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メガネ屋さんに寄ってみた〜肩を張らずにフランス(日本編第4回)
基本メガネは2つ持っていて普段の生活と仕事(楽譜読み)用とを使い分けている。
仕事用のものが一つしかないのが心許無いので、気に入っていた縁を使い回ししてレンズだけ変えてもらえないかと常々思っていた。フランスの馴染みの店だと250ユーロだとわかっていた。それを目安にいくらでどのくらいの期間でできるかを知りたかった。
先日自転車で10分ほどのところのメガネ屋に寄ってみた。母も人生最後のメガネを作りたいと以前から言っていたので渡りに船だった。
駅前のごく普通の古いメガネ店。店員とも技師ともつかない中年と老年の男性2人(後で聞いて親子だとわかった)。事情を話し、持ってきた仕事用メガネと縁用の古いメガネを渡す。度数を測りカタログでレンズを探す。
「6900円ですね」
耳を疑った。
「1枚ですよね?」
「2枚ですよー」
そんなバカな!とは口に出さない。他のモデルとの違いとか説明してもらい、結局9000円のものが良さそうとなった。
「いつできますか」
「これなら明日…」
ちょっと待った!明日?!そんなに早くそんな値段で?
「問題ないですよ。明日午後2時以降にお越しください。それから、もし湾曲が気になるならワンランク上のレンズに差額だけでお替えしますよー」
……いやその、一回作ってもらったレンズが気に入らないからほかしていい方に変えてくれるんですか?
「そこはメーカーさんとうちの関係で何とかなりますので」
降参です。勘弁してください。
日本の商人を甘くみていた。安いだけならまだわかる。高いものもできるというのに、客の意図を汲み取り無理に高価なものを勧めず、あっという間に出来上がり、ダメなら無料でやり直しましょうと来られるとは流石に想像してなかった。
« Chapeau bas ! » 全くもって脱帽。帰国2日目にしてすごい経験をした。
追記
翌日出来上がったメガネを取りに行った。湾曲の可能性も杞憂に終わった。9000円(60ユーロ以下)で仕事用のメガネが一つ手に入った。
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