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なんかの神様がにぎってるだろう。

夜風にあたるのは良い。
着慣れたTシャツ一枚に毛玉がポツポツとついたスウェットと、婦人用のつっかけを履いてゴミ出しに歩く。すこし熱い自宅の空気を思い出しながら、季節の移り変わりを感じる。ゴミ置き場まではゆっくり歩いて2分くらい。

このまま少し散歩したいくらい涼やかな空気。
暗い球体というよりも、砂場で作ったおままごとのおにぎりみたいに誰かが夜を握っていいる。ふりかけの替わりに銀河の星を一緒に握たのだろう。
キュッとしまった夜空を見ると、本当にまん丸なのがすぐ分かった。

この、誰かが握ったおにぎりの表面を遠回りして帰る。
散歩あらため、深夜徘徊。

そんな言い方は変だな。
もっと、かわいらしい気分で帰ろうと思いついたのは「夜のピクニック」。恩田陸さんの小説が好きだ。
いま行っているのは、ぼくなりの夜のピクニック。
恩田陸さんの小説は、全然こんな話ではない。

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