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交通事故に遭遇!その時とるべき行動イメージできますか? 事故発生時にすべきこと&ひき逃げがダメな理由をまとめてみた。


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この数字は2019年に発生した交通事故件数です。一日当たり約1044件。
今日もどこかで交通事故が起こっているし、いつどこで遭遇してもおかしくないって数ですよね。
地震や火事に対しては、避難訓練等をして準備を怠らないのに、交通事故に対しては、事故時のシミュレーションってしないよなぁ。想像するとちょっと怖くなってきた…。これではいざというときに適切な行動をとることができない!
ということで、いざという時のために交通事故に遭った時のシミュレーションをしておきましょう。

参考:◆「交通事故発生状況」(公益財団法人 交通事故分析センター)
https://www.itarda.or.jp/situation_accidents


事故発生時に、すべきこと

さぁ、イメージしてください。車に乗車し道路を走行中のあなた。Uターンしようとしたところ、バイクに接触!あなたがすべきことは何でしょう?

交通事故

イメージできましたか?


というわけで、一般的に事故が起きた時にすべきことは以下の通り。

①怪我人を救出する
②事故車を安全な場所へ移動する
③警察へ連絡する
④事故現場を記録する
⑤相手の情報を確認する
⑥目撃者を確保する
⑦保険会社に連絡する

これは車に貼っておきたい!以下それぞれの項目を詳しくみてみましょう。

①怪我人を救出する
人身事故の場合はまず何よりも人命救護が最優先!被害者に声をかけ意識があるか確認し、救急車の手配をしましょう。その場では平気そうでも、脳出血やむちうち等しばらくしてから症状が顕在化するものもあります。速やかにお医者さんに診断してもらいましょう。

②事故車を安全な場所へ移動する
被害者を救護したら、次は二次被害の防止です。自動車を動かせるようであれば、通行の妨げにならない場所に移動しましょう。
移動が不能な場合は、事故が起きていることを周知させることが重要となります。ハザードランプの点灯や発煙筒等を使い後続車両に事故が起きたことを知らせましょう。

③警察へ連絡する
警察への連絡は義務です(道路交通法第72条、第119条1項10号)。警察への通報を怠った場合は罪に問われることもあります。これは物損事故の場合も同様です。

また、保険を適用してもらうためには、事故証明書が必要です。この証明書は警察への届け出が必要なので、結局警察への連絡は必須です。

④事故現場を記録する
損害賠償の請求には現場の情報が重要となります。事故現場の見取り図や車両の損壊具合、負傷状態、信号機や一時停止の有無や双方の位置関係について写真に撮っておきましょう。
また、記憶が鮮明なうちに事故発生状況をメモしておきましょう。

⑤相手の情報を確認する
事故の相手がいる場合は、氏名、住所、連絡先、車のナンバー、加入保険の有無や保険会社を控えておきましょう。口頭ではなく免許証などを見せてもらって確実に控えておくことが大切です。

⑥目撃者を確保する
目撃者がいる場合は、その方の氏名と連絡先を聞いておきましょう。後々被害者と加害者との間で意見の食い違いが生じたときに、貴重な証拠となることがあります。

⑦保険会社に連絡する
保険会社に連絡しても保険を適用しなければ等級が下がることがないのが基本です。まずは報告をして相談しましょう。
その際は、弁護士費用特約が付帯されているかも確認しておきましょう。使えるサービスは使っていく姿勢、大事です。

※弁護士費用特約とは、任意保険に付いているオプション。事故の損害賠償請求をする際、弁護士への法律相談費用や着手金などを保険会社が負担するものです。

参考:◆「交通事故にあったらまずどうする?」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/accident/correspondence.html


お金の問題

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事故現場での対応が終わったところで、次に気になるのがお金の話。何についていくらもらえるか、若しくは払わないといけないのか、事前に把握しておきたいですよね。

まず人身事故の場合は、治療費と慰謝料を請求することができます。一方で物損事故のみの場合は、慰謝料は請求できず、修理費のみの請求となるのが一般的です。

具体的な金額の決定は、まずは当事者間で話し合って決めます。実際のところは保険会社や弁護士の人が交渉をして示談をまとめます。話し合いでまとまらなかった場合は、調停や裁判で決めることになります。

駐車場等の私有地での事故の場合

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何も交通事故は道路上で起きるものに限られません。というよりも、実は駐車場での事故は非常に多いのです。
私有地の場合、道路交通法が適用されないのが原則です。そして道路交通法が適用されないと、警察への連絡が必要な交通事故とは呼ばれないことになります。

ですが、実際のところはショッピングセンターの駐車場など「一般交通の用に供するその他の場所」(道路交通法2条1項1号)つまり「不特定多数の人や車両が自由に通行できる場所」である場合には、「その他の道路」として道路交通法が適用されるんですよね。

まぁ、結局駐車場での事故も道路上での事故と同じ扱いになるわけです。
ただ、この道路交通法が適用される場所か否かは素人には判断が難しいところ。とりあえず、私有地での事故も警察に連絡するのが最適でしょう。

ひき逃げってぶっちゃけどうなの?

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モラル的に逃げちゃダメだという話は置いといて、法律的な観点から見ていきましょう。
法律上の問題としては①行政②刑事の問題が生じるとされます。

①行政上の問題
ひき逃げは、行政処分上「救護義務違反」にあたります。そして「救護義務違反」は35点科されるので、一発免停です。しかも、しばらく免許を取得できなくなります。前歴が無くても最低3年間は免許がとれないんです。今の時代、街のあちこちにカメラがついているし、ドライブレコーダーを取り付けている車も多いので、そもそも逃げきれない。だから、本当に逃げるのって何のメリットもないんですよ。

参考:◆「ひき逃げやあて逃げに付される点数」(埼玉県警察)
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/f0120/menkyo/tensu-seido4.html


②刑事上の問題
刑事上では、道路交通法と自動車運転死傷行為処罰法上での問題が生じます。

道路交通法の場合、ひき逃げは救護義務違反と報告義務違反にあたり違法となる可能性があります。
救護義務違反の場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金を科すことが定められています。たとえ相手に全面的な過失があったとしても、5年以下または50万円以下の罰金が科されます(道路交通法117条)。

報告義務違反の場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金を科すことが定められています(同法119条10号)。

そして、人身事故の場合には自動車運転死傷行為処罰法が適用されます。この場合、危険運転致死傷罪か過失運転致死傷罪が問題となります。

危険運転致死傷罪は、薬物使用運転や信号無視等により事故を起こし被害者が負傷若しくは死亡した場合に適用されます。この場合15年以下の懲役、被害者が死亡していれば1年以上(20年以下)の懲役となります(自動車運転死傷行為処罰法2条)。

また、危険運転致死傷罪が適用されない場合は過失運転致死傷罪が適用されます。この場合は、7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金が科されます(同法5条)。

ちなみに、飲酒運転でひき逃げをした場合は、12年以下の懲役となります(同法4条)。

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いつでも自分が被害者、加害者となりえるのが交通事故です。
起こってしまったからには、適切な行動で被害を最小限にしたいですね。


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