読書中は『変性意識(トランス)状態』かもしれない、って話。
おはようございます。ネコぐらしです。
そういえば昔、変性意識のコントロールについてワークショップを受けたことがあるな~って突然思い出しました。
期間は大体3ヶ月くらい。
結果的に、どんな喧騒の中でも瞑想状態に入るノウハウを習得して、休憩中やちょっとした移動でも脳に優しい時間が上手く作れるようになった。
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変な言い方をするとこのワークショップでは、自分の脳みそを労わるコツを教えてくれました。
これが驚くほど効いた…!
どれだけ日々の喧騒と身体的な感情に振り回されていたかを見つめ直せた、ってところもすごく大きい。
私が受けたワークショップは、まさに禅の修行をオンライン上で行う感じだ。
座禅を組んで心を落ち着け、煩悩がふつりと湧いたら住職さんにピシャリと祓ってもらう。
それと同じように講師役の指示に従い、意識を研ぎ澄ませ、変性意識への没入を目指すのが本ワークショップの趣旨。
でもオンライン上だと身体の事細かな動きは認識が難しいし、警策(座禅の時に用いる棒)で打つことはできないので、ある程度は放任される。
禅に比べればもっとカジュアルな取り組みだった。
場所にも時間にも縛りがなかったので、とても気軽なワークショップだったなぁと思い返しています。
「なぜ突然瞑想を?」って疑問もあるかもしれない。
それは精神科医であり、カウンセリング経験豊富な名越先生の「ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である」を読んだのが、参加のキッカケだった気がします。自分の声に耳を傾けてみよう!って感じでした。
この経験を経て現在、読書にドハマリしているネコぐらしでありますが、「読書 と 変性意識のワークショップ にすごい似ている何かを感じた」ってお話をしたい。
しかしその為にはまず「ネコぐらしの受けたワークショップってどんなの?」ってところから説明していかねば、という次第です。
変性意識のワークショップ
週1~2回程度、数人でボイスチャットに集まり、大体1時間~1時間半程度で完結するワークショップでした。参加者はまちまち。平均は5人くらいで、多いときは8人くらい居たり。
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①アフォーダンス
まず講師役の人がより変性意識状態に入りやすくする為のアフォーダンスを行います。
今回のワークショップ内でのアフォーダンスは、ポジティブな影響を持つ詩の読み上げでした。
一種の自己暗示。思い込みの力ってやつですね。
懐疑的な状態を解消してデフォルトをまっさらな状態にする。
そうしていくらか変性意識に移行しやすい状態に近づけておきます。
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②言語誘導と非言語誘導
アフォーダンスが終わったら安全な姿勢をとって、一斉に瞑想を開始します。
大体時間は30分程度。
姿勢とかポーズは各自好きにしていました。しかし、途中で眠ってしまう可能性が大いにあるので、倒れても大丈夫な体勢が推奨されていました。私はもっぱら手足を大の字に広げ仰向けに寝て取り組む。
実際に眠りそうになった日もあったけど、熟睡しちゃうってことはなかった。自分にとっていい塩梅だった気がします。
前半10分は言語誘導。
講師役の方から補助を受けながら、徐々に変性状態に向かっていく。
補助とは簡単にいえば「あなたはだんだんねむくな~る」である。
講師役の方が中性的かつハスキーボイスの持ち主であったので、この時の没入感はえげつなかった。
実際には座学を行う日もあって、無意識の意識化の手段であったり手っ取り早い暗示法なども丁寧にレクチャーしてもらったりもしました。
一見スピリチュアルな印象だった瞑想の実態が、どこまでも理詰めだと気づけたワークショップでもありました。
後半20分は非言語誘導。
言葉を使わず雰囲気そのものを演出しつつ、各自が己の世界に深く入り込んでいく。
ある意味でここからは自分との対話フェーズ。
慣れない内はヒーリングミュージックが流れたりもしてましたが、変性意識内で独自の音が聞こえる、といったようなフィードバックがあるため、なるべく外部の要素には頼らないようにしていました。
たまに、後半で眠ったまま起きてこなくなっちゃう人も居たけど、それはそれでOKとしていた。
オンラインだとどうしても個人の裁量に委ねられる部分が多いので、そこは大目に見ていたらしい。
ちなみに眠ってしまった人から翌日「気持ちよく寝れた」的なメッセージが届いたりするので、結果オーライな感じになっていた。
リフレッシュできれば手段は問わないのだ。うん。
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③覚醒とフィードバック
非言語誘導が終わったら、講師が全員の意識を覚醒させていく。
よく耳を済ますよう誘導し、3、2、1、0カウントと同時に手を叩いてパンッと破裂音を発生させる。
テレビとかで催眠状態を解く時の「アレ」をイメージしてもらうと伝わりやすいだろうか。
参加者が覚醒したら、順番に瞑想中に感じたこと、脳内にパッと浮かんだ景色の話を共有する。
講師役の人がカウンセリングのように深く聞き出したりフィードバックを返したりする、というのがワークショップの流れだった。
ここで参加者たちが話すのはどれも夢のように取り留めのないことばかりだが、自分も対して変わらないので、順番が来たら思いっきり話す。
瞑想を終えると、自然と伝えたい言葉が次々と湧いてくる。
なんでも話せるし、みんなもそれを神妙に聞いてくれる(中には眠ったままの人もいるけど笑)
あるときは、「ブロークバック・マウンテンのヒース・レジャーと巨大なエアーズ・ロックの下で焚き火をしてたんだよ!」とか意味不明なことを語ったりもしたが、みんな頭の上に?マークがつきながらもしっかり傾聴してくれていた。
瞑想後はとても話しやすい土壌がしっかり整っていた気がする。
いわゆるトランス状態であり、心の内部の自律的な思考や感情が表層意識を取り払って出てきやすくなっているのだという。
※ちなみにこの映画、激推しです。
『ダークナイト』のジョーカーを務めた伝説的俳優の出世作でもある。
読書を始めた時の『変性意識』
私の受けたワークショップはこんな感じだった。
一見スピリチュアルな話に聞こえるかもしれないが、すべて理論的に説明をしてくれました。
当時の教えはまだ私の中にしっかり残っていて「すぐに瞑想をしろ」といわれれば直ぐに入れるくらいには、身体と脳に染み付いています。
最近それで気がついたのですが、読書でも一種の変性意識状態に入っているのでは?と考えた。
まだ読むスピードも遅いながらも毎日読む癖がスッカリ身についた。
ボーっとしがちな昼下がりでも、ひとたび本の表紙をめくればスッと意識を切り替えられるようになっている。
この一瞬で切り変わる感覚が、変性意識のワークショップで試していた瞑想に入る時の感覚と非常に似通っているのです。
この切り替わりは、無意識ながらとても知覚しやすく、スマホを開くよりも遥かにスムーズで快感がある。
私自身が図書館について綴ったエッセイでも触れた「私と本だけの空間に切り取られる瞬間」が、臨場感を伴って感じられるようになったのです。
臨場感の正体
この臨場感というのが、変性意識のワークショップでも大きく取り扱われていました。
映画館の大スクリーンで映画を見る時、ディズニーランドで体感型アトラクションに乗り込む時、臨場感は物語への没入感を深める。
そして一方でワークショップの瞑想でみたブロークバック・マウンテンの世界でのキャンプも、臨場感はすさまじかった。
突き刺すような空の深さは嘘ではなかったし、ヒース・レジャーも隣にいた(?)火の温かさだって体感した。あくまで精神世界の話だけどね。
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読書でも同じような臨場感に襲われることがある。
現在読み進めている村上春樹さんの『1Q84』でも「青豆」や「天吾」や「ふかえり」が実際に目の前にいるような臨場感がたしかにある。
ページを開けば、彼らは眼前で会話を繰り広げていて、その一挙手一投足が目に見えてしまう。
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特にミステリー作品であればイメージが投影されやすい。
当時、ミステリーと無縁だったネコぐらしでも、凄惨な死体の絵がまじまじと浮かぶし、人の脂の匂いが事細かく表現されれば実際に嗅覚が反応するような感覚がある。
友人からある日突然オススメされた『猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子』シリーズは、わたしが文字の力に気づくキッカケとなった作品かもしれない。
恐る恐るとページをめくった記憶もしっかり残っています。
最後に
おそらく、本を開くということがトリガーになって、私の変性意識にアクセスしているのだろう。
瞑想も読書も物理空間でなく全ては精神的空間で行われる事。
きっとそのトリガーがとても近いところにある気がするのです。
この臨場感の拡張がより読書体験を深めてくれる。
同時に、読書が好きな人って自然とこの変性意識のスイッチが入っていたんだなぁと。
勉強が得意であったり、小説や難しい分論をスラスラと見通せる能力は、きっとこの臨場感が大きく関係している気がするのです。
逆にいえば、読書体験を重ねるって、今回解説したワークショップを無意識に実践してるのと同じくらい効果があるということ。
読書すごいね!
まだまだ読書初心者意識が抜けないネコぐらしでありますが、739番 田中さんを見習って、たくさん読み進めて行きたい今日このごろです。
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