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積読がたまる・・―12/4~週に読んだ本

こんばんは。先週の読書記録が書ける、書ける、と思っていたら気づけば今週も終わりそう…。時差投稿も良いところだ。
ただ、せっかく途中まで書いていたので、最後まで書き抜こうと思います。

最後に書いたのいつだっけ?と思ったら、先月の頭でした!(驚)そういえば、先月読んだ本って、あまり記憶にないかも・・😿

12/4~週に読んだ本

平田オリザ『新しい広場をつくる』

劇作家・平田オリザ氏による論考です。文化政策、被災地の復興、芸術の可能性など、様々考えさせられました。
ページ数もそれなりに多く、論点も沢山あったので、感想も中々うまくまとめられません💦中でも印象に残った下記2点について簡単に記しておきます。

①地方のポテンシャルについて

筆者は、「自分たちの愛するものは何か、自分たちの誇りに思う文化や自然は何か、そして、そこにどんな付加価値をつければ、よそからも人が来てくれるかを自分たちで判断できる能力」(本書, P100)のことを「文化の自己決定能力」と呼んでいます。
そして、それが無くなってしまうと、地方は中央資本に収奪されていくとの指摘がなされています。

こうした主張の背景には、
・地方都市の景色が画一的になっていること
・東北が東京に、中央集権に従属する構造ができあがっていること
などがあります。

仕事上、地方で活動する人・団体と関わることが多いのですが、その際に持つべき視点だなと、痛感しました。
地方格差の解消には、東京(=中央集権)に寄せて栄えることではなく、その土地のアイデンティティを確立することが必要なのだと考えさせられます。

②芸術保険制度について

芸術を享受する上での地域間格差や所得格差を是正する上で、「芸術保険制度」の有効性を、筆者は主張しています。

この制度の詳細については本書では割愛されており、私も全容を把握しきれていません。ただ、格差を是正し、かつチケットの高騰も抑えることができる制度なんて、、こんな素晴らしいものは無い!

文学や音楽、アートを自分なりに嗜みながらも、それらを享受できない人たちがいるという現実も常にひっかかっていました。
本書の前身である『芸術立国論』もきちんと読もうと思いました。

チョン・アウン『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』

「主婦は家の中で遊んでいるだけ」というような指摘に違和感を持った筆者による読書録&論考です。
資本主義の弊害、男女の分業・所得格差、論争的なテーマに、『資本論』や関連文書を読みながら向き合う著者の姿勢にただただ尊敬します。

この本は、経済学やジェンダーがテーマであると同時に、自己理解・他者理解の本質をついている本にも思えました。
たとえば、下記の記載。

揺らがないためには、考えがしっかりしていなければならない。性差別的な既成概念で綴られた言葉が飛んできたときにけおされたり敵き心を燃やさないためには、自分を強くしなければならない。性差別的で女性嫌悪的な言葉で不意に攻撃されたときに落ち着いて対応するためには、漠然とした怒りや悔しい感情を超えたなにかをもっていなければならい。たとえば、周囲の人の口から出てきた一言が含みもつ歴史的・文化的な意味を読み取る洞察力、自分という人間が立っている氷山に気づける知力、まじめに勉強して身につけた論理など。そういうものを身につける過程で一番最初に起こるのは「自分自身の説得」だ。

本書, P142

人は自分の姿を見ることができない。肉体の内側にある自分を外から客観的に見ることができないのだ。だから、自分をきちんと見るには、まわりの人たちを鏡として、そこに映った自分の姿を省察しながら生きていかなければならないと考えてきた。だが、それよりもっと強力な鏡があった。自分としたしくない人、あるいは自分と正反対の意見をもった人という鏡が。

本書, P172

これらの記述(ちょっと長くて恐れ入ります)には、私もハッとさせられました。

私は、正直ジェンダーについてはそれほど強い主張はありません(と、自分では認識している)。普段は、子ども・若者の権利を主張していることが多いです。そんな中、針小棒大に物を語ったり、自分とは正反対の意見を持つ人たちを意図的に避けたり、という過ちをしてきたな、と気付かされるのでした。

他者、それも自分とは異なる意見の人(或いは本)と対峙することで、自身の考えも磨かれていく。そのプロセスを踏むことが大事だなと改めて思うのでした。異業種交流会的なものにも足を運んでみるか・・?

花田菜々子『モヤ対談』

筆者がこれまで読んで面白かった本の著者・作者との対談をまとめた一冊。
なんかもう、そうそうたる顔ぶれ過ぎて、誰を特筆すべきか分かりません!

(ちなみにこの本、発売当日に、花田さんが店主を務めておられる蟹ブックスさんで買いました。たまたまこの日は、仕事で近くにいたのです。サインもいただけました!)

が、その中でも印象に残ったのは、ジェーン・スーさんとの対談です。
『ひとまず上出来』というエッセイの中にある「頑張れたっていいじゃない」という一編についての話。「頑張らなくても良い」という言葉が良く聴かれるようになった世の中で、頑張ることがネガティブに捉えられていないか?という指摘が展開されます。

今の自分もまさにそう。たぶん、今までで一番仕事を頑張っているし、成長している時期。周りの人からはめっちゃ体調を気遣われます(笑)
たぶん、どこか無理をしている自覚もあるのですが、頑張れてしまう。
そういう自分をどうコントロールすれば良いのか少し迷っていた中で、「頑張れたっていい」という言葉はすごく響きました。

エッセイもちゃんと読みたいな。

積読がたまる―まとまらないまとめ

平田オリザ氏の本はともかく、他2冊は、筆者の読書録的な側面が強くて、また、例外なく魅力的に描かれるので、積読が増える一方でした!笑

どうして、同じ時期にこういう本を同時に読んでしまうのだろう。
まぁ、読み残していた本を消化したから、というたまたまが一番の理由ですが、先週の自分にとって何らか意味があるのではないかとも思います。

うーん、何だろう。。
自分の世界を広げたかったのだろうか?
それは多少ありそう。ただ、視野を広げている余裕があるか?と言われるとそうでもないのだけど。

むしろ、色々な本、色々な主張に触れて、あーでもないこーでもない、と考えて自分の新たな一面を見つけられた時間だったかなと思います。
チョン・アウン氏の本を読んで、自分は思っていたより男女不平等とか気にしていたのだな、と気付かされたり。
もしかしたら、自分のことに集中したい時ほど情報のシャワーを浴びたがる性質があるのかも、そんなことを考えさせられました。

あー、時間差あるせいか、いつも以上にまとまらないまとめ!💦
今後はまめに更新したい。と言いつつ、年末まではこんな状態が続きそうです。

ここまでお読みくださった方、ありがとうございます!

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