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【AND PET】#11 いびきをかきますか?

小さな体で大きないびき

我が家の猫、ぼたんはなかなか立派ないびきをかきます。「ぷぅぷぅ」「くぅくぅ」という小さく可愛らしいものから、「ブーーーーッ、ブーーーーーッ」「ンゴーーーーッ、ンゴーーーーッ」という轟音まで様々。一緒に暮らし始めた当初は、あまりに大きな音にまさかそれが猫のいびきだとは思わず、「何か故障した!?」と音の原因を探し回ったこともありました。

逆に、「可愛いいびきをかいているな」と思って顔をのぞきこんだら、いびきではなくただの鼻息だったということも。寝ていると思っていたぼたんと目が合ってギョッとしました。彼女の名誉のために補足すれば、ほとんどの場合はどこにいるのか分からないくらい静かに寝ているのですが……。

人間のいびきは、眠ると筋肉が緩むのに加えて仰向けで寝るため、舌の付け根などが喉の方に落ち込み、気道が狭くなって起こります。でも、ぼたんは仰向けで寝ることはなく、丸くなるか横向きがほとんど。調べてみたところ、猫は人間と同様に眠ると筋肉が緩み、その影響で喉ではなく鼻の内部が狭くなっていびきをかくようです。そういえば、人間のいびきは喉から出ているイメージですが、猫のいびきは鼻の辺りから聞こえてくるように思います。

いびきをかきやすい猫種もあり、ヒマラヤンやペルシャ、スコティッシュフォールドなど、鼻の低い猫が該当します。また、肥満気味の猫も脂肪が呼吸の邪魔をしていびきをかきやすいとのこと。どちらもぼたんには当てはまりません。となると何かの病気でしょうか。

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ぼたんは毎年3種混合ワクチンを打っています。

小さないびきは問題ありませんが、大きないびきをかく場合は猫かぜや鼻炎、鼻の中に腫瘍ができている可能性が考えられます。

猫かぜはウイルスや細菌に感染して起こります。人間のかぜとは違い、感染すると後遺症が残ったり子猫なら命を落としたりもする危険な病気です。完全室内飼いでワクチンも打っているぼたんには関係ないと思われますが、人間が媒介してしまう場合もあり注意するのに越したことはありません。

鼻炎はハウスダストや花粉などのアレルギーで起こるので、こまめな掃除を心がけたいところです。腫瘍だけは、正直どうしていいか分かりません。ただ、食事や運動の量などに変化がないかは日頃から気にかけるようにしています。

今のところぼたんは毎日いびきをかいているわけではないので心配はなさそうですが、続けてかくようになったら病院に相談しようと思います。

大人の女性に増えるいびき

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家族や友人から指摘されたことはありませんが、もしかしたら自分もいびきをかいていたりして……と不安になることがあります。というのも、女性ホルモンの分泌量の変化がいびきの一因になるからです。

『セルフドクター』2020年春号「いびきを治したい!」によると、女性ホルモンには筋肉を緊張させる作用があり、分泌量が低下する年代になると、のどの筋肉が緩んでいびきをかきやすくなるそうです。私の場合は年齢に加えて、疲れやアルコール、アレルギー性鼻炎などといった他の原因も心当たりがあります。

時々いびきをかく程度なら問題ありませんが、無呼吸(呼吸が10秒以上停止する)や低呼吸(呼吸が浅く弱い状態が10秒以上続く)の症状があると、高血圧や脳卒中などのリスクが高まることが分かっています。口呼吸による口元のたるみや口臭、睡眠の質の低下による肌や髪への悪影響も気になります。

いびきには「横向きに寝る」「アルコール量を減らす」「枕を高すぎない物に替える」など、取り組みやすい改善法があります。睡眠時無呼吸症候群が気になるようなら、病院に相談するといいでしょう。

もしいびきをかいていたら教えてもらいたいのですが、親しい人でもやはり指摘はしにくいものでしょう。ぼたんがしゃべれたら、「飼い主のいびきがうるさい」と遠慮なく言ってくれそうなのですが。

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文・横山珠世
女一人と猫一匹の暮らしから人と猫が共に健康で幸せに生きていく術を考える、株式会社ジャパンライフデザインシステムズの編集兼ライター。『セルフドクター』や書籍などの制作・発行に携わる。