070_ホワイトデー ~幸せな口づけ~
3月16日(月)
21時10分
ボクがどうやって、
香水を探したかで話が盛り上がり、
あっという間に2時間が経っていた。
彼女といると、
本当に時間があっという間に過ぎていく。
「じゃあ3つめ、これが最後ね」
「え、まだあるの?2つで十分だよー」
「えっと、これはねー似合うと思うよ」
「わっ!前に聞いてくれたリップね」
「うん、そうそう、探しに行ったよ」
「ありがとう。これもメッチャ使うから嬉しい」
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前に、彼女に何が欲しいか聞いたら、
唇が乾燥しがちだから、リップがほしいと、
いつも使っているリップを教えてもらった。
「これって、カラーはいろいろあるの?」
「うん、あるよー」
「こういうの買うときって、男性はどうやってカラーを選べばいいだろうね?」
ボクは、買うということを黙って聞いてみた。
「その女の子の写真を店員さんに見せたら、色々とおススメを紹介してくれると思う」
「へぇーそうなんだ」
ボクは彼女に教えてもらったとおり、
週末にデパートに行き、彼女の言っていたブランドで、
リップを探した。
これまでリップなんて買ったことがなかったから、
初めての経験だった。
彼女に教えてもらったとおり、
店員さんに、
「すみません、この種類で、この子に合うリップって何色ですかね?」
と、彼女の写真を見せて、聞いてみた。
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彼女に、袋を開けるように促すと、
「うん」
と言って、袋のリボンをほどき、
彼女はリップを取り出すと、
「わ、何これ!めっちゃかわいい」
「でしょー」
「うん。えーっと、サクラ?、これって限定?」
「そうなんだよね、限定の色で桜」
「そうなんだー、めっちゃかわいいよ」
と、彼女はリップを少しだけ取り、
手の甲に落とした。
「うん、うん、これ、めっちゃ似合う自信があるよ」
「(笑)絶対似合うと思うよ」
彼女はとても嬉しそうに、
袋に戻していた。
「ホントにありがとう。全部私の好みにピッタリ、センス良すぎ」
ボクにとって、
最大の賛辞だった。
あまりにも嬉しくて、
彼女の体を抱き寄せ、
キスをした。