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盛岡にて思う

先日久しぶりに盛岡に行った。

とは言っても観光ではない。単に2ヶ月に一度の通院である。色気も何もあったもんじゃない。「デートだ」と言ってみたいものだが、その相手がいるのなら、これまでのような変態的文章は書いていない。変態だから相手がいないのでは?という疑問は聞かなかったことにする。こんな僕のありのままを愛してくれる人を探している。

話を戻す。恋愛の話は泣きながら書くことになるからやめたい。

盛岡には、以前からよく行っていた店が多い。
だが、ここ四・五年の間でなくなってしまった店も多い。学生時代の僕が通い詰めていた、某牛丼チェーンの店舗もなくなった。日に三回食べに行ってたのに…。コンビニでさえ数店舗なくなり、僕がいた頃とは街並みが変わった。少しだけ感傷に浸ってしまったが、街並みが変わろうと時代が変わろうと、いとしく思えるのが盛岡なのだ。I love Morioka forever.
予約があったため長い時間は見て回れず、よく行く大型書店の併設雑貨店で友達へのお土産を買ったのみで病院に入った。おいしいものすら満足に食べられないこの日程は、正直に言うと寂しい。本当は、夜の盛岡をふらふらしたりしたい。ちょっとだけお酒を飲んで、ひたすら歩きたい。そんなことを待ち時間に思っていた。

僕は、歩くのが結構好きだ。
盛岡時代も今も、行けるところまでは歩く。その方が発見があるし、健康にもいい。今はなぜだかものすごく体力がなくて、歩いたあとで寝込んだりもするが、それでも歩くのは楽しい。

盛岡の大通りは、いわゆる「飲み屋街」である。
だが、今の僕は酒も弱い。350ml缶一本で充分なくらいだ。なので、正直なところ飲まなくてもいい。ただ、久しぶりに夜の盛岡を歩きたくて仕方ない。あの街の魅力は夜にあると思う。と言っても、スケベなお店の話ではない。というか、こんな馬鹿みたいな文章を書いている割に、そういう店には行ったことがない。知らない女性が怖いからだ。知らない男性はもっと怖い。知らない人といかがわしいことをする勇気があるなら、僕はきっとこんなに屈折しなかった。

…それはまあ、別にどうでもいい話なのでやめる。今日はどうも、盛岡の話から逸れる。暑さのせいにしてしまおう。
盛岡という街は、川や木々といった自然との同居に成功した街だ。当たり前のように大きな川が流れているし、ごく普通に自然がある。それはおそらく、盛岡の暮らしやすさの要因のひとつだと思う。
この時期の夜に川沿いを歩くと、川の風が気持ちよく、いつまでもそこにいたくなる。それでいて歓楽街もしっかり充実しているので、遊ぼうと思えば遊べる。朝まで飲んだりすることだって、当たり前に出来る。それぞれの生き方に、ちょうどよくハマる街。それが、僕の好きな盛岡なのだ。

ちなみに僕の場合、朝まで飲むより、朝までカラオケにいるほうが多かった。僕はそれなりに歌うのが好きなので、友達と延々とカラオケし続けることがある。それが当時は朝までだった。デスボイスを使用する楽曲を歌い続け、喉を壊した経験もある。AKB楽曲をB'zの歌真似で歌ったこともある。歌はいいぞ、歌は。今だったらおそらくひとりで行って、延々と日向坂46を歌うだろう。

そうやって、盛岡時代を回顧しながら、無事病院を終えた。待合室では常に妄想へ旅立っている。テレビ見るより楽しいんだもん。
薬を増やす話になったが、これ以上まともに起きていられないのもどうかと思うので様子見になった。先生とも長い付き合いだ。いつか恩返しが出来たらいいな。

帰りたくないな、と内心思う。
でも、僕が思い描いている「あの頃の盛岡」と少し違う盛岡に、今となっては何を探したらいいのだろう。大好きな街であることは変わらないと書いたが、それは思い出の盛岡のままだからで、新しい盛岡を知ったら、嫌いになってしまうんじゃないか。そんな不安も、実はある。

僕には元々、置き去りになっているような感覚がある。
友人から、家族から、世界から、未来から。全部が僕を置いて、僕の知らない遠くへ行ってしまったのではないか。そう思うことがある。

だからこそ、僕はやっぱりこの街にもう一度来なければならない。
僕の小さな夢と命が輝く場所は、きっと盛岡なんだと思う。
新しい盛岡を知っても、僕はきっとこの場所を愛するだろう。
未来とこの場所は、僕を置き去りになんてしない。そう知っているはずだ。
僕が何かを踏み出すために目指すのは、またこの盛岡なのだ。

帰り道、盛岡のほうを振り返る。
次の通院のためではなく、輝く未来のために、また来るよ。


無事帰宅してこれを書いた。
書き溜めているものがたくさんあるのでいつの公開になるかわからないが、これを見た方が盛岡に興味を持ってくれることを祈る。いい場所だから行ってみてほしい。
秋になると、橋から中津川を見下ろせば、鮭を見つけることもある。ずっと見ていると、近隣の方が身投げすると勘違いして心配そうに声をかけてくださる。そんな場所だ。
今はたしか、盛岡駅新幹線改札の中に冷麺の店舗が出来たりもしたはずである。まだ僕も行けていない。一刻も早く行きたい。明日行こうかな。

おいしいもの、優しい人、綺麗な自然。
盛岡に足を運べば、必ず出会えるものだ。あと、美味い酒。ビール党の皆様ならご存知、ベアレン醸造所のビールもある。日本酒も美味い。友人の結婚式の際はずっと熱燗を飲んでいた。六月で、暑い日だった。

盛岡で出会えるものは、きっとあなたを魅了する。
この街の魅力に気付いたら、生きるのが少しだけ楽しくなるはずだ。

めいっぱい本音で盛岡を宣伝して、エッセイを終える。
もう行きたいよ、盛岡。愛しているよ、盛岡。
……こんだけ紹介してるし、盛岡の偉い人から声かからないかな、と妙な妄想をしてみる。

ちなみに、岩手県内いい所ばかりなので、次は他の岩手県内の場所を紹介しようかな、と画策中。
九戸村か、軽米町か。
いやいや、遠野市か。
沿岸部という選択肢もあるな。
…とりあえず気が向いたら、というか絶対書く。
……岩手の偉い人(以下略)

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ナル
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