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日本の味が恋しくなると…(その2)〜肩を張らずにフランス72

中華惣菜屋で買わないものとしては、やはり肉と魚。冷凍のものしか置いていない。覗き込むこともあるが、あまりの得体の知れなささに通り過ぎてしまう。肉魚は勢いスーパーかマルシェになる。

マルシェに行く機会があまりないので肉と魚貝類はスーパーで調達する。魚に関しては日本ほどの種類は期待できない。新鮮さも比較にならない。それでも「生」で食べたいと思わない限り十分な素材が手に入る。サバ、タイ、カレイ、サーモンに白身魚がいろいろ。ムール貝も高価なものじゃない。あとイカの切り身などがいつでも見つかる。ないものねだりをする以前に、これだけあれば普段の食卓には全然問題ない。

肉に関しては困ったことが二つある。

薄切りバラ肉は、ない。日本食のレシピで頻繁に使われる薄切り肉。フランスのスーパーには存在しない。お好み焼きや肉じゃがをしたくても包丁で切らないといけない。

というわけで1年ほど前に薄切り肉カッターを買った。普通サラミとか乾燥肉を切るために使うものだがもちろん凍らせた肉にも使える。牛も豚も大きなかたまり肉を凍らせ、時々まとめて薄切りにして冷凍庫にストックしておく。想像していた以上に重宝している。

こんな感じ

いわゆる合挽き肉も存在しない。挽き肉 « viande hachée »は牛肉100%しかない(ソーセージ用にアレンジされているものはある)。豚挽き肉も鶏挽き肉も存在しない。どうしても欲しければ下のような機械(手回しもある)が必要になる。豚は薄切りがあると大抵ことが足りてしまうので、勢いこの機械にお世話になるのはつくねとか肉団子鍋とかで鶏の挽き肉が欲しい時。2キロくらいを一気に挽いてしまう。それを真空パックして凍らせておく。多いようでも知らぬ間に無くなってしまう。

これはうちにあるのと全く同じモデル。見た目よりデカくて重い。使用後の手入れが面倒臭いのでいよいよ出番が少なくなっている。

ちなみに魚も肉も単品売りでない限り値段表示はキロ単位。日本のように100グラム売りをしない。ゼロが1個分の違いなのでかなり差があるような気になるかもしれない。

いや実際差があると思う。魚は日本より高いけれど、肉はずっと安い。魚の高いのは合点がいく。海が遠いのだから。肉の安いのはおそらく需要が多いからだろう。普通のステーキ肉が1キロ3000円だと高い?安い?

細かい話になるが、量販店スーパーで普通に売られている牛肉は乳牛だと思ったほうがいい。プロモーションなどで安売りされるものはまず間違いなく乳牛。目を凝らしてよーく見るとそう書いてある。肉牛をお望みならやはり肉屋 « boucherie »をお勧めする。値段はまるで違うが質も違う。

ところでまるで関係のない話だが、フランスで「キロ」と発音すると重量を意味する。「家から駅まで1キロ」と言うと怪訝な顔をされるのでご注意を。距離の場合「キロメートル」と言わないといけない。


余談が多くて長くなったので一旦切ります。

まだ続きます

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