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取材〜自己紹介ストーリー中編

今は夫婦でサロンを経営していますが、過去にアシスタントの採用をしたこともあります。なかにはスタイリストまで勤めてくれた子もいました。

ネガティブな理由での退社はなかったものの、結果として全員辞めてしまいました。自分の器が小さかったし、彼らを引き留める魅力が足りなかったと受け止めています。

その一方で、資生堂SABFAで学び、メイクもできるようになり、仕事はより忙しくなりました。一人サロンの状態ですが、経営は順調で毎日予約が埋まっている状態です。

そんななか、あるお客さまから「増田さん、完全会員制にしたら?」と言われたんです。「いやー、どうでしょうね」と言葉を濁したのですが、僕の脳裏にお客さまの言葉は残っていました。料金を上げたこともありましたが、それでも予約は埋まったまま。「それなら完全予約制にして、お客さまのご要望をすべて叶えたらどうなるんだろう」と、全て叶えたときの世界を見たくなったんです。

完全会員制であれば、きめ細かく、質の高いサービスによって髪の美しさを維持することができます。

サロンは施術料とは別に毎年、4月に15万6000円か5万4000円の「年会費」をいただくことで、サロンのサービス向上のための投資することができます。

年会費は店舗内装工事、ホームページのリニューアル、オリジナルヘアケア製品づくりや、会員さまに提供する高品質な美容ドリンクなどの費用に充てています。また2019年3月には最高月間売り上げ336万円、客単価3万4000円を達成しました。

オリジナルヘアケア製品は予約販売を含めて1カ月で100万円売り上げており、2020年5月には紹介だけで1000本完売しました。

ありがたいことに「年会費を支払うことで、サロンを一緒に作っている感覚になれる」という会員様もいます。

完全会員制にするといっても、キャパシティーは限られています。そこで「BLACK会員」は50人の枠をつくりました。

その枠も、募集から1カ月半で埋まったため、50人の枠に入れなかったお客さまには、「WHITE会員」にご加入いただくことに。WHITE会員は、入会金は無料ですが、カット料金、予約可能な時間帯、無料で受けられるサービスなどが異なります。

完全会員制サロンをはじめてわかった「信頼の数値化」


完全会員制のメリットはいくつもありますがサービスを向上でき、公私ともに時間管理がしやすいところが大きいと思います。

サービスで言えば、腸内環境を整えると言われている貴重な酵素ドリンクをお出ししたり、頭皮の血流をよくするアーユルヴェーダ式ヘッドスパ、ご自宅でのメイク方法のレクチャーをおこなったりしています。

時間に関しては、予約可能な時間を決めて受け付けているので、予定を組みやすくなりました。たとえば、土日の午前中に休んで子どもの運動会や発表会を見に行くこともあります。完全週休二日制にしたので、家族との時間を大切にしています。

実際に完全会員制のサロンを運営して、自分のやっていることは「信頼の数値化」だと気がつきました。そもそも年会費は信頼がないといただくことができません。来店頻度はさほど高くないのに、15万6000円、5万4000円の年会費を支払い、オリジナル商品を予約してくださる会員さまもいます。つまり、会員さまの行動から、信頼度の高さを知ることができるというわけです。「仕事が忙しくてなかなか髪を切りにこれないけれど、サロンを応援したい」という気持を持っている会員さまがいることに気づかされました。


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