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スプリント能力向上とコンディショニング〜速く走るための導線〜2022改定版

大阪〜神戸で活動しているパーソナルトレーナーのたかつです。
スポーツトレーナー学院で校長をしたり、パーソナルトレーナーの寺子屋というオンラインサロンを運営しています。
こちらのブログはパーソナルトレーナーやスポーツコーチなど運動指導を生業としている人や、陸上競技に関わっている選手、指導者の方向けにまとめた記事になります。

まえがき

2021年6月にこちらの記事をまとめ始めました。内容自体は2015年から高校生のスプリント指導に関わるようになったことがきっかけで「速く走るために」と、まとめた資料を加筆修正していったものになります。こちらに記事をまとめようと思ったきっかけは以下の3つ

・東京オリンピック代表選考である日本選手権が開催されているタイミング

・「スプリント能力を高めるトレーニング」というセミナーを担当したこと

・後輩トレーナーさんがまとめた「100Mの教科書が秀逸だったこと

これらの環境要因が相まってこちらの記事に着手しています。そもそも、私は小中高と陸上競技に取り組んできまして、大学卒業を前にスポーツトレーナーになりたいと道を探し、結果としてパーソナルトレーナーという形でスポーツやフィットネスに長年関わってきました。その「スポーツトレーナーになりたい!」という思いも、陸上競技選手のサポート、陸上競技に何らかの形で関わりたいとの思いからでした。初めから陸上選手のサポートという形で仕事が始まったわけではありませんがパーソナルトレーナーとして10年あまり活動し、専門学校の講師や各種セミナー講師で呼ばれるようになって業界でそれなりのポジションを確立でき始めた頃、当初の思いである「陸上競技に関わる」ことを少しつづ始めていきました。独立起業して10年目のことです。

 スプリント能力向上について自分自身の考えがまとまり、最も自信を得るきっかけになった選手がいます。高校1年生の時に一度、相談にきた選手でその時はあまり印象に残っていませんでしたが、2年生の春に地区大会を勝ち上がれずにいたとき「どうしてもインターハイにいきたい」ということで真剣に相談に来てくれました。当時の持ちタイムは11秒4。これでは全国はおろか府大会にも出れるかどうか怪しい記録です。そんなとこからの挑戦でした。夏休みにしっかりと走りのコンセプトを指導し、マインドセットし、わずか3ヶ月で見違えるほどの走りができるようになりました。春に府大会に出れなかった選手が夏には大阪府で決勝に残れるレベルになっていました。秋の大会では10秒78の記録で優勝し、翌年のインターハイ路線が楽しみになるほどの成長を遂げました。わずか半年足らずでの出来事です。

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 高校3年生のインターハイ路線は結論から申しますと、府大会3位、近畿ブロック大会7位という結果でわずか3センチ、インターハイに手が届きませんでした(個人では無理でしたが、リレーでアンカーを走り、インターハイで準決勝までいきました)。二人三脚で取り組んで1年あまり。11秒4で地区大会敗退の選手が、10秒71まで記録を伸ばし全国インターハイのリレーの準決勝を走るまでに成長してくれました。この選手との取り組みが私の指導コンセプトを確立させてくれたことは間違いないですし、結果で証明してくれました。   
このほかにも単発でアドバイスさせていただいた選手も、その後、自己記録を出すなど悔いのない競技人生を送ってくれているようですので関わったものとしては嬉しい限りです。

そんな選手たちに感謝しながら、この記事をまとめていっています。これがまた次の誰かの役に立てば幸いです。

シンプル イズ ベスト

私の指導は至ってシンプルです。最近は選手だけでなく、選手に関わる若い指導者が相談に来られる機会が増えました。そこで、考え方や実際に私がどのように指導しているのかを体験してもらっています。皆、一様に「すごくシンプルですね」とか「わかりやすいです」という感想を述べられます。
わかりやすくするには、色々ごちゃごちゃしたことを一旦捏ねて、余計なものを削って出すように心掛けています。付け足すより削る方が難しい作業になります。あれもこれもアドバイスしてしまうと結局は何をすべきかが分かりづらくなります。また、人間の脳は一度に複数のことを意識して行うことは難しいので、意識、無意識を使い分けてアドバイスするようにしています。
あとは、選手の感覚を先に聞いてからアドバイスすることです。客観的にみている指導者の方が正しいとは限りません。むしろ選手の感覚の方が優れていることさえあります。選手の主観と照らしてアドバイスすることを心がけています。

トレーニングも巷に溢れているものは非常に細かいものや複雑なもの、あるいはそのエクササイズを行なってスプリント能力向上にどうつながるのかが怪しいものなどたくさん出てきます。スプリント能力を向上させるのに現在、何が足りないのかを把握し、目的に叶うエクササイズをチョイスし適切な方法で行うことです。SNSで有名だとか、YouTubeでチャンネル登録者が多いとか、有名選手がやっているとか、そういうことは自分のトレーニングを選択するときには必要ありませんし、かえって邪魔です。
本来、役に立つトレーニングはSNS映えしない地味なものであることがほとんどです。

それでは「T&Fコンディショニング」の本題に入っていきましょう

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