幕間 赤(ファタール) _ interlude

さて、幕間です。
や、本当に本当にこんなに幕間を書くつもりないんです。生きてたら色々あって。

紬さん、謝らないといけないことがあります。それは、キタニタツヤさんのことです。米津さんっぽいなにかであって、良さげだけど、まぁ、そこまで、なんか惜しいよねー。とずっと思ってましたし、言ってました。
謝りたいです。ごめんなさい。や、今までの曲の印象は変わらないです。(ファンの方々、ごめんなさい。)でも、この新しい曲は、凄かったです。

まず、断っておきたいのは、推しの子から入ってません。推しの子は知ってますし、アニメなのも知ってますし、内容も知ってますが、だからこの曲が凄いと言ってるわけでは全くないのです。純粋に、凄いです。どハマりしました。
もう一つ断っておきたいのは、中島健人さんにも興味ないです(ファンの人、ごめんて)。あ、でも歌うまいんですね。
そう、この曲、推しの子を色々フィーチャーしてますが、本当にとてもレベル高いです。
まず、褒めちぎりたいのは、YOASOBIのアイドルとゆー最強の前任者を知りながら、引き受けたことと、個人的には、アイドルより好きです。YOASOBIのアイドルに何かしらヒントを得た可能性はあるかもですが、そんなもんどーでもいいくらいすごいですよ、このファタールとゆう楽曲は。
曲調、リズム、歌い方、アジアンなライン、疾走感、二人の掛け合い、アイドルとは違った角度からの攻め込みにも関わらず世界観はそのままに。どこをとっても本当に好きなのですが、歌っていて最高に楽しい(あなた誰)のですが、記事にした理由は、実は歌詞なのです。
紬さんは、一応noteでは、詩をあげていますので、幕間では珍しく歌詞にスポットライトを当てていきます。

キラキラお星様宿したあなたの eyes
カラカラ渇いて可哀想な lack of 愛?
全てを孤独から救う眩しい光
僕にだけ落ちる影はあなたのせい?

ファタール / GEMN

Kの子音がとても印象的なこのパート。母音的にはやはり、アイとゆう響きのIですね。見事に耳を焼き尽くします。言葉も、良いですね。特に、「僕にだけ落ちる影はあなたのせい?」ですね。さすがのセンスです。

お願い、声を聞かせて、声を聞かせて
絡まって歪んでしまった傷さえ
くれたのはあなただけ、あなただけ (あなただけ、あなただけ)
お願い、僕を見ていて、僕を見ていて
宿命に刻まれた痛みさえ武器にして
いつかの後悔すら照らせるように

ファタール / GEMN

ここのパートもバカ好きです。
特にお気に入りは、「絡まって歪んでしまった傷さえくれたのはあなただけ」ですね。ここは、もう最高ですね。こんな詩が浮かべば死んでもいいかも。「いつかの後悔すら照らせるように」なども含めてですが、ファタールとゆう楽曲の歌詞は全体に、否定的な表現と肯定的な表現の共存、あるいは、同居、もしくは、綱引き、がとても魅力的な世界観を生んでいるように感じます。否定的な切なさや残酷さや満たされなさ、そして、歪みが、なぜか、著しくドロドロした透き通った水みたいに聞こえます。異質な異常なものが、世界に一つの宝石のように聞こえるのです。音楽も相まってより一層そのイメージは強固になり、推しの子のストーリーも後押しして、完璧なものへと。

キラキラお星様宿したあなたの eyes
カラカラ渇いて可哀想な lack of 愛?
遥か彼方から放たれた美しさに
灼かれた眼、もがれた羽根、創造的堕天

ファタール / GEMN

ここもいいですね、下2行は特に秀逸な言葉選びです。H音とLの音とKの音の繰り返しの心地よさと、「灼かれた眼、もがれた羽根、創造的堕天」の部分の描写は、まさに虜で落ちていく様はリスナーも同じでしょうね。

さて、メインです。

何度悔やんだだろう?
何度呪っただろう?
どれほどの幸福を注いだとしても
満たされることのない器
何度夢見ただろう?
何度願っただろう?
僕の胸で
膿み続けている傷を撫でる手を

この舞台で足掻くことをやめない
「ただ一つのアイに近づきたい」
固く定まったこの宿命
あの星の光からこぼれた闇

ファタール / GEMN

ここに紬さんは、撃ち落とされました。

「僕の胸で
 膿み続けている傷を撫でる手を」

「固く定まったこの宿命
 あの星の光からこぼれた闇」

この二か所は、もう、凄すぎて、悶えに悶えました。ここを聞きたいがためだけに、この曲を聴く日があるだろうなとゆうくらいのフレーズだと思います。膿とか、普通使わないでしょう。でも、膿なんですよね、この曲を支配しているのは。もう傷とかじゃないんですよ。傷はもうあって、それは治らなくて、膿みまでいっている。でも、それこそがその人への愛の証拠。そして、その膿みを撫でにくるその人。撫でられたら、治りそうなもんじゃんって、思いますよね?そこがポイントですね。完全に治る程に撫でてもらえるほどの関係ではないんですよね。「お願い僕を見ていて」とゆう歌詞からもわかる通り、独占できるような存在ではないので。だから、中途半端に治っては、まだ傷は存在するし、あるいは広がるし、故に、膿みは治らない。ずっと癒えずに膿んだまま、ですよね。愛って、やはりどっか狂ってる(狂っちゃう)と思ってます、紬さんは。何時間もLINEの画面を見続けたり、既読もつかないのに二十個も連発したり、雨の中駅前で8時間その人を待ったり、切った髪をずっと冷凍庫で保管したり。(例えですからね?)好きがそうさせるんですよね。わからないけど、わかりますよ。きっと皆さんも、そうなんじゃないかなと思います。これが、満たされない恋ともなれば、けれど、関係的には無でもないともなれば、心の中でそれは、どんどん紫色になり、どんどん腐って、どんどん悪臭を放ち、だけど、大切で仕方ないそれは、捨てるとか消すとかそういう次元にはない、んですよね。わかります。残念ながら、嬉しいことに、わかってしまいます。
「膿み続けている傷/を撫でる手を」
「あの星の光からこぼれた闇」
もう、凄すぎますよ。ちょっとやばいです、この歌詞は。あと二週間はヘビーにローテーションします。鬼リピってやつですね。

怖いものって、ありますか?紬さんは、幸せを感じる時に、もの凄く怖くなるんですが、その話はまた別の機会にするとして、やっぱり、怖いものって、人間です。特に、「愛」している時の人間です。どんなことでもできちゃいますよね、良くも悪くも。愛する息子の病気を治すためなら、家だって売るし、病院だって占拠します。愛する彼女に振り向いてもらうためなら、彼女を取り巻く全てのゴミを掃除(要するに殺害)します。この二つは、反対方向とするか、同じ方向とするか、ベクトルで表すなら難しいところだと思いますよ。ファタールの楽曲は、GEMN名義で、なんやねんGEMNて、となりそうですが、ま、多分、geminiから二つのiが欠落したんでしょう(違ったらごめん、、、)。色んな「アイ」が満ちようが欠けようが、歪になって、ものすごいものを生み出すには十分です。このファタールとゆう楽曲もまた、そのようなproductだと、紬さんは思います。

まぁ、こんな詩が書けるように、紬さんも頑張ろうかなと、思います。
偉そうに、プロの方の楽曲に向けて散々言って、申し訳なかったです。それくらい、物凄い衝動を、貰いました。良ければ、聴いてみてください。正直、ファタールとゆう楽曲は、ここ数年で三本の指に入る、衝撃でした。感動です。

では、また幕間にて。

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