世界の全てが君なのに

真実と虚像の狭間。

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あと5分だけ

少し前に見つけた小さな幸せ。 先週の月曜日。 台風が来るから学校休みになるはずと 日曜のお昼からお菓子やジュースを買い込み ウキウキで夜更かしをしていたけれど、 朝起きたら小雨。 台風!!!戻ってこーーーーい!!!! 執拗に鳴り響く携帯のアラームに向かって投げかけた言葉。 なんだそれ。と自分で発した言葉に無性に恥ずかしくなりそそくさと拾い上げた携帯は6:30を指していた。 「しょうがないなぁ...」 休みモードの気持ちを切り替え、重い腰を上げてシャワーの準備。 こ

    • 雪が解ける頃に P.2

      猫と犬が導き出した答えが 「一緒に寝たい」だとしたら 犬と猫はどう歩み寄るのか もう少しだけ覗いてみたくなった 手を繋いだまま歩く部屋までの道 君とわたしの部屋はそう距離はなかった それでもずいぶんと長い道のりに感じ 引き戻すなら今だとほんの少しだけ考えたりした 君がどんなセックスをするのか どんなふうに抱いてくれるのか そんなことばかりが頭を占めていた 部屋に着いて君はなんで部屋に呼んだのかを聞いた なんとなく。このままバイバイしたくなかったから 君はなんで

      • 雪が解ける頃に

        少し手が触れただけ それがきっかけだった 同じアパートに住む君と一緒に過ごす時間が増えるまでに時間はそうかからなかった。 同じ学校に通う人が自分に近くに住んでいることに 入学してしばらくして気がついた8月の暮れ すっぴんメガネのボサボサ姿を自分の行動範囲内の人に見られたことに動揺して、挨拶もまともにできなかった記憶がある それから少しして、同じ授業に君がいることを知った 女の子に囲まれながら賑やかに過ごす君 君の印象は根明の人懐っこい犬みたいな子だった どちら

        • 悪魔と契約 P.2

          20年程前、わたしは自分自身を破壊した。 「悪魔と契約した」 その表現がなんともふさわしい気がする。 何がなんでも痩せたかった。 痩せたら全てを変えられる気がして。 全てが手に入ると信じていた。 細い身体、痩せていること それに固執するようになったのは、その時にわたしが持っていないものだったからなのかもしれない。 バービー人形、セーラームーン、モデル、女優、アイドル どれをとっても、美しいとされるものは細い身体として描写されている時代で育った。 「細ければ、愛さ

          悪魔と契約 P.1

          細いね 脚綺麗だね 痩せてるね なんてことなく皆が放つ言葉は、 わたしにとっては物凄く重みがあって 浴びせられるたびに、わたしの心はどんどん死んでいく 容姿に関して何か言われれば言われるほど、 自分を追い込み、心乱される。 そもそも、どう反応したら良いのかもわからない その言葉に隠された本当の意味は? 気にしなくても良いことまで考えてしまう。 細いと言われれば、大したことない体だと評価された気分になり、脚が綺麗だと言われれば、汚い脚だと言われている気分になる。 小さ

          雨の匂い

          僕にとっての大切な人について述べるのはそう簡単な話ではない。まさに今、家族よりも先に、昔好きだった人の顔を思い浮かべてしまうことに僕は少し恥じらいを感じている。 妻とこどもを愛している。これからもずっと変わらずとても大切な存在であることには変わりがない。 それでも僕は隠さずに伝えたい。どうしても忘れたくない大切な人について、僕は話すことにする。 あれから10年以上が経つけれど、ふとした瞬間に思い出すものだ。 思い出そうとしても思い出せない香りなのに、街中でふわっと香る

          調教

          自分自身がSかMか、そんなことはあまり深く考えたことはない。 どっちでもいい。 しかし、ある経験がきっかけで、 わたしの中にある暗い性癖はいとも簡単に目覚めた わたしがまだ高校生だった頃。 ネットで知り合った男性に、わたしは調教をされていた。 『調教』 その言葉を聞くだけで、今ではゾクゾクと興奮をしてしまう程にわたしは変態に仕上がった。 世の中は、mixiが流行っていて、オンライン上で様々な交流を行うことができた。 SNSが主流になる前の時代にとっては、 見ず