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パナマシティラーメンレビュー【うすくちラテンアメリカ_5分エッセイ no.8】

私がカナダに長期滞在していた時の趣味が、

「ラーメン屋巡り」

だった。

実は日本のラーメンというのは、最近、といってもここ数年とかいう話ではないが、アメリカ大陸でかなり流行っている。米国の主要都市に出店する有名ラーメンチェーンも多く、移住したり旅行したりの日本人だけではなく、現地の皆様にもかなり受け入れられている。特に米国やカナダの方に人気なのが、とんこつラーメンだそうだ。おそらく醤油や味噌よりも、味のイメージがしやすいのと、はっきりこってりしているからだろう。

北海道で幼少期を過ごし、東京で青春時代を送り、現在関西に住んでいる私も、人並みに、「旭川しょうゆ→札幌みそ→とんこつしょうゆ→(ちょっと煮干しや背脂系を挟んで)→中華そば系」と、好きなスープの変遷を語れる程度には、ラーメンに親しんできた。海外にいても、やはり食べられるのであれば、ラーメンは食べたい。ということで、長期滞在した国ではラーメン屋を探すのが定番になっていた。

さて、カナダのカルガリーは日本人の駐在員や留学生、ワーキングホリデーを利用した滞在者や旅行者も多く、日本とほぼ変わらないクオリティのラーメン屋が何軒もある。すでにレビューされている方もWeb上にいらっしゃるので、私はそこから離れ、パナマについて書こうと思う。

パナマは小さな国ではあるが、ビジネスの要衝ということもあり、実は日本人駐在員がそこそこいる。また、ヨーロッパ系のビジネスマンも多く、アップタウンは国際色豊かだったりする。そうすると、当然レストランも多くなり、必然的にラーメン屋が入り込む余地も生まれる。ということで、パナマシティには実は結構ラーメン屋があるのである。

本稿から何回かに分けて、私がパナマ滞在中に行ったラーメン屋さんのうち、いくつかをピックアップしてご紹介しようと思う。

まず一軒目は、Ajisenである。

お団子ヘアの女の子のキャラクターがモチーフの熊本ラーメンチェーン、味千。国内では九州を中心に展開するブランドだが、なんと、パナマに2店舗も出している。というか国外、特に中国や東南アジア、アメリカにやたら店舗がある。凄まじい海外志向である。

なぁんだ、チェーン店か、と思われるかもしれないが、世界で何か国にも展開する巨大チェーンは、やはり強い。海外でも日本と遜色ないクオリティのラーメンが食べられるし、現地のニーズも分析していて、隙がない。ちゃんとしたラーメンが食べたい!と思った時に、海外で個人営業する店に行くのも悪くはないが、すごく美味いこともあれば、大変残念な場合もある、つまり博打だ。その点、チェーンであれば一定以上の水準は保証される。

Ajisenは定番であるとんこつラーメンも、辛みそを加えたものも、チャーシューメンも、炒飯やギョーザなどのサイドメニューも、どれも「普通に美味しい」。日本人目線で見て「普通に美味しい」と思えるラーメンというのは、相当貴重なのである。

個人的なオススメは激辛みそを乗せたVolcanoラーメン。火山という名に恥じないビジュアルである。これにサイドメニューのタコ焼きを加え、デザートは餅アイス。鉄壁の布陣だ。



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