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〈「レートム」とは何か〉:簡単な自己紹介と活動内容について

はじめまして、レートムと申します。
この記事ではタイトルにもあるとおり、私の簡単な自己紹介と活動内容をご紹介します。
何か気になる活動がございましたら、ぜひ活動拠点のTwitterにお越しくださいませ。


自己紹介

1995年11月30日生まれ、右利きのA型。
マルティン・ハイデガーの他者論に関する研究で修士号を取得したのちに就職し、現在はプライベートで哲学を勉強している。

上記以外に気になる情報がある方は、お手数ですがnoteのコメントにてお寄せください。必要に応じて随時追記させていただきます。


活動内容

哲学に関係する三つの活動を行っています。

  1.  Stanford Encyclopedia of Philosophyの記事序文を和訳

  2.  ハイデガー『存在と時間』の読書会を主催

  3. 〈メタ哲学を学ぶ〉スペース・noteを発信

これらの活動は私の個人的な活動であると同時に、これから一緒に哲学をする皆さんのための活動でもあります。
以下では各活動の詳細をご説明します。


1. Stanford Encyclopedia of Philosophyの記事序文を和訳

Stanford Encyclopedia of Philosophy(以下SEP)=「スタンフォード哲学百科事典」とは、オンラインで利用できる哲学の百科事典です。
記事の執筆者は全員が各分野の専門家であり、またそれらの記事がすべて編集委員会による査読を受けているため、高い信憑性を誇ります。

また同サイトの"About the Stanford Encyclopedia of Philosophy"ページによると、2018年3月時点ですでに約1600の記事を擁している、とあります。
現在でも記事は1日におよそ1本のペースで更新されており、哲学的主題をかなり網羅的に扱った、非常に大規模なサイトであることがお分かりいただけるかと思います。

実はこのSEP、"Random Entry"という機能が搭載されていて、ワンクリックで記事をランダムに表示してくれます。
私の第一の活動は、この機能を活用してランダムな項目の序文部分のみを毎日翻訳するというものです。

翻訳の成果はレートムのTwitterアカウントを通じて毎日公開されています。
気になる項目を見つけた方はまず拙訳をご参照いただいてから、ぜひ各項目の本論へジャンプして目を通してみてください。

SEPには、一見すると哲学とは無縁に思われるテーマも収録されています。
これまで私が翻訳したものだけでも「契約法の哲学」「量子コンピューティング」「免疫学の哲学」など、法学・コンピュータサイエンス・医学といった主題が含まれます。

哲学を初めて勉強される方にとっては、そもそも哲学という営み自体が謎めいたものだと思います。
このSEPを通じて、世界の哲学研究者たちがどのような問題を扱っているのかに直接触れて親しむことで、哲学のイメージ形成や関心の深化に役立てていただければ幸いです。


2. ハイデガー『存在と時間』の読書会を主催

第二の活動は読書会の運営です。
毎週土曜日の22:30~24:00に、discord上で行っております。

読書会の参加者は、すでに『存在と時間』を読んだことがある方から、入門書等で触れたことがある方、哲学に触れるのはこれが初めてという方まで多岐に及びます。

読書会の運営担当者として、私は一つの目標を掲げています。
それは、こうした様々な背景をもった参加者の皆さんそれぞれに、「自力で哲学書を読み通し、自分なりの見解をもつことができた」という達成感を感じていただくことです。

入門書や事典を通じて哲学の用語やテーゼについて知っていることと、実際にそれらがどう使われているか・それらの主張が妥当かどうかをつぶさに検討していくことの間には、少なからぬギャップが存在します。

つじつまの合う考えを独力で何とかこしらえるのは、とても根気のいる作業です。
ときには解釈に悩むこともありますし、参加者同士で意見が衝突することもあるでしょう。
私の活動は、参加者の方々が挫折することなく、議論の場に自ら身を投じるお手伝いをすることだと考えています。

そうした背景から私の読書会では、普段お仕事や私生活で忙しい方々であっても挫折しない方法を模索しています。
具体的には、後から振り返ることができるよう、読書会を録音するのに加えて各回の議事録を作成したり、ふとした瞬間の気付きを共有し意見交換するための場やを設けたり、理解を深めるのに役立つ文献を紹介するための場を設けたりといったことが挙げられます。

取り組みの一つ一つは小さなものですが、各回の終了後にはアフタートークを設けることで、運営への不満や希望の吸い上げを行い、毎週の小さな改善を積み重ねることをモットーとしています。

前述のとおり、読書会には様々な知的背景をもった方々が所属しています。
参加をご希望の方や詳細が気になった方は、ぜひレートムのTwitterアカウントのDMからお声がけください。いつでもお待ちしております。


3. 〈メタ哲学を学ぶ〉スペース・noteを配信

第三の活動は、「メタ哲学」と呼ばれる学問分野の紹介です。
どのような分野であるかについては、ぜひ〈メタ哲学を学ぶ〉シリーズの第1回記事をご一読ください。

ここではメタ哲学の中身ではなく、私がこの活動を始めた理由を手短にお話しします。
理由は大きく分けて二つ存在します。

①他の人の哲学に関する活動を頭ごなしに否定することをなくしたい
②初学者としてゼロから勉強する姿勢を持ち続けたい

そもそものきっかけとなった直接的な理由は①で、②はむしろ活動を始めてから実感した間接的な理由です。
以下でそれぞれ少し詳しく説明しましょう。


まずは ①他の人の哲学に関する活動を頭ごなしに否定することをなくしたい という理由について。

私が活動の拠点としているTwitterでは、それぞれの知的背景をもつ多くの方が、何らかの仕方で哲学に関わっています。
例えばスペース上で哲学的な問題について気軽に語り合ったり、哲学対話・哲学カフェを主催し参加者を募ったり、自分の読んだ文献の紹介をしたりしています。

残念ながら哲学に強いこだわりがある方ほど、「あなたのやっていることは哲学とは呼べないのではないか」と、相手の活動を否定してしまう可能性はあります。
一方で、では何を哲学と呼ぶべきなのか私たちはどのように哲学を営むべきなのかは、必ずしも判明ではないように思われます。

そうだとすれば、異なる哲学観をもつ相手に出会ったときにまず行うべきは、頭ごなしの否定ではなく検討であるべきです。
互いに検討しあった結果、もしかすると哲学には唯一ではなく多様な形式が認められるのであって、両者は異なる仕方で哲学に従事していただけだった、ということが明らかになるかもしれません。
私が実現したいのは、まさにこうした〈哲学とは何か〉を考える土壌です。

Twitterには哲学を初めて学ばれる方も多くいらっしゃいます。
自分のやっていることはもしかして哲学ではないのではないか──そうした疑いがただちに自信の喪失につながらないよう、考えるための道具を共に学びたい、と私は考えています。


次に、 ②初学者としてゼロから勉強する姿勢を持ち続けたい という理由について。

実は私は(冒頭の自己紹介でも述べたとおり)メタ哲学を専門に研究していた人間ではありません
今しがたご紹介した①の理由を背景に、ひょんなことからメタ哲学なる未知の分野に関心を抱いてしまった、全くの門外漢なのです。

下敷きとなるテキストを和訳しながら読み進め、関連する文献を読み漁りつつ自分なりにまとめていく中で気付いたのは、ゼロから学ぶことの楽しさと心細さでした。

勉強を進めていく中で、自分の全く見たことがなかった景色が見えたり、自分がぼんやりと感じていた気持ちに形がついていったりすると、とてもワクワクします。
一方で、すでに第2回のスペース・noteを公開していますが、「実は何もかも間違っていたら、大きな誤解をしていたらどうしよう」という不安はつねについて回ります。

こうした活動を通じて私は、改めて初学者の目線に立ち返っていると感じています。
このことは、第二の活動である『存在と時間』の読書会が、かつて研究していた時期も支えとなって、少しは手ごたえをもって進められているのとは好対照です。
無数の「知らない」「分からない」の前に立たされている人たちはどのような気持ちなのか──これは私の三つの活動すべての根底にあるもので、決して失ってはいけないものだと考えています。

そういったわけで、〈メタ哲学を学ぶ〉スペース・noteをご覧いただいている皆さんには、冷や汗を流しながら無様にもがいている私の姿をぜひ思い浮かべていただきたいと思っています。
そうして、最も身近な初学者の一人として、私も一緒に学ばせていただければ幸いです。

私の自己紹介はこれで以上です。
次はどうかあなたのお話を聞かせてください。

Twitter: @le_thm

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