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酪農DXやスマート農業の現場実装

酪農業界に限った話ではなく、今後、あらゆる産業で人手不足が深刻化すると予測されています。その背景には人口減少と少子高齢化によって労働力人口が減少していることにあります。もともと労働力の少ない農村地帯では、都市部より先に人手不足は危機的な状況になります。

北海道の農業は本州と比べて、経営面積も大きく、経営者も若いので営農も安定していますが、それでも離農は多く、後に続く担い手の確保ができているとは言えません。今後、担い手や働き手を確保するための対策は急務です。また、少ない人数でこれまでと同じ生産を維持することができる、DX(デジタルトランスメーション)、ロボットの導入の検討も急がなければならないでしょう。

北海道の酪農で考えれば、国内の生乳生産量の半分が北海道で生産されています。北海道酪農の衰退は牛乳や乳製品を扱う多くの産業に深刻な影響を与えるため、生産量を維持するための具体的な方策を示す必要があると思割ます。

近年の乳製品の需要低下、飼料高騰などの煽りを受け、酪農家の経営は厳しくなっていて離農も後を断ちません。離農した農家の農地などは近隣の大規模経営体に移譲されているケースもありますが、大規模酪農家では当然、大型の設備投資がなされ合理化されているものの、雇用労働力が必要であり、ここでも人手の確保が課題になっています。また、大型経営だけでなく、小規模な家族経営の酪農家の第三者承継などを円滑に進める手法や酪農ヘルパーの養成など、やるべきことは山積しています。

これらの”やるべきこと”に優先順位をつけて整理し、最新のDXを導入する方法を専門家を交えて早急に実施すべき段階にあると思います。

酪農は年間を通じて、毎日、搾乳や牛舎作業があるため、DXやロボット化の投資に対する効果が、畑作物と比較して高くなると考えられます。また、酪農業でも牧草管理などの畑作業もあるため、DX等の費用対効果を検証することができます。

最新の技術を活用することで、手段としてできることは多くあると思います。しかし、現場で使える期間が僅かであったり、人がやった方が早く効率的であったりします。また、全体の工程の一部が改善されたとしても前後の工程も同時に改善しなければ効果が出ない場合もあるでしょう。

手段ではなく、目的と効率を考えた上で、作業にDXを導入するための技術開発ロードマップを提案したいと思っています。



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