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オークションで家をかってみた その3

その1

その2


公売の落とし穴

公売というとオークションで安く土地や家を買うことができるお得な儲け話のようだが、落とし穴がある。

一つは、前に書いたように現地、物件を詳しく調べることができないということ。しかも、公売を行う税務署や自治体には、物件に何か不具合があったとしても責任を負わなくてもいいということが法律に明言されている。一応、説明文には殺人事件がありましたとか、雨漏りがありますなど詳しく調べなくてもわかる範囲のことは載っているが、たとえシロアリで柱がボロボロでも文句をいうことはできないし返金してもらうこともできない。

家財は前の持ち主のもの

もう一つは、前の持ち主からの引き渡しを、落札者の責任で行わなくてはいけないということ。差し押さえ物件ということは、前の持ち主の意に反して売られるものであり、下手すると、前の持ち主がまだ住んでいるかもしれない。たとえ住んでいないにしても、落札できて自分の持ち物になったとしても家の鍵もないし、鍵を壊して中にはいったら不法侵入で訴えられるかもしれない。また、家以外の家具や生活用品などは前の所有者のものなので勝手に処分することもできないのだ。

家を買っても家に入ると不法侵入に

自分の家なのに、中にはいると不法侵入になるのはおかしいと感じるかもしれない。でも、これは自分の服を着ている人から、無理やり自分の服だから返せと脱がせることができないのと同じようなものだ。

では、どうするかというと家具類については、前の所有者と交渉して、家の中のものを持ち出してもらうか、処分しても良いという念書を書いてもらう必要がある。鍵も同意の上もらわなくてはいけない。

交渉相手が行方不明のことも

前の所有者がその家に住んでいるならば、交渉することもできるけれど、空き家の場合は下手をすると連絡がつかない場合もある。

いくらかお金を払って了承してもらえればまだ良いが、条件が合わないときは、裁判所に訴えを起こさなくてはいけない。正当な手続きに法って手に入れたものなので訴えは認められるが、その後の強制執行は結構お金がかかる。

もろもろお金がかかる

鍵の解除業者、家具等の運搬、処分代などで30万から50万ほど、一連の手続きを弁護士に頼むと、20万ぐらいかかるようだ。

かかった費用を相手に請求することもできるが、そもそも税金の滞納をしているぐらいなので払ってもらうことは難しいだろう。

警察にきてもらう

前所有者が裁判所の執行官に抵抗した場合は、公務執行妨害になるため、抵抗が予測されるときは警察官が同行して逮捕してもらう必要がある。住んでる人を無理やり追い出すのはなんとも後味が悪い。

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マガジン オークションで家を買ってみた

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