【卒業論文噛み砕き解説】Part 1 組織文化ってなに?
皆さんは、「こんな企業で働きたいな〜」と思ったことはありますか?
例えば、ドラマや映画では様々なタイプの架空の企業が登場しますよね。
視聴しながら、「こんな職場で働きたい!」と思ったことはないですか?
私はドラマや映画からの影響をもろに受けるタイプなので(笑)、
「こんなキラキラした会社に入社したい!」とか「こんな自由なOLライフを送りたい!」とか、すぐに憧れを抱いてしまいます・・・!
そんな「会社の雰囲気」や「従業員の働き方」の根本となっているもの、
それを組織文化と言います。
そして組織文化は、国によって特徴が全く異なるんです。・・では、なぜ異なるのか?
それは、組織文化に国民性が大きく影響しているから!
よく「日本人だから」とか「中国人らしい」とか言ったりしますよね。それも国民性の違いを感じているからこそ生まれる言葉です。
・・・そんな国民性が大きく影響している組織文化を、外資系企業は他国に進出する際にどう扱えばいいんだろう?
この問いこそが、ざっくりとした私の卒業論文のテーマでした!
そこでその卒業論文の中から「組織文化」と「国民性」について私が勉強したことを記事にしたいと思います!
今回は「組織文化」について。
就活でたくさんの企業を見る際も、組織文化はキーポイントになると思うので是非参考にしてみてくださいね!
1.組織文化 is 当たり前??
「そもそも組織文化ってなんだ?」という人や「聞いたことはあるけど説明はできない」という人もいますよね?
私が組織文化を説明する際に一番わかりやすいと感じたものが、組織心理学者のエドガー・H・シャインが提唱した「3段階の文化レベル」でした。
以下の図を参考にしてみてください。
これが、シャインが分類した3つのレベルとそれらの関係性を表したものになります。
(Harvard Business Reviewより引用)
【Level 1 文物(人工物)】のキーワードは「目に見える」です。
例えば、オフィスのレイアウトや服装!
決まったデスクで働くのか・好きな場所で働くのか、原則スーツなのか・服装自由なのか。
このように目で見て捉えることのできるものがLevel1に分類されます。
【Level 2 標榜されている価値観】と【Level 3 背後に潜む基本的仮定】は区別が難しいとされています。
Level 2 かLevel 3 かの判断に迷った時の1つの軸は、「振り返りが行われるものであるか」ということ。
Level 2 の価値観は未来を見据えた会社の方向性である為、しばしば正しい方に進んでいるのかどうかの振り返りが社内で行われます。
Level 3 の基本的仮定は当たり前と捉えられているものの為、意識されることなく議題に上がることも無いのです。
では本題の「組織文化とは何か」の解説に入っていきましょう。
ここまでで3段階の文化レベルの説明をしましたが、これのLevel3に当たる「背後に潜む基本的仮定」が組織文化なんです。
基本的仮定である組織文化のキーワードは「当たり前」。
当たり前である組織文化が社内に浸透しているからこそ、ミッションやビジョンに向かって皆で同じ熱量で取り組むことが出来ます。
しかし様々なことにおいて当たり前を疑うということが必要であるのと同様に、
イノベーションを起こす際には「当たり前と疑われない組織文化」が障害となり得ることもあるんです。
2.組織文化は企業選びにおいて重要な要素である!
では皆さんは、働く上で組織文化をどのくらい重要視しますか?
組織文化が企業、そして働く私たちにとってどれほど重要であるのか、いまいちイメージがつかない人もいると思います。
ここで、1つ先行研究をご紹介しましょう!
https://www.strategyand.pwc.com/jp/ja/global-culture-survey/global-culture-survey-2018-japan.pdf
PwC Strategy&という企業の研究組織が2017〜2018に行った、グローバル組織文化調査です。
この調査は、日本企業・グローバル企業の従業員合わせて2000人以上の人々に対して行われました。
まずは下のグラフを見てください。
組織文化が人々の企業を選ぶ理由、そして離れる理由に繋がる大きな要因であることがわかると思います。
特に日本は組織文化が決断の際の重要な要素になっていますよね。
私も就職活動の際、ミッションやビジョンに魅力を感じた企業よりも、「その企業での行動基準」を指すバリューに魅力を感じた企業の方がより強く思い入れを抱きました。
そしてやはり思い入れが強い企業の方が結果も伴うものです。
受けた企業の中でもっともバリューを大切にしていると感じた企業が、私の新社会人生活の舞台となりました。
その新卒の会社は、人事評価制度に「どのくらいバリューを体現できていたか」という指標を組み込んでいるくらいです。
それでは次に、他の国に比べると少し特徴的な日本の組織文化について見ていきたいと思います!
3.日本の組織文化は「転ばぬ先の杖」?
先程も用いたグローバル組織文化調査によって、世界と比較した際の日本の組織文化の特徴も見えてきたんです。
研究組織は調査対象者に以下の5項目について、2つの選択肢の中からより最適な方を選ぶよう提示しました。
①意思決定
・意思決定は合意形成で行う
・意思決定した責任の所在が明確になっている
②パフォーマンス
・チームのパフォーマンスを重視する
・個人のパフォーマンスを重視する
③知識
・知識の「広さ」を評価している
・知識の「深さ」を評価している
④コミュニケーション
・相手を考えた丁寧で誠意あるコミュニケーションが主流
・意見交換における対立は臆せず受け入れる
⑤問題に対する向き合い方
・問題が起こらないように防止する
・問題が起こってから対応する
以下のグラフが回答の結果です!
この結果で特に注目すべき点は、
「意思決定」「パフォーマンス」「問題に対する向き合い方」
の3項目。
日本の組織文化には、助け合いの精神やリスクを事前に回避する為の準備に重きを置く意識が根強く残っています。
そこから私の卒論では、日本の組織文化の特徴を「チームワーク意識」と「保守的なアプローチ」としました。
今所属しているコミュニティで、なんとなくそれらの特徴に当てはまるような経験をしたという人もいるのではないでしょうか?
最初に述べた通り、この組織文化の特徴に影響しているのが国民性なんです!
次回はこの「国民性」についての記事をお届けできたらと思います。
ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました!
ビジネスモデルやサービス、プロダクトはいずれ真似されてしまうものですが、組織文化はチームの構成メンバーが深く関わるものであり、真似ができないものとされています。
つまり最もチームの特徴として存在し続けるものなので、就職活動の際にも注目してみてくださいね!
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