スピッツが好き② 〜「スカーレット」〜
↑画像ありがとうございます。
スピッツファンである私が好きなスピッツの曲を語るシリーズ第2弾であります。前回は一番好きな神曲「正夢」について語りました。今回は一番最初に好きになった曲、「スカーレット」です。
私が初めてスピッツを聴いたのは幼稚園児の頃だったと思います。すごい早いですね。親が車の中で流していたのです。その当時流れていたのは『インディゴ地平線』あるいは『フェイクファー』でした。だからこの2枚は今でも特別というか、聴くと懐かしいというか、他の作品たちとは少し違う安心感を覚えますね。ファンじゃない人にも最初におすすめしたいです。
あと7枚目8枚目のアルバムということとサウンド面が似てることから、個人的には兄弟のような2枚だなと思います。2007年にでたスピッツの自伝『旅の途中』では、この2枚のレコーディングは非常に苦労したこと、特に音作りになかなか満足がいかなかったことが書かれていました。確かにちょっとこもった感じのサウンドだからわからなくはないんですけど、でももやっとした感じもまたノスタルジックで良いと思います。
さて、車の中の園児はまだ、スピッツのことは知らないままだったわけですが、なんだか良い音楽だなとは思っていたと思います。歌詞は何言ってるか全然わからないしそもそも意味のある言葉として聞き取れない。でも彼らの音楽は子供の心にもスッと入ってくるものでした。
そんなある時、ある一曲が流れた瞬間に、園児の心に衝撃が走ったのでした。
離さない このまま時が流れても
ひとつだけ 小さな赤い灯を守り続けていくよ
これはすごい!と幼心に思いました。「ジャーン はなさな〜い・・・」という入りの圧倒的な引き込み力。そして続くメロディーの甘さと切なさがもうほんとにいてもたってもいられないと思わせるレベルで強く心を揺さぶったのです。一体なんなんだこれは!
その曲こそが『フェイクファー』収録の「スカーレット」だったのです。
それ以来、私は特別「スカーレット」に真剣に耳を傾けるようになりました。もちろん当時は曲名もわかりませんでしたが、あのイントロが流れ出すと「きた!」と思いすごく幸せな気持ちを感じていたのを覚えています。ただ、曲の尺は3分半くらいで短いんですね。永遠に聴いていたいのにすぐ終わっちゃうからそこだけ不満でしたw
私が思うこの曲の魅力は主に2つです。
まず、情景が非常にはっきり思い浮かぶこと。
子供の頃の私はこの曲を聴くたびにあるイメージを想像していました。真っ暗な部屋の中で暖炉の火が煌々と燃えている。その近くで絨毯の敷かれた床に座り、抱きしめ合うセーター姿の男女・・・。二人には色々辛いことがあったのです。でもこうして抱き合いながら誓うのです。これからどんなことがあっても絶対に守るし幸せにする、と・・・。
キャー!ロマンチックー!大変だー!そうなんです、あとで書きますがたった3分半のこの曲一つに色々な感情が織り込まれているように感じられるのです。
それと「ほこりまみれの街で」っていう歌詞からは、灰色の街の中心に塔が立っているのを上空から眺めてるようなイメージが浮かびます。そう、その塔の中にセーター姿の男女がいるイメージですw そして間奏のアルペジオはその塔に雪の結晶が落ちていくような神秘を感じさせます。こういったイメージを膨らませて、この曲をモチーフに何か小説を書きたいなと思ったこともあるのですが、断片的にしか考えられなくて大変難しい。でも挑戦してみたいことではあります。
2つ目の魅力は、とにかくメロディーです。
幼稚園児の私がこの曲から受けた印象の一つをいま言葉にすると「メロディーそのものが泣いている」という感じです。
歌詞ももちろん切ないです。恋人同士だけど、なんだか最近は上手くいってなくて衝突することもある。でもかけがえのない相手だから大切に守っていきたい。そんなイメージを受ける歌詞なんですけど、メロディーだけでも十二分に胸がぎゅっとさせられてしまうのです。メロディーそのものが感情を持っているんです。
喜び悲しみ 心ゆがめても
寒がりな 二人を暖めて 無邪気なままの熱で
こんな複雑な感情が歌われているけど、これらの感情とあまりにぴったりそぐうメロディーの切なさは凄すぎる。メロディーそのものが泣いている。単なる悲しみだけじゃなく、愛する者がそばにいる喜びの涙だったり、感謝の涙だったり、責任を背負おうとする決意の涙だったり、それら全部をこのメロディーから感じるのです。もはや魂の旋律だと思います。
ふう。大げさに感じられたかもしれませんがぜひ聴いてみてください。純粋な幼稚園児の心に衝撃を与えたのだから本物です。MVの見どころの一つはギター担当テツヤが犬の真似をするところです。
最後に関係ない話ですが、とりあえず今日で10日連続投稿達成したので、明日から数日休んで本読んだりしたいと思います。読んでくれる・スキしてくれる皆様いつもありがとうございます。私も楽しく拝見してます。それではまた数日後にお会いしましょう。
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