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mikitanishi3
木の葉の音がしない。
ギューギュー屋根を鳴らす強風が、目覚ましのアラームと一緒に朝を教えてくる。
あっという間に一週間が過ぎるくせに、カーテンを開けて雨が振っているのを見ると時間が少し止まる。
準備はいつも通り。
顔を洗って、適当になにかつまんで、ハミガキして、うんちして。スマホと財布とキーと、あまりワクワクしない気持ちを突っ込んで部屋を出る。
ラジオパーソナリティーがピックアップする曲が、地面を鳴らすのを楽しめと聞こえるのは、金曜まで我慢したから。
強風がボクの軽自動車を吹き飛ばすくらい揺らすのは、鬱屈した気持ちをかき混ぜてあげようとしているんだと空を見る。
押し流されるネズミ色の雲の先には、排水溝でもあるのだろう。
千切れない木の葉は、希望に見えなくも無い。
宙で輪を描く葉っぱ。
これが自由か。
天気の悪い日だ。
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