偉大なスクラムマスターは、スクラムマスターサークルを6人以下で定期的に課題や考えを話し合う。

スクラムをセクシーにする Sex Up Your Scrum

A good ScrumMaster ensures team members share their status efficiently with one another in the daily scrum.
A great ScrumMaster ensures the daily scrum is an energising event that teams look forward to.

良いスクラムマスターは、デイリースクラムでチームメンバーがお互いの状況を効率的に共有できるようにする。
偉大なスクラムマスターは、デイリースクラムがチームが楽しみにしている活気のあるイベントであることを保証する。

デイリースクラムは、スクラムフレームワークの本当に重要な部分である。チームがお互いに確認し合い、スプリントのコミットメントに対する進捗を評価し、共同で一日の計画を立てる機会だ。しかし、残念なkと鬼多くのチームはこの重要な自己管理セッションを最大限に活用していないようだ。

あるチームでは、デイリースクラムが遅刻者の影響で9時から5分遅れて開始し、終了が9時30分になっていた。スクラムマスターは次の日、9時ちょうどにドアを閉めて会議を始めた。ミーティングのやり方も少し変えることが可能だ。

スクラムマスターは、2つの施策を試してみた。人から人へと話をするのではなく、カードからカードへとスプリントバックログを確認し、進捗状況を把握するようにした。狙いは違った視点を与えてくれるかもしれないというものだ。もう一つは、ランダムな時間に爆発する爆弾のおもちゃだ。話しているときに、その爆弾をもって話すようにする。そうしたら、爆弾を持っていた人はインデックスカードを引き、簡単な罰ゲームをやることになる。

新鮮さを保つ

デイリースクラムには3つの質問フォーマットがあるが、毎朝チームが怯えるような繰り返しのミーティングにする必要はない。多くのスクラムマスターにとって最初のステップは、チームがミーティングを最も効果的に活用できるように支援すること、ミーティングが長引かずに情報共有の機会から利益を得るようにすることだ。
毎日同じ時間に同じ人と同じ質問に答えるのは少し退屈になるかもしれない。そのため、いいスクラムマスターは、デイリースクラムをセクシーアップする方法を見つけている。
- ジョークをいう
- 引用文から映画を当てる競争をする
- トリビア的な質問からミーティングを始める
- 有名人のマネをして近況を話す
- デイリースクラムの時間や場所を変える
‐ 3つの質問に追加する、心配していること、評価していること、期待していること
- デイリースクラムで使っては行けない言葉ビンゴをやる

レトロスペクティブでは臨機応変に対応する Be ADAPTIVE in Retrospectives

A good ScrumMaster helps the team identify improvements.
A great ScrumMaster inspires the team to be ADAPTIVE.

良いスクラムマスターは、チームが改善点を特定するのを助ける。
偉大なスクラムマスターは、チームに適応力を与える。

レトロスペクティブは、アジャインなアプローチで重要な部分である。完璧なイテレーションも、完全に失敗することもありえない。これを理解することは、スクラムの検査と適応のプロセスに不可欠である。

もしチームが同じ問題を抱えたまま何度もレトロスペクティブに望んでいるとしたらスクラムマスターの失敗である。スクラムマスターが障害を取り除いていないからではなく、スクラムマスターがチームの状況を改善できる環境を作ってないからだ。

偉大なスクラムマスターは、チームにADAPTIVE あることを奨励する:行動する、発散する、説明する、調査する、試す、巻き込む、可視化する

改善点を行動に移す

チームはレトロスペクティブでコミュニケーション改善を求めることは多いが、指摘するだけで改善が見られないかもしれない。このような状況で、偉大なスクラムマスターのデフォルトの反応は、具体的な説明を求めることだ。誰と誰のコミュニケーションを改善し、何についての改善する必要があるのか、どうやって改善されたか確認するかを質問する。

レトロスペクティブで決まったことを、次のスプリントバックログに組み込むだけで、レトロスペクティブの結果として何かが確実に起こることがよくある。アクションプランがあるのは素晴らしいことですが、管理可能な1〜3個の改善アクションを取り組むべきです。そして、チームが小さな改善を定期的に行う習慣を身につけることのほうがはるかに重要です。

収束する前に発散する

セルフマネジメントに慣れていないチームは意思決定が保留されている間、ずっと居心地が悪く感じることがよくある。少しでも合意が生まれるとチームは曖昧さ解消し、リラックスするためにそれに飛びつく。これは常に悪いわけでは無いが、通常は最適ではない。偉大なスクラムマスターはチームを不確実性になれさせ発散思考のプロセスに導く。

効果的なシンプルなテクニックは7つのルールと呼ばれるもので、チームは少なくても7つの異なる解決策を考えるまではいかなる決定もくださないと合意する。これには時間がかかるし、クレイジーな意見も増えるが、6,7番目のアイデアには、チームを活気づけ驚異的な解決策に導く画期的なアイデアの種があることが多い。

フォロースルーの説明

良いスクラムマスターは、必要に応じてチームメンバーに責任を追求するが、偉大なスクラムマスターは、チームメンバーに責任を追求しないチームにチームに責任を追求する。

これは、レトロスペクティブの場でも同じだ。同じようなアイデアや不満、観察が何度も出てくると信じられないほどイライラし、やる気を無くしてしまう。チームが行動を決めたら、チームは約束を確実に実行すべきである。方法としては、次のスプリントバックログにアクションを追加したり、次のレトロスペクティブで前回のアクションを確認するでも良い。

理解を探る

偉大なスクラムマスターは、しばしばチームのコーチの役割を担い、チームが自分たちの状況をふりかえり、課題の根本的な原因を突き止め、進むべき道を見いだせるように質問を投げかける。チームがスクラムマスターに質問し、助けと答えを求める。これは、自然なことで、多くの場合そうするように訓練されてきた。

新米スクラムマスターが意味のある有益な質問をすることになれるためORID構造は質問を構造化すつ有用な方法である。
- 第1段階 観察的、客観的な質問 「誰が何を言ったのか?」
- 第2段階 内省的な質問「そのことについてどう感じますか?」
- 第3段階 解釈的な質問「そのことが、チームにどのような影響を与えると思いますか?」
- 第4段階 意思決定に関する質問「どうすれば、この状況を前進させられますか?」

これらの質問が終わったらパワフルな質問をする。パワフルな質問とあ、高資金や興味を引き起こし、しばしば深い意味に触れるものである。
- どのようにしたいですか?
- この状況で真実ではないかもしれないと仮定していることは?
- この状況を類推するとしたらどんなものになりますか?
- あなたにとって、驚くほど困難なことはなんですか?

偉大なスクラムマスターは、チームが自分たちの課題を探るのを助ける。魚を与えるのではなく、釣りを教えるようなものだ。

新しいことを試す

レトロスペクティブは、議論し、学び、アクションを考え出すための偉大な時間であるだけでなく、実験を特定したり、実行したりするための偉大な時間でもある。もちろん、レトロスペクティブだけがチームが物事を試すべきタイミングではない。スプリント中に実験する時間とスペースと勇気をチームが持てるようになることは、偉大な成果である。
しかし、実験が始まるとしても、通常はレトロスペクティブから始まる。

スクラムマスターとしてできることはいくつかあるが、そのほとんどは失敗の意味を再定義することだ。

ある会社では、失敗の意味を再定義していた。失敗は、素早く、二度と同じ過ちを犯さず、その決断からより良い方法を学ぶのであれば、間違った決断を下すことではない。このような声明は、不確実性に対処したり、人を励ますときに役立った。再定義の一例であれば、失敗のお辞儀という概念の導入がある。これは実験が失敗に終わったチームがお辞儀をし、そのドちょくに拍手を受ける儀式である。大切なのは、失敗の美化ではなく、失敗の受け止め方や対処法を変えていることである。

科学的な実験では、失敗する確率が50%のときに最も多く学ぶことができる。しかし、50%望ましくない結果になることに取り組むのは、チームにとって気が遠くなるようなことかもしれない。失敗の再定義は、実験の価値を再確認することであり、結果ではなく学びを重視すること。失敗の不安を減らす方法は、複数の仮説を検証するために、複数の実験を同時に行うこと。

私が見てきた最も成功するスクラムチームには、ほぼ例外なくスクラムマスターがいて、チームが「ここでは絶対に起こらない」といった限定的な信念を受け入れないような機会を作っている。そして、改善する機会を見つけたら、まず行動し、正当化は後回しにする。チームの予測通りにうまくいけばイニシアチブを称賛されるか、気づかれない。うまくいかなかったとき、地ーっむは自身を説明し、なぜそのようなことをしたのか正当化できる。

全員を巻き込む

人は安心して貢献できる場合にのみ、貢献する。この感覚を育てるには時間がかかるかもしれないが、全員が喜んでい貢献できていると感じるチームは、より生産的で幸せなチームになるだろう。

進捗を導くためのデータの可視化

プロセスとしてのスクラムと、スクラムマスターの役割は、チームが自分自身や自分たちの行動を検査し適応するために見ることができる鏡をチームに向けて掲げていると例えられることがある。この鏡は、スプリントバーンダウンなどのようにデータからキャプチャすることもできるし、チーム挙動に関してスクラムマスターが観察するよりもソフトなデータを含むことができる。データを可視化することは、それが常にフォーカスされていることを確認する1つの方法だ。

偉大なスクラムマスターの戦術の1つは、チームに何を説明させたいか、何が重要かを尋ねることが。こうすることでスクラムマスターは、この分野で進捗を記録することを許可され、それを実行しやすくなる。ここでのもう一つの素晴らしい戦術は、チームと協力して、彼らの価値観を発見し、ダイアグラムのようなチャートを作成し、時間の経過とともにチームの進捗を監視することである。

象を暴く

ほとんどのチームに、無視したり、避けたりしている問題が少なくとも1つはある。これは、「部屋の中の象」と呼ばれるもので、誰もが対処すべきとわかっているにも関わらず、克服できないように見える大きくて不快な問題である。何事にも言えるが、象を長い間避けているとチームは対処法を身に着けてしまう。問題なのは、対処法をすることで問題を取り除く必要を感じなくなることだ。

偉大なスクラムマスターは、部屋の中の象に気づいたら、すぐに勇気を持ってさらけ出し、チームに探求するように促す。彼らは批判せず、チームがこれらの問題を許容し、足を引っ張られることもない。その代わり探索をリードすることを提案する。

レトロスペクティブがスクラムのフレームワークに盛り込まれたことには、2つの見方がある。チームがスプリント事にプロセスを改善するための機会であるか、チームに与えられた特別な自律性と尊重の見返りとしてチームに課せられた責任であるか。

反復的なレトロスペクティブ The Repetitive Retrospective

A good ScrumMaster holds a balanced retrospective.
A great ScrumMaster holds a focussed retrospective

良いスクラムマスターは、バランスの取れたレトロスペクティブを行う。
偉大なスクラムマスターは、焦点を絞ったレトロスペクティブを行う。

レトロスペクティブは、スクラムフレームワークの強力な一部であり、チームの自己管理と継続的改善のプロセスにとって不可欠な要素である。しかし、デイリースクラムと同様に、このミーティングも誤解されやすく、単調になってインパクトを失うことがある。

最近、スクラムを導入したばかりの会社の事例。最初のレトロスペクティブの前、チームメンバーの一人はレトロスペクティブへの参加が前向きではないことをスクラムマスターに相談した。こういう会が好きではないと。そこでスクラムマスターは、レトロスペクティブでは次のスプリントをより成功させるためにどうすればいいかを考えることを目的として、客観的に振り返るように導くと説明した。

そして、前向きではなかったチームメンバーもレトロスペクティブに参加することに同意した。彼はチームの良い点と悪い点を話しても、誰にも非難されることなく、とても驚いた。過去に経験したプロジェクトの事後報告とは違うかもしれないと感じた。

スクラムマスターは、このプロセスを2.3スプリント続けたが、しばらくしてレトロスペクティブ少し平坦で繰り返しになりつつあることに気づいた。チームメンバーも以前ほど熱心に参加していないように見えた。それを打開すべくレトロスペクティブについてのレトロスペクティブをチームに頼んだ。

チームは、レトロスペクティブのレトロスペクティブの中で、毎回同じ質問に答えることに飽きており、ミーティングが予測可能で反復的になりすぎていると感じていると言った。

彼はスプリントゴールというコンセプトが気に入っていたので、レトロスペクティブゴールというアイデアを試してみる勝ちがあるかもしれないと考えた。チームには、レトロスペクティブではなく、スプリントレビューを始めるところを想像してもらい、スプリントの教訓、なぜ自分たちが1スプリント前よりも健康で生産的で、優れたチームになっているのかを説明する格言を述べるように求めた。

例としては、「知らない人と話すな」だったり、「横断歩道を渡る前に両側を見ろ」というのが上がった。全員が考える時間をもったら、「そしてスプリントの教訓は…」という文章をインデックスカードに記入して提出するように求めた。全てのカードが完成すると、チームはカードを分類し、共通のテーマを特定した。完成したストーリーを1つ持つことは、未完成のものを2つ持つよりも価値があるとのことだった。

レトロスペクティブの開始時

最初の数分間は、チームにゴールを作るのを手伝ってもらう:
- チームのメンバー全員に、スプリントを一言か二言で表現してもらう
- チームに過去のスプリントを定義するような、スプリントの決まり文句を考えてもらいます。そのアウトプットを、目指すべきもの、あるいは調査すべきものとして使う。

スプリント中

チームメンバーが思いつくままに考えを書き込める箱や封筒をいくつか設置する。これらの箱には、"不満 “、”アイデア"、"感謝"、 "成果 "など、どんなラベルを付けてもよい。
スプリントの振り返りでは、箱を空にして、蓄積されたメモから目標を作るようにチームに求める。

鼻に従う

良いスクラムマスターの勘が働く余地は常にある。スプリントの間、スクラムマスターは、何が起きているかを、ある種距離を置いて見ることができる。彼らは、何が語られ、何が語られていないかに耳を傾け、チームの挙動の良い例や、発展、成長の機会を探すことができる。

偉大なスクラムマスターは、例えば、「このスプリントでは不具合の修正に時間が費やされていることに気づいたので、それに対して何ができるのかを探る時間を取るのなど」をします。

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