頚椎椎間板ヘルニアをやった話①
半年以上前の昨年7月ごろから、背中の上部やや右側に痛みを感じるようになった。
背中が攣るような寝違えたようなピシッとくる痛み。デスクワークで身体の角度を変えたり前屈みになると起きる。
上司に「それはストレスよ、私もなるの」と言われ、その時はそういうもんかと思っていた。
それからも時々なっていたのかは覚えていないが、1ヶ月くらい前にまた同じ痛みを感じるようになった。ビシビシと背中が痛み、後ろを向こうとすると首が痛い。年齢的に身体にガタが出始める頃なのかなー、加齢っていやぁねー四十肩とかそういうやつ?なんて友人と話しながら、痛みは一週間ほど続いた。
寝違えや筋肉痛、足が攣った等と類似の痛みならそのうち消えるんだろう、と思いながらも、何が原因なのかどういう状態でこうなっているのかを漠然と検索してみたりした。
「背中 痛み」
そこにはストレスと書いてあったり、痛いのは背中でも原因は首にあるだとか、膵臓がどうとか、とりとめもなく色々な情報を見つつ、日に日に痛みが強くなっていき
「背中 激痛」
と調べるまでに。いよいよ知恵袋にでも書き込んで聞いてみるかと考えていた、3週間ほど経った4月18日の月曜日。
祝日のため、午前中はベッドでゴロゴロしていた。背中、痛いなーと思いながら、身体を捻って色々伸ばしてみたり。昼になり何か食べようとキッチンで食事をレンチンして自室へ戻り、机に置いて、椅子に座った瞬間ものすごい激痛が右肩甲骨のくぼみのあたりに走った。右腕をどの位置に動かしても信じられないほど痛かった。
とても座っていられないし立ってもいられないし最早パニック。関節を捻り上げられたような、棒切れの先で強く押されているような、なんとも形容し難い痛み。とりあえず誰かに助けてほしくて手当たり次第3人くらいに電話をかけたが、部屋の電波が非常に悪く相手には私の声がほぼ届かず切って相手が掛け直すと繋がらない始末。
悶えまくってのたうち回ってもんどり打って床に仰向けに倒れ込みやっと激痛からは解放された。電話が駄目なのでWi-Fiで話せる国内の友達に電話。とりあえず誰かと喋りたかった。
これって整体?病院?今日はイースターの祝日だぞ。どうする。
とりあえず日本人で整体やってそうなところを調べ祝日でも繋がるところにいくつか電話。できるだけ壁際に背中で這いずって近付くも通話はなかなかに苦労した。右腕を上げて肘から背中側へ折った状態なら痛みが減り立って歩けることに気付き、電波を求めて家の中をウロウロ。
電話が繋がったところのうち日本人の整体師なのか?なんなのかよく分からん男性が1人家まで来てくれた。
これは結果的に最悪だったのだが、とりあえずどうして良いやら分からんかった。
その人は私を椅子に座らせて色々やったのだが、もう痛いなんてもんじゃなかった。でもちゃんと人体のそういう何かを勉強した人なのだからと信じて任せたが、右腕のあちこちを押したりグリグリしたり、指の第二関節を順番に内側にボキッと鳴らせたり(クッソ痛い、意味あんのかよこれ)そして「ほら少し良くなったでしょ、運動不足とストレスですよ」と言い残して帰っていった。ご厚意で支払いを断ってもらえたのが不幸中の幸いである。
当然ちっとも改善されておらず、相変わらず立っていられない。近所に緊急窓口のある病院があるけど、どうやって行くのこれ。Uberか?しかし座っていることもできないのだが…あれか、タンカーじゃなくて担架ってやつ。ストレッチャー?ないと無理じゃね?え、救急車?また!?もーやだよ$1,000以上請求されるのは!(その時は保険で全額カバーできたけど)
つくづくこんな時、自分って友達いねぇなーと思う。私が家庭教師をしている子のお母様がとても親切にしてくれるのだけど、言うなればお客様のご家族なわけで、プライベートのトラブルは極力持ち込みたくなかった。でも、最初に頼れそうだった人には今日は行けないと言われたので、もう厚かましいのを承知で彼女に助けを求めた。17時になっていた。
電話ができないのでテキストでのやり取りのみだったが、自宅のガレージに帰ってきたところだったらしく、運良くすぐに返事が来て、車で20分以上の距離を迎えに来てくれた。そのまま病院の緊急窓口へ。トリアージ受付というので症状を説明しランクを付けられる。下から2番目。$570前払い。たっけぇぇぇ。でもパブリックホスピタルなので後から保険でカバーされるはず。
ロビーはそれほど混んでいないように見えたが、それでも2時間くらいは待った。その間、ずっと右腕は上げっぱなしだ。痛くて下ろせない。
もらった痛み止め錠剤を飲んだ後のコップを椅子に座ったまま床に置こうと身体を前のめりにしたら床にコップの底が付く前に激痛で無理だった。そういや彼女の車に乗った時も、開けたドアを閉めるために身体を乗り出したら痛みで一度体制を戻す羽目になった。反対側の左手は何ともないのだがいかんせん利き手の方が下ろせないので、問診票とかサインとか書けやしねぇ。付き添ってくれている彼女に代筆してもらった。サインだけは自分でやらなきゃだが、最早別物。
呼ばれて、ドクターが腕の動きや力加減を診る。何故かドクターがいる間は症状がマシになっており結構腕が動く。しびれや握力の低下は元からない。
「何をしたの?重いものでも持ち上げた?」とこれから行く先々で聞かれるのだが、何がきっかけなのかサッパリ分からん。
ここでは念のためレントゲンを撮り、ある程度の原因や可能性を排除。筋肉とか神経とかそういうことでしょうと、フィジオに行くよう紹介状が出た。
終わる頃には21時を過ぎており、この日はこのご家族のお家でお世話になった。「明日、私達が行っているカイロに行ってみましょう。長年お世話になっていて、とても良いドクターなの」この時はまだ車の助手席に座ったままでいられたが、いつ痛みがくるか分からなかったためシャワーはやめておいた。何かのクリームを背中に塗ってもらい、ヒートパックをあてながら寝た。
ちなみに温めた昼食は迎えが来る前に根性で1/3ほどかきこんできた。
深夜に目が覚め痛みでベッドの上を転げ回った。とにかく痛い。仰向けだろうがうつ伏せだろうが。起き上がろうとするとビシィッという激痛で仰向けに逆戻り。痛すぎて息が上がるレベルで、もう苦痛で仕方なかったが人様の家なので呻きたいのを必死で我慢していた。
翌日火曜日、朝イチ8時半にカイロに電話してもらい12時の予約が取れた。時間までは講義の配信をノートPCで流しながらベッドの上で何度か体制を変えていた。痛い。
起き上がり方として、まず右手を上に伸ばした状態で寝返りをしてうつ伏せになってから下半身をベッドから床へ下ろし、ゆっくりと立ち上がる。そこで右手を肩越しに後ろへ折り曲げキープ。助手席をフルフラットに倒してなんとか10-15分ほどの道のりを耐える。
カイロではベッドに腰掛けたりうつ伏せを保ったりがしんどくて、仰向けから起き上がるのも無理。
仰向けに寝て両腕をそれぞれ反対側の肩へ向けてクロスさせ、正面から抱きかかえられる形でなんかたぶん肩甲骨とかを入れる?調整?するのを2,3回やられた。いいんだけど、その一瞬のインパクトが痛すぎて毎回デカい声で叫んだ。あとはバチバチと打ち付けるガン(銃)のようなもので首の後ろやら背骨やらを打たれ、ドライニードルを数本刺したり、それまで「かっけを見るために膝のあたりを叩く三角のハンマー」という認識しかなかった物で腕を何度か叩かれたり(打腱器っていうの?)ピンチナーブだろうということだった。ちなみにこれカタカナで検索しても頸椎椎間板に関連する日本語のページがヒットするのね。
「これで24時間様子を見て、明日また電話してください」ということで終わった。3-4日経っても変わらないようならMRIを撮った方が良いだろうと。$125也。また助手席をフルフラットにして帰路についた。この日もシャワーはスキップ。ご飯は何とか食べたのかな?書いとかないと忘れちゃうもんだな。。昼に買ってきてもらった寿司は、首すら持ち上げられず顔を上げられないため、仰向けの状態で首元に置いてボロボロこぼしながらかろうじて食べた。この時、箸を持った右手の指に通常の70%くらいの力しか入らないことに気付いた。
3日目、水曜日。前日の昼に24時間様子を見てと言われていたものの、市販の痛み止めを飲んでもずっと激痛で一晩中もんどり打っていて、朝9時前にその旨をカイロに電話で伝えるとドクターからは「自分がやって改善できるレベルではないと感じたので、病院へ行ってください」という回答だったそうだ。
なので一般の総合クリニックへ。運悪く、近場に5箇所もあるうち超感じ悪いインド人ドクターの11時1枠しか予約が取れなかったそうだ。ここでの診察は最悪だった。私はある程度の英会話は可能だが、そういう問題じゃない不愉快なやり取り。付き添ってくれていた彼女も憤慨していた。
挙げ句、「CTとMRIどっちにする?」ときたもんだ。私に選ぶだけの知識があるわけなかろうが!どっちもやったことないわ!とりあえずMRIは数百ドルするとのことで、CTの紹介状だけ書いてもらい、痛み止めと抗うつ剤のようなもの(ジアゼパム)を処方された。
家に帰ってそれを飲んでも、2時間後に全く改善が見られなかったため、今度はプライベートホスピタルへ連れて行ってもらった。ここでようやく希望の光が見える!次回へ続く
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