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スーパー(その1)〜肩を張らずにフランス11

世界中どこに行っても見かけるスーパー(ひょっとして死語?)。当たり前だがフランスにも大きいのからコンビニのようなものまで存在する。日常生活で必要なものは当然なんでも揃う。日本から初めてフランスに住むことになった読者の方々、心配はいらない。不自由に感じることはない。

今コンビニと言ったが、 « supérette »と呼ばれる店舗が現れたのはそれほど昔のことではない。あるにはあったけれど、量販店に買収されるようになって初めてあちらこちらに普通に見かけるようになった印象がある。この10年から15年の間のことではなかろうか?現在では Carre⚫︎our、Ca⚫︎ino、Mo⚫︎oprixといった巨大企業がそのミニ版を拡散してきた。街に住んでいるなら歩いて行ける距離なので、コンビニと呼んでもいいのでは?

街から離れたところに住んでいるとコンビニにお世話になることはほとんどない。最寄りのスーパー(片道5km)まで車で行く。大方はそこで済ましてしまう。唯一気を付けるのが « promo »安売り。出費を気にしないほどの高収入じゃない « classe moyenne »中級階級と呼ばれる一般民衆なので「安い」「多い」には本能的に引っかかる。とはいえ食料品に関しては少々高くても月末に苦労するほどでもないので他の大型スーパーと値段を比べることはあまりない。比べるのが面倒くさいのもあるが大きい店は遠い(片道30km)。今のご時世、ガソリン代が馬鹿にならないので遠出は極力避けるようにしている。

また余談になるが、日本で呼ぶレギュラーガソリンは20年前には現在の半分の値段だった。とりわけこの2年ほどの間に1リッター1.5€から2€近くまで上がった。日常的に車を利用せざるを得ない郊外の住民やタクシー、長距離トラックにとっての打撃は大きい。2018年の « Gilets jaunes »のマニフェステーション時には、環境保護を大義名分にガソリンや軽油に税金をかけようとした政府に対して一般利用者が政治理由を土返した怒りが爆発した形となり国中大騒動になった。

今は買い物の話。

今年に限って言えば食料品は程度の差こそあれ全部値段が上がっている。日本も似たような状況だと聞いているが、フランスでは、コロナ、ウクライナ戦争、天候不順と、インフレに拍車をかける要素ばかり増えている。インフレとは違うが去年はマスタードが店から消え失せ、食用油もほとんどない状態になった。玉ねぎの値段が数ヶ月前の倍に跳ね上がっているのには辟易する。キャベツ、ピーマンもそう。リーズナブルな値段で手に入るのは国内の近場で採れる季節野菜くらい。あとは軒並み10数%から数10%上がっている。


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