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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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2024年5月の記事一覧

落書き禁止ノート〔詩〕

好きなモノに囲まれてるはずだった 秩序ある好きなモノ そこから消しゴムで擦って すこしは大人としてマシな自分にと 毎日 はみ出して見えるところを擦る 好きなモノが消えちゃった 必要な洋服だけのハンガー 今読んでる本 いつも使うコップ 絶対着ないTシャツがほしい 内容を全部知ってる本がほしい 誰かのためのマグカップも 使い難くて格好いい抽斗も いつ撮ったかわからない写真も みんな消しちゃった スッキリした キレイになった カラッポになった 明日に価値があって 今日にはそ

日常が摩耗してる〔詩〕

街を見ることが少なくなって それじゃ寂しいから買った         スケッチブック こんなに立派な眼があって      眼鏡までかけているくせに 小ぢんまりした範囲のおなじ色を見る 自然が一生懸命ページをめくり     ボクらをあやしてくれるから 甘えん坊が天井だけみてる ベビーカーを乗りこなし スケッチを集めに行ってくる 紙芝居が始まって映画になる 落書きがいつの間にか絵本になる なんにもなくて写真一枚とれなくても 疲れて眠るなら夢が見られる 息をすると苦しく無い

宇宙人なんかいなくてもいい〔詩〕

今すぐに走って部屋を出て 太陽の時間が終わるまで  目一杯 季節楽しむのは セピア色を取り戻したいからじゃない スズメたちには ゴメンだけど キミたちのことは構ってられないの 自分勝手をいうようだけど はやく私の景色になれ 音も 風も この世界も 全部 私のためのもの そんな全体個人主義でみんな生きていれば きっと楽しくまわるって 好きだった人が言ってたから 私だけでも騙されてあげるって思って それは性善説を信じてる  お人好しを好きになった過去の自分のせいだから だから 

小春 (詩)

曇りの日に馴れたボク達は たまにある晴れ間に喜び 日照りが続いたら 曇りの日を懐かしむ 肌寒いくらいの日陰の風 薄暗い照明みたいな雲の上 透けている太陽 こんな日は歩きたいよ やっぱり眠たいよ 玉ねぎを切って 失敗して親指切って 薄皮の下に赤く滲んで 何故か嬉しい冒険心 こんな日は歩きたいよ やっぱり指 痛いよ そりゃあ なるべくこんな気持ちでいたいよ

狼なりに考えていた

身体を巡る熱が隠れてる 丸くて平らな椅子とテーブル 乗せた手には  爪があって ポケットには ナイフもあって それなのに誰かが泣いてしまうのは 恥ずかしいことだ 孤独をもて余すのは簡単だから 柵の周りを見回ることにした 許されなくても 嫌われても 駄目だからと 目を背けられても ルールの外にいるのはいつもの事 見えないくらいに 遠くに 離れて 背けたくなるように 薄汚れて 威圧して 太陽にも嫌われても あまり楽にはならないけど まだ良いと思える生き方をしたい たま

みんな猫背出身

花を見上げる 美しく色ずく 花を見る レンズを向けるのは風の先にある花 成功だから 儚いから 立ち止まって うつむく 這いつくばる根っこみたいな気持ち 寄りかかって時間を無駄にする木の幹 がんばってないみたいに見えるから 触らないように 目を逸らす 内側に涙流して 静かに泣いていればいい 花を見上げる 手入れされた 花を見る 名前を呼ばれるのは音の先にある花 成長だから 強いから 雨降りに  雑草ばかりを見下ろしてたら 自分の足が見えなくなってた 汚く見えるから そ

真似してないと心細いの

青空に雨雲を引き延ばしたからこんな色になったんだ 本当は両方欲しいのに どっちか選んだから今日があって 昨日が同じ色をしていないといけない気がしていた 外に出て見れば分かることを 窓を開けて覗いてみたり 大好きなオレンジの匂いの化粧品で 良い気分を感じてみたりする でも今日は大好きなキミの真似をする ドアの隙間を通り抜ける真似をする 身をよじって 耳を擦って 起き抜けでもいい 外に出てから顔を洗う 傘? いらないよね 午後14時03分 わたしは猫

木の葉の音がしない。

 ギューギュー屋根を鳴らす強風が、目覚ましのアラームと一緒に朝を教えてくる。  あっという間に一週間が過ぎるくせに、カーテンを開けて雨が振っているのを見ると時間が少し止まる。  準備はいつも通り。  顔を洗って、適当になにかつまんで、ハミガキして、うんちして。スマホと財布とキーと、あまりワクワクしない気持ちを突っ込んで部屋を出る。  ラジオパーソナリティーがピックアップする曲が、地面を鳴らすのを楽しめと聞こえるのは、金曜まで我慢したから。  強風がボクの軽自動車を吹き飛ばすく

進化の先に〔詩〕

形が崩れてもいいものを創り出した 教室のドアを開けると交わされるのは 崩れた おはよう 聞き取れなくても 何となくでも 文字で書いたら何語かわからなくても 気持ちがわかるような音がする 終わることが不思議で 永遠が当たり前のこと 明日 朝が来る予定をたてた 世界が変わって  夜になれば  不安になるような朧げな月 オハヨウが聞き取れないと 命の終わりをカウントできない 指折り数える さよなら こんなことなら 人間になんてなるんじゃなかった もしも 願いが叶うなら 動物

ひとつの嘘

キミがついた嘘が できるだけ最後のほうにあるように そうだとしたら ボクが悪いことにしやすいから いまさっきの泣き顔だけなら 雪が降るから冬なんだと 信じるくらいに簡単で 今日で最後の夜に なんてしたくないし 景色が見えなくなる準備が できてないから でも 例えばなんだけど キミの嘘が もうすこし前で 「友達と出掛けてくる」って楽しそうにしていたのが  もしも そうだったのなら それは それでもいいから それならば それならば この手の温度は 本当だってことだから あま

夜の下

2日続いての雨でちょっと寒い。 朝から珈琲のことを考えているのは、めずらしいことだ。 平日の僕。 昨日は、久しぶりに夜に出かけたから癖になったように思い出す。 夜。 燃料の減ったままの車の排ガスの匂いは、冷たい夜空に久しぶりに再開したことを実感させたし、抜け出して夜にでるのが大好きだったのは、この開放的な夜空の高さのせいだったと思う。 夜は本物。 昼間なんか紛い物で、あるはずのモノを眩しさで隠した世界。 夜は静かにする。 太陽の下には平気で出る。だけど、夜はこっそり抜け出

言い訳する相手にバイバイ

 煙草を辞めたからベンチに座らなくなったけど、十年前にキミの隣が空いたから、また座る理由ができた。  「ねえ、わたし思うんだけどさ」そんな前置きをしてから、いつだったか君が言っていた。バイバイを言うのは、また会いたいと思ってくれている人で、そういう人ほど「死んでくるわ」みたいなことを笑った顔で言いながらそこに向かって行くから、怖いと。  そのときのボクは分かったような顔をして、分からないのを隠していた。  今日、キミは知らない街へ行く。  ボクは煙草に火を点けた。ベンチに

泣くのは、だいたい後回し

涙袋を指でなぞるように押す ゆっくり でも ある程度しっかりと目元から目尻の方まで押してやる 素人ながらにスッキリする そんなことをしたって 夜になれば眠たくなるのだけれど 涙を巻き戻してやることで なんとか 昼間にやらないといけないことをひとつでも多くやりたいんだ 野菜を切ってみたり 布を洗ったりしているうちに 季節は廻ってゆくのだけれど そんな間にも 涙を巻き戻してばかりいるもんだから 最近はいつ泣いたか思い出せない 多分 動物図鑑のぼくらのページには

リフレッシュ

明日のことを書く すこし前向きになる様に 一日分のたのしいをしないで明日が終わらないように 今日 想像する明日はまだ 何にもならないかもしれないけど とりあえず 前を向いてる だって明日のことなんだから クタクタになった今日を コインランドリーに コインを入れて まわってる もうすぐ綺麗になって戻ってくるから 今日を乾かせば 明日になる 濡れたままは気持ち悪いから 明日を想像しよう 大丈夫 雨降りだって 乾燥機に入れちゃおう 乾かせば 明日になるんだか