ヒトウ イロコ

ティーンエイジャーを抜けつつある子どもふたり、ねことともに東京で暮らしている人。役に立…

ヒトウ イロコ

ティーンエイジャーを抜けつつある子どもふたり、ねことともに東京で暮らしている人。役に立たないことがすき。ここでは雑文を書いています。

マガジン

  • ヒトウイロコ日記

    50代のたいして前を向かずに生きていく毎日を書いています。

  • もぐらエッセイ

    もくもくと自分を掘り進めて書いたエッセイたち。 エッセイスト・紫原明子さん主宰のコミュニティ「もぐら会」の添削コースで書いたものです。

  • 往復書簡(ヒトウ イロコ/真城 ひろの)

    • 5本

    ヒトウイロコと真城ひろのの往復書簡。

  • 往復書簡(ヒトウ イロコ/青葉 鈴)

    • 5本

    ヒトウ イロコ / 青葉 鈴

  • コインランドリータイム

    コインランドリーにいる時間に書くマガジンです。

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Not so perfect days

ヴィム・ヴェンダース監督・役所広司主演の『PERFECT DAYS』は公開されて以来さまざまな反響を呼んでいる。役所広司演じる主人公の平山さんは、もっていた豊かさを捨てて東京の公衆トイレ清掃員をして生計を立て、小さいけれどメゾネットのように1階と2階のあるアパートの一戸に居を構え、古本屋で買ってきた1冊100円の文庫本と煎餅布団しかない静謐な6畳間で、本を読み、眠り、起きて、働きに出る。その姿を見て「じぶんもこうありたい。理想のいきざま」という者もあれば「そんわけあるかい。美

    • スープのない2日間

      取材が終わって19時を過ぎていたが、今日おわらせねばならない作業があるのでコワーキングスペースに課金して乗り込むことにする。そのまえに腹ごしらえだ、と思ったのだが3日間にわたって食べすぎていたため今日はスープにしようと決め、取材前に通りかかって目星をつけておいたsoup stockに並ぶ。すると貼ってあるメニューになぜかカレーしかなくておかしいな、と思っている間に順番がまわってきてなんと今日は「カレーストック」とかいってsoup stockに「スープのない2日間」なのだそうだ

      • 脳をデフラグしたい、そしてマッドマックスフュリオサを観た

        フリーランスとしてはとてもありがたいことに、いろんな方からいろんなご依頼をいただいている。それはとてもありがたいことで、せわしないのは自分の問題だ。もともとシングルタスクな進行しかできないので、パワーショベル的に出力して一つひとつ完了していくことを繰り返すうち、細かいタスクが重なってくると混乱して思考が上滑りし処理能力がおかしくなる。脳をデフラグしたい、と叫んだら友人に瞑想をすすめられた。10日間くらいいってきたらだいぶすっきりするんじゃないですか、という。確かに。しかし10

        • 今日はひとことだけ

          100年ぶりに天一食べました。

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          ものすごい熱量の悪態はお蔵入り

          昨日はお台場に「GIFT」を観に行ったのだが、帰ってきたばかりで書いた日記がアクアシティで道に迷ったことをものすごい熱量の悪態をもって書き連ねていて、落ち着いて見るとよくない感じなのでお蔵入りにした。そもそもわたしが時間ギリギリに行くのが悪い。すいませんでした。 肝心の映画のほうは、前の日に夜中の2時まで離婚話で盛り上がってしまったせいか、石橋氏の生パフォーマンスに心地よくなって意識が遠のいてしまい、ハッと気がついた時には鹿と対峙していた。しかしここで覚醒するということは、

          ものすごい熱量の悪態はお蔵入り

          離婚して中性脂肪が減りました

          睡眠と覚醒のペースをがたがたに崩す。極端に短い睡眠時間で作業をしていたというのもあるけど、仕事でちょっと毒の沼にはまってしまったというのもある。どちらに足を踏み出しても、ガリッ、ガリっと画面がへんな色に点滅してHPが減る、あれです。どんなに穏やかにことを進めようとしても、いつの間にか足元が毒沼になっててほんとうに恐ろしい。半ば無理やり足を引き抜いて脱出したあともひどく疲れてしまって、しばらく身動き取れなくなる。 決算の資料はようやく揃った。資料とかいっても大半、ほぼ9割は領

          離婚して中性脂肪が減りました

          春樹マインドフルネス

          「頭の中がカユいんだ」は中島らもの著書のタイトルであるが、まさにそういう感覚が訪れるときが、まあまあある。現実世界も脳内も整理整頓は苦手で、公私ともにタスクが一定量溜まるともうダメだ、頭の中がカユい。すべての情報が脳の表面にはりついてギチギチになり、必要なものをじゅんばんに取り出して吟味していけばいいようなものをギチギチすぎてどれも取り出せなくなっている。わたしの仕事は、いまは大きくインタビューしてそれを記事にする仕事、ある案件に関して情報を整理して格納する仕事の2種類がある

          春樹マインドフルネス

          ランドセルと時間割みたいな揺るぎのないもの

          ちょっと気を抜くとかんたんに一日が過ぎてるのほんとうに怖い。習慣化がとても苦手だ。先日、どんな子どもだった?という話を何人かでしたが、わたしはとにかく特筆すべきことのない子どもでした。そして今よりもかなりきちんとしていた。きちんと次の日の時間割をそろえ、教科書、ノート、教科書、ノートと前から教科ごとに揃えてランドセルに入れていたし下敷きと筆箱を入れる位置も決まっていた。忘れものもほとんどした記憶がない。なぜあんなことができていたのだろう。というよりも、なぜ子どもの頃にできてい

          ランドセルと時間割みたいな揺るぎのないもの

          いくら良い気候だからといって外で寝たら風邪をひく

          さすがに予定を詰め込みすぎて、スナックに到着したころにはなんだかへとへとになっていた。魚肉ソーセージでエネルギーチャージをして、もうしわけないが準備を友人におまかせしてしまう。一番乗りのお客さんがものすごくナチュラルに、ラウンジとかにいるボーイの立ち位置に立とうか?と言い出してくれて笑ってしまう。いいひとですね。この夜もとてもたのしかった。 わが家は階下はすずしいが2階は暑くて、でも窓を開けて外の空気を入れれば心地よい。そのまま寝てしまう。起きたら当然のように喉に刺すような

          いくら良い気候だからといって外で寝たら風邪をひく

          好きすぎるものを語る言葉をもてない

          いろんな縁がいくつか重なって「駒沢の生活史」というプロジェクトをお手伝いしている。昨日は駒沢の生活史プレゼンツのトークイベントだった。なんと『東京の生活史』の編集担当をされた柴山さんがいらっしゃるというので、これはもうほんとうに楽しみにしていた。柴山さんのお話をこんなにじっくり聞けるなんて最高すぎませんか。だめだ好きすぎるものを語ることばをもてない。柴山さんも、なんでも「おもしろい」って言っちゃう、メール検索したらほとんどのメールに「おもしろい」って書いてある、とおっしゃって

          好きすぎるものを語る言葉をもてない

          何かをつくって、売る仕事

          甘くて飲みやすいお酒を飲んだらちょっと酔っ払ってしまった。せっせと仕事をしたあとに、だいすきな女性がやっているバーに立ち寄れる幸せ。今夜もおもしろい人とおもしろい話をたくさんした。その場にいたひとりが、お子さんの就職先が決まったというので何系ですか?と聞くと、なぜか簡単におしえてもらえずヒントをたくさんだされる。まだ正解していないので、いっしょに考えてほしい。 ①何かをつくって、売る仕事 ②日々買う何かをつくっている ③インフラじゃない ④コンビニとかに売っている ⑤飲み物

          何かをつくって、売る仕事

          天才青年はぎゅっとハグしてくれた

          今日は友人ハマさんの命日だ。去年はたまたま新橋に居合わせたメンバーで集まって献杯したものだが、今年はきちんとしめし合わせて新橋に集合した。めざす店は「もつ焼ウッチャン」。ハマさんが好きだった「水道橋でん」、あるいは「蒲田いとや」の源流となる店なのだそうだ。なるほどメニューが似通っていて刺も串もマカロニサラダもうまい。友人がスマホで膨大な量のハマさんの写真(ほぼ食ってる姿)をスライドショーにしながら七味唐辛子の脇に立てかけ、ビールのコップを添えて献杯した。そんでいつもの通り飲ん

          天才青年はぎゅっとハグしてくれた

          こちらまりこ

          この日記を始めた当初は4日分くらい書き溜めてからはじめたのだけれど、そんなのあっというまに追い越されてしまった。昨日は話したいなあと思った友人に連絡をしたら今夜でも都合が合うよと言ってくれたので、やったー、と思って約束をとりつける。渋谷の路上で待ち合わせをし、前から行ってみたいと思っていたお店に飛び込みで席を聞いてみたら、トイレの前ですこし狭い席なら空いてるんですが…とエクスキューズを投げかけられ、いいですよ別に、といって入る。店員の青年たちはおそろしくホスタピリティがよくま

          こちらまりこ

          ねこはわたしがじぶんを追い詰めにきてると思っている

          緊急地震速報が家の中でいっぺんに3台鳴り響く。仕事をしていたので起きてはいたが、緊急っぽさを追求しつくしたアラートはいつもながら心臓への負荷が高い。部屋を出ていくと息子は風呂に入っており娘は部屋で臥している。頭が痛い、体温計もってきて、どうせ微熱だろうけどというので体温計をわたすとなんと38.1℃。微熱じゃない。とりあえず水と解熱剤を渡す。あとでアイスを買ってこよう。 わたしの顔を見れば逃げ出す2匹のねこについて考える。わたしが近づくとわたしから遠ざかろうとするのでねこは結

          ねこはわたしがじぶんを追い詰めにきてると思っている

          快、不快と精神状態との連動

          爪と髪が伸びるのが速い。美容師さんやネイリストさんにも、えっもうこんなに伸びてる!と言われるのでやっぱり相対的に速いんだと思う。代謝がいいんだね、とよいことのように言われることもあるが、肌などはまったくそんなことはなく、すべてのタンパク質が爪と髪に集約されていくバグが生じているんじゃないかと思っている。爪はキーボードを操作する際に当たるので、伸びるとすぐに、いやだな、と思う。自分は快、不快と精神状態との連動が強いのでこういうのは避けたほうがよい。自覚するようになったのはここ数

          快、不快と精神状態との連動

          脂汗をかきながら平謝り

          違和感があったら確認する、ということを気をつけてやらなければならないのだが、それを怠るとたいていよくないことが起こる。自分のスケジュールには9時半からバイトと書いてあったのに、バイト先のカレンダーには10時と書いてあるのを、なんだ10時からだったかと思って10時に出勤したらやっぱり9時半に来なきゃいけなかった。わたしのことをおおらかで細かいことを気にしないと思っているひとがひょっとしたらいるかもしれないが、それは間違いで…いや、この日記を読んでくれている人はもはや、だれもそん

          脂汗をかきながら平謝り